108エンメルカル2「絵」
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覇王の算盤 ―― 命の値段
「どうかお願いです、アルリム王様ッ! 我が祖国、ウルクを奪還してください!」
倒壊した王宮の代わりに構えられた仮初めの謁見の間で、エンメルカルは床に膝をつき、額を擦り付けた。かつての誇り高い王子の面影はない。
だが、アルリム王の返答は、エンメルカルの淡い期待を切り裂くほどに冷淡だった。
「いいよ。……ただし、対価を払ってもらおう。余の国に、毎月銀1万シェケルを納めること。それが援軍の条件だ」
「な……!」
エンメルカルは息を呑んだ。亡国の王子にそんな大金があるはずもない。アルリム王の瞳は、まるで路傍の石を見るかのように無機質だ。
「……どうか、もう少し、安くしてはいただけないでしょうか……」
屈辱に震え、自尊心が粉々に折れた少年の顔。
アルリム王はそれを見て胸の内に歪んだ嗜虐心と僅かな憐憫が混ざり合った。
「……そうか。ならば、銀200シェケルで手を打ってやろう。……ただし、別の条件を呑んでもらう。エンメルカル王子。君には、余の『人体実験』に付き合ってもらうぞ」
その瞬間、室内の温度が数度下がったかのような錯覚。エンメルカルは思考が停止した。アルリム王の眼差しの奥に、マッドサイエンティスト特有の、美しき被検体を見つめる「所有欲」がギラリと光ったからだ。
「どんな、実験を……?」
「秘密だ。……だが、君という素材を余の手で弄り回せるのなら、安いものだ」
背筋に氷を押し当てられたような戦慄。だが、エンメルカルに選択肢はなかった。
「……分かりました。その条件、呑みますッ!」
:絶望的な援軍 ―― 十人の出陣
「よし、交渉成立だ! では援軍として、余の部下から二人を遣わそう。偉大なる松岡修造大尉と、ベニス♂中尉だ。武器はM1カービン二挺と弾薬2000発を持たせる」
「ちょっと待ってくださいよッ!」
エンメルカルは椅子から転げ落ちそうになった。
「相手は国を滅ぼした軍勢、そしてゾンビなんですよ!? たった二人で何ができるっていうんですか!」
「君ねー……」
アルリム王は深い溜息をつき、憐れむように王子を見下ろした。
「銀200シェケルという破格の安値で、余の大事な兵士を二人も貸し出すんだ。本来なら手数料込みで5万シェケルは下らんのだぞ? 兵を失いたくないのは余も同じ。それに、余が遠征中にエリドゥが攻め落とされたら元も子もない。余はここを動けんのだ。……許せ、若き王子よ」
正論という名の壁。エンメルカルは、王としての責任と、現実の非情さの間に挟まれ、渋々従うしかなかった。
自分を含めた家臣、親衛隊長アレクサンダー、そして「借り物」の兵士二人。計10名の「ウルク奪還隊」。あまりに心許ない戦力に、王子の心は暗雲に覆われた。
:情熱の報酬 ―― 禁断の電動具
一方、この「出向命令」を受けた松岡修造大尉は、王の前で激昂していた。
「また戦争ですか!? そりゃないですよ、王様! 俺は……俺はもっと、家で心ゆくまでオナニーをしていたいんです! 平和な自慰の時間を奪わないでください!」
あまりにストレートすぎる部下の懇願。アルリム王は眉間を押さえながら、宥めるように提案した。
「……もし、この遠征を無事完遂できたなら、何でも欲しいものを一つやろう」
その一言で、修造の瞳に太陽のような輝きが戻った。
「本当ですか!? ならば……俺は『電動オナホール』が欲しいですッ!!」
「……何だそれは?」
「ちんちんに装着するだけで、人知を超えた快楽を与えてくれる魔法の装置ですッ!」
文明を創造する王にとっても、それは未踏の領域だった。アルリム王は長考の末、重々しく頷いた。
「……余の技術でも創ったことのない代物だが……よかろう。もし創り出せたら、それを褒美として叶えてやろう」
「アルリム王様ッ! ありがとうございますッ! 俺、やってやりますよ!! 限界を超えて、ウルクを救って、その果てに快楽を掴み取ってやりますッ!!」
情熱の方向性は著しく歪んでいたが、修造の戦意は今、最高潮に達した。
:死地への行軍
ウルク国。今は「Zombie之王Aeon」となったイオンが君臨する死者の都。
10名の少数精鋭(?)が、それぞれの思惑を胸に、奪還への一歩を踏み出す。
王子エンメルカルは、アルリム王との「秘密の実験」という将来の不安に怯え、
修造は、未だ見ぬ「電動の快楽」という夢に燃え、
親衛隊長アレクサンダーは、王国の再興を願い、
ゾンビが蠢く暗闇の地へと、運命の歯車が回り始めた。
果たして、情熱のM1カービンは、6万の死霊を打ち破ることができるのか――。
次回:『決死の渡河作戦 ―― 迫り来る死者の軍勢と、修造の咆哮』
彼らの戦いは、もはや「正義」だけでは語れない……!
エンメルカルは美男子です。




