128超特大イノシシ「絵」
何時もピンチはチャンスでしかない。
倒れ伏したまま、松岡修造1等兵士は土を握りしめた。夕闇の中、超特大イノシシの荒い鼻息が響く。
超特大イノシシ
「ムゥゥン……!」
その体長約3.5mの巨体は、まるで動く岩山のようだった。
修造1等兵士
(剣が折れる……正面からじゃ勝てない……!)
その時、かすかに意識を取り戻したミフカード上官殿がうめく。
ミフカード3曹士
「……修造……正面は無理だ……奴の弱点は……目と鼻……そして足元だ……」
修造1等兵士
「上官殿ッ!」
イノシシは再び突進体勢に入る。地面を蹴る音が雷鳴のように響く。
修造1等兵士は深呼吸した。
修造1等兵士
「熱くなれ……でも、冷静になれ……!」
訓練の日々が脳裏をよぎる。
遅刻ゼロ、規律違反ゼロ、体力基準クリア。
あの地獄の半年間は、この瞬間のためにあった。
修造1等兵士
「皆!二人一組だ!側面から砂を投げろ!」
エリドゥ軍兵士A
「了解!」
兵士たちは畑の乾いた土を掴み、イノシシの顔めがけて一斉に投げつけた。
超特大イノシシ
「ムオッ!?」
目に砂が入り、イノシシが一瞬ひるむ。
その隙を逃さず、修造1等兵士は折れた軍剣の残骸を握り直す。
修造1等兵士
「武器が折れた?なら、知恵で戦え!」
突進してきたイノシシの横へ、ギリギリで身をかわし足元へ全体重をかけたタックルを仕掛ける。
修造1等兵士
「今だァアアア!!」
兵士二人一組が側面から槍を突き立てて別の組は足を狙ってロープを絡める。
超特大イノシシ
「ムオオオオオオ!!」
巨体が揺らいで修造1等兵士は地面に転がりながら叫ぶ。
修造1等兵士
「夕方は奴の活動時間だ!でも視界は完璧じゃない!煙を上げろ!」
兵士が乾いた藁に火をつけ、煙を発生させる。視界を奪われ、足を絡め取られ、横腹を突かれついに巨体が大きく傾いた。
ズゥゥゥン!!!
超特大イノシシは大地を震わせて倒れた。
その時松岡修造1等兵士は背中に背負っていた槍で超特大イノシシの首を突き刺して刺殺した。
静寂。
修造1等兵士は肩で息をしながら、ゆっくり立ち上がる。
修造1等兵士
「……皆、無事か?」
兵士達
「はい!」
ミフカード3曹士も担架で運ばれながら、かすかに笑う。
ミフカード3曹士
「……よくやったな……修造……」
修造1等兵士は空を見上げた。
夕焼けが赤く燃えている。
修造1等兵士
「熱血だけじゃ守れない……でも、熱血があったから立ち上がれた。」
エリドゥは救われた。しかし遠くの森から、さらに重い足音が響く。
ドスン……ドスン……
兵士の一人が震える声で言った。
「まさか……つがい……?」
修造1等兵士は拳を握る。
修造1等兵士
「来いよ……何匹でも相手になってやる!」
次回“超特大イノシシの王”現る!?エリドゥ軍最大の試練が、今始まる――!
敵はいつだって弱い自分の心だ。




