119話悪魔サタン「絵」
こっからが無限戦車編です。
大将ブレイドは、その冷徹な眼差しで部下、2等曹士アドウェルサスを見つめていた。アドウェルサスの顔色が青ざめ、震える声で懇願する。
「大将ブレイド様、おやめください!そんな無理をすれば、何も残りません!」
ブレイドは微笑むが、その笑顔には慈悲はなかった。
「悪いが、これは選択だ。俺の国を造るためには、その命が不可欠なんだ」
ブレイドは腰の刀を抜き、鋭利な刃をアドウェルサスの胸に突き立てた。肉が裂ける鈍い音が響き、鮮血が噴き出してブレイドの顔を赤黒く染めた。アドウェルサスは苦悶の表情で体をよじり、口から泡を吹きながら、絶命した。そのまま地面に倒れ込むと、アドウェルサスの体内から流れ出た血が、儀式の壇を赤く染め上げていく。
熱を帯びた血が沸騰し、粘着質な黒い煙を上げながら悪魔の入り口を形成していく。臭いは鉄錆と腐敗臭が混ざり合った、吐き気を催すようなものだった。
やがて、地獄の底から這い出てきた悪魔サタンが、その巨大な影を広げて姿を現した。硫黄の臭いを撒き散らしながら、サタンは鋭い爪で地面をえぐり、赤い目でブレイドを見下ろした。
「問おう。お前は何を望む...」
ブレイドは血に塗れた顔で、狂気じみた笑みを浮かべた。
「最強の力を寄越せ!」
サタン
「最強の力だと? その言葉、俺が保証してやる!」
サタンは鼻を鳴らし、巨大な翼を広げた。その羽ばたきがもたらした風圧で、儀式の壇が粉々に砕け散った。その下にいたアドウェルサスの遺骸は、悲鳴も上げずに肉塊と化して吹き飛んだ。
サタン
「よかろう。並行世界の虚無から、無数の戦車を引きずり出してやる」
サタンの指先が空間を切り裂くと、地面がヒビ割れて血を吐くように裂けた。そこからは、金属と油の臭いが漂い、ズズズという重たい音と共に、無数の巨大な戦車が這い出してきた。しかし、それはただの鉄の塊ではなかった。車輪が生き物の骨を内臓ごと噛み砕き、砲身からは腐った臓器のような粘液が滴り落ちている。
大将ブレイド
「うおおおおお!」
ブレイドはその光景を見て興奮し、地面に這いつくばったアドウェルサスの残骸に顔を埋めた。その血を舐め取りながら、彼は歪んだ顔で笑った。
ブレイドは立ち上がった。その肌が溶け出すように赤黒い光に包まれ、骨が軋む音と共に全身の皮膚が剥がれ落ちていく。その下からは新鮮な血と鉄の錆が混じった蒸気が噴き出し、周囲の空気を熱く焦がした。
大将ブレイド
「ふんっ! ふんふんふん!」
彼は狂気じみた笑い声を上げながら、両手を広げた。その瞬間、大地が悲鳴を上げるほどの衝撃が走った。
大将ブレイド
「出ろぉぉぉ! お前ら全員がぁぁぁ!」
地面が深々と裂け、そこからは無数の鉄の塊が這い出してきた。だが、それは機械的な動きではなく、生き物のような痙攣を伴っていた。車輪の隙間からは腐った臓器が垂れ下がり、砲塔がぐにゃりとねじ曲がり、まるで怪物のように唸りを上げている。
その圧倒的な数と質量に、周囲の景色は一瞬で瓦礫の山へと変わっていった。戦車の履帯が建物を踏み潰し、壁から出てきた人々の悲鳴は、一瞬で轟音に飲み込まれた。戦車たちはただ走るだけではなかった。その砲塔が生き物のようにねじれ、内側から人間の腕のような触手が伸び、逃げ惑う人々を掴んでは砲身の先端に引きずり込んでいく。金属の内壁で人間がペースト状に潰れる音が、不快な湿り気を帯びて周囲に響き渡った。
大将ブレイド
「ははは…これだ…これこそが俺の望んだ最強の力だ!」
ブレイドはその惨状を前に、恍惚とした表情で天を仰いだ。彼の体はもはや人間のものではなく、血と油に塗れた生きた機械と化していた。背中からは無数の金属の棘が突き出し、その先端からはアドウェルサスの血が脈動するように滴り落ち、地面に触れると新しい戦車の卵となって孵化していく。
彼の足元では、アドウェルサスの肉片がまだ微かに痙攣していた。その肉片の一つが、ブレイドの靴に触れると、黒い煙を上げて吸い込まれていく。ブレイドの体は、部下の命を喰らうことでさらに肥大化し、彼の思考はもはや人間のものではなく、無限の破壊と創造を渇望する悪魔そのものになっていた。
大将ブレイド
「もっと…もっと見せろ! 俺の国の礎となれ!」
ブレイドが叫ぶと、空間がさらに歪み、別の並行世界の風景が裂け目から覗いた。そこにも、同じように絶望する人々がいた。ブレイドはその裂け目に向かって手を伸ばし、まるで神の裁きのように、その世界からも戦車を引きずり出し始めた。
無限に続く破壊のサイクル。それはもはや誰にも止められない、ブレイドだけの狂気の祭典となっていた。
大将ブレイドの無限戦車に松岡修造大尉はどう攻略するか?
次回に続く...!
2等曹士アドウェルサス
「†┏┛墓┗┓†」




