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異世界迷宮松岡修造くん  作者: 勇氣
第七章生物兵器編

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114/198

114王子無双「絵」

勝ち残れ。

 眼前に蠢くのは、五万を超える腐肉の群れ。

圧倒的な死者の軍勢を前にして、エンメルカル王子は歓喜に打ち震えていた。

 「俺一人で、全てを掃討する。」


 「王子、無茶です!」

側近のガルデウスが慌てて制止する。だが、エンメルカルは振り返らない。

「俺なら勝てる。ガルデウス、お前の大剣を貸せ」


渋々差し出された身の丈ほどもある大剣を掴むと、エンメルカルは単騎、ゾンビの海へと飛び込んだ。


 「ギャアア!」

首が飛ぶ。

 「ゴァッ!」

胴体が両断される。

袈裟懸け、唐竹割り。一振りで複数のゾンビが肉塊へと変わる。


エンメルカルの戦い方は常軌を逸していた。

巨大な大剣を、前方の敵集団へ力任せにぶん投げる。

直後、彼の姿がブレた。

――瞬間移動。

空中で投げた大剣の柄を掴み、そのままの勢いで周囲のゾンビを蹂躙していく。


 「な、なんだあの能力は……」

 「何故、王子があそこまで強いんだ……」

ガルデウス達は、ただ呆然と立ち尽くすしかなかった。

優雅な王子の衣服は、どす黒い返り血で染まっていく。


だが、エンメルカルの心はかつてないほど高揚していた。

退屈だった。平和な王宮での日々は、彼にとってただの牢獄だったのだ。

彼の本質は、誰よりも闘争を求めるバーサーカーである。

実父メスキアッガシェル王は「危険すぎる」と彼を遠ざけ、その狂気を檻に閉じ込めていた。


だが、その枷はもう無い。

あるのは、敵の肉を断ち切る快感だけ。


 「ハハハハッ! 脆い、脆すぎるぞ!」

一万の死者を容易く塵に変え、エンメルカルは嗤う。

統率を失ったゾンビなど、彼にとってはただの肉の的でしかなかった。


――それが、油断だった。


残るゾンビが四万を切ったその時。空気が、変わった。

 「……ん?」

ゾンビたちがピタリと動きを止め、泥のように溶け合い、一箇所へと集約していく。

それは、あまりにも奇怪な光景だった。

何万もの呪詛が重なり合い、巨大な肉塊を形成していく。


そして、現れた。

体長三メートル。悍ましい髑髏の顔を持つ、『それ』が。


挿絵(By みてみん)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【個体名】 ゾンビ神

【種族】 神族  Lv. 400

【HP】 44,444,444 / 44,444,444

【MP】 44,444,444 / 44,444,444

【スタミナ】 44,444,444 / 44,444,444

【戦闘スキル】

・無明点睛(周囲12mに200万の絶対ダメージ)

・崩殺(拳による一撃必殺)

・デスブレス(ブレスによる一撃必殺)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

異常すぎるステータス。

先程までの狂気的な笑みは消え去り、エンメルカルの顔が引き攣った。


 「こんなの聞いてねーぞ……。後は消化試合だけじゃなかったのかよ。」

額を冷や汗が伝う。


 「王子。」

背後から、低く力強い声がした。

ガルデウスが大剣の予備を引き抜き、エンメルカルの隣に並び立つ。

 「ここから先は、私も御供します。」


絶望の権化を前に、死闘の幕が再び上がろうとしていた。

最後迄読んでくれてありがとうございます。

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