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異世界迷宮松岡修造くん  作者: 勇氣
第七章生物兵器編

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109/198

109エンメルカル3「絵」

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 鋼鉄の翼 ―― 情熱のスクランブル

 「私は、戦闘機でウルク国を制圧したい。空からの圧倒的な暴力で、絶望を焼き払いたいんです!」


修造の訴えに、アルリム王は静かに頷いた。「文明の粋を使いこなしてみせろ。許可する。」

その瞬間、修造の胸に宿ったのは「聖戦」への使命感だった。整備場に向かう彼の眼差しは、もはやオナニーを渇望していた男のそれではない。


鏡のように磨き上げられた機体。その美しさに、修造はエンジニアたちの魂を感じ取った。

 「お疲れ様です……この翼に、俺の、そして皆の希望を乗せて飛び立ちます!」


整備士たちの無骨な挨拶を背に受けながら、修造はコクピットに収まった。計器の光が彼の瞳を照らす。作戦指揮官としての重圧が心地よい緊張感となり、全身の血を熱くさせた。


 「野郎共、ウルク奪還だッ!」

地上で待機するエンメルカル王子たちの地鳴りのような咆哮を無線越しに聞きながら、修造はアフターバーナーを点火した。重力が全身を押し付け、情熱は音速の壁を突破した。


:地獄の俯瞰 ―― 11発の審判

 「こちら大尉……ウルク上空に到達。……ッ! 何だ、これは……」


雲を突き抜け、修造の眼下に広がったのは、かつての黄金の都の成れの果てだった。

蠢く無数の影。それは人間としての尊厳を失い、ただ飢餓に突き動かされる「死者の群れ」であった。


 「こちら大尉! 住民の様子が変です。あれは……魑魅魍魎、ゾンビの群れです!」

 「こちら王子! ゾンビって何です!?」


無線の向こうで怯えるエンメルカルの声。修造は唇を噛んだ。説明する暇などない。ただ、眼下の惨劇を終わらせるのが自分の義務だと確信した。

 「説明は後です! 先に空から浄化します! ……ミサイル、発射ァ!!」


親指が赤いボタンを押し込む。翼下から放たれた一筋の光が、地上の静寂を蹂躙した。

 「ドォォォォォォォォン!!」

大地が爆ぜ、火柱が空を焦がす。一瞬にして9,999体のゾンビが肉塊へと還った。しかし、修造の心に高揚感はない。まだ5万を超える「絶望」がそこに残っているのだ。


:成層圏の決闘 ―― 亜人 vs 鋼鉄の猛禽

その時、機体のレーダーが異常な接近物を捉えた。

 「何だ!? 速い……マッハ5だと!?」


地上の爆炎を切り裂き、亜人へと進化したイオンが、重力を無視して戦闘機へと肉薄してくる。恐怖が、氷のような手で修造の背筋をなぞった。生身の人間が戦闘機を追撃してくるなど、悪夢以外の何物でもない。


 (落ち着け……熱くなれ、だが頭は冷静にしろ!)

修造は操縦桿を強く握り直した。恐怖を燃料に変え、脳内のシミュレーションを高速回転させる。


 「こいつは生物だ。ならば、必ず『限界』があるはずだ……!」

修造が目をつけたのは「酸素」だった。どんなに超人的な力を持とうと、肉体を持つ以上、気圧と酸素の壁は超えられない。


 「高度4,000メートル……そこが貴様の墓場だッ!」

修造は機首を垂直に跳ね上げた。急上昇するGに耐えながら、バックミラーで追跡してくるイオンを睨みつける。予想通り、4kmの壁を越えた瞬間、イオンの動きに精彩が欠けた。肺が空気を求め、細胞が悲鳴を上げているのが手に取るように分かった。


 「今だ! グライドアタック開始ッ!」


修造は機体を反転させ、獲物を狙う鷹のように急降下した。空中に固定された標的――イオンに対し、20mm機関砲とミサイルが牙を剥く。


 「ミサイル発射! マシンガン発射ッ! 貴様の野望と共に、粉々に砕けろォオオ!」


 「ズガガガガガガガガ! ドォォォン!」


空中で大爆発が起こった。ゾンビの王として君臨しようとしたイオンの頭部は、最新鋭ミサイルの直撃を受け、跡形もなく吹き飛んだ。

挿絵(By みてみん)

:硝煙の空に誓う

爆炎の残滓を突き抜け、修造は再び水平飛行に移った。

 「こちら大尉……敵指揮官、爆殺完了。これより残敵掃討に移る」


残りミサイル10発。地上ではエンメルカル王子たちが、空を見上げながら希望の光をその目に焼き付けている。

修造は、コクピットの中で微かに微笑んだ。その微笑みの裏には、この戦争を終わらせた後に待っている 「電動の快楽」への期待も、確かに混ざり合っていた。


情熱の翼は、まだ止まらない。


次回:『掃討の雨 ―― 蹂躙される死霊たちと王子の涙』

ウルク奪還の時は、刻一刻と近づいている……!

  イオン

†┏┛墓┗┓†

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