106Zombie之王Aeon「絵」
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神の雷撃がすべてを焼き尽くしたアルスランテペの灰の中から、最悪の「種」が零れ落ちていました。準国王アニッタが命を賭して護り抜いた光の裏側で、闇のエネルギーを吸い込み、異質な進化を遂げた一人の男。
絶望の連鎖がウルクの都を飲み込み、新たな魔王が誕生するまでの凄惨な光景を、濃密な心理描写でリライトします。
:静寂の崩壊 ―― 極超音速の飢餓
「国民を護れて、本当に良かった……」
灰の海に沈みゆく意識の中で、アニッタは最期に微笑んだ。その崇高な崩御と引き換えに、アルスランテペのゾンビは根絶された――はずだった。
しかし、魔族としての強靭な肉体と、理性を焼き切るほどの飢餓感を持ったゾンビ・イオンだけは違った。神の雷を紙一重で回避した彼の肉体は、痛みを感じない「無痛の暴力」と化していた。
「ぐげぐふぇ(血を……温かい血を寄越せ……ッ!)」
もはや人間としての思考は残っていない。あるのは「捕食」という生存本能のみ。
ドォォォォン!!
空気を切り裂く衝撃波。マッハ5という極超音速で地平線を駆け抜けたイオンは、わずか15分後、かつての黄金の都・ウルクへと到達した。平和な空気に包まれていた都に、死神が降り立つ。
:銃声の空虚 ―― ルミノックスの戦慄
「私のM1カービンで、その汚らわしい存在を終わらせてやるッ!」
かつて魔神PMCの非情な戦士であり、アルリム王の矯正を免れた数少ない生き残り、ルミノックス♀。彼女は咄嗟に銃を構え、トリガーを引き絞った。
「ドドドッ!」
鋭い発射音が響くが、イオンの動きは生物の域を超えていた。残像だけを残し、アクロバティックな回転で弾丸を回避する。
「ごげぐご(中々やるな……だが、無駄だ)」
イオンは知っていた。正面から戦士を相手にするよりも、抵抗力の弱い民を襲い、「戦力」を増やす方が効率的であることを。彼は円を描くように疾走し、逃げ惑う住民たちの喉を次々と切り裂き、牙を立てた。
「ぬゴー!」「テルー!」「ぎぃあー!」
一秒ごとに増えていく、魂の抜けた呻き声。ゾンビ住民AからZに至るまで、ルミノックスの周囲は一瞬にして、腐敗した肉の壁で埋め尽くされていく。
「こいつ……まさか、知性があるのか!? 逃げ場を塞いで……こんなのチートだろ!」
ルミノックスの指が震える。かつてない絶望感が、冷たい汗となって彼女の背中を伝った。
:死刑宣告のリロード ―― 狂気の愉悦
「おりゃッ!!」
決死の叫びと共に、ルミノックスは乱射を開始した。ゾンビ住民AからOまでの頭部を正確に撃ち抜き、沈黙させる。しかし、その間に残りの群れが、一歩、また一歩と距離を詰めてくる。
(早く……リロードしなきゃ……!)
震える手でマガジンを抜き、新しい弾丸を込める。一発ずつ、金属が擦れる音が、彼女の耳には「死の秒読み」のように聞こえた。時間が歪んだかのように長く感じられる。ゾンビたちの腐敗臭が鼻をつき、濁った瞳が彼女の生を羨望している。
カチッ……。
装填が完了した瞬間、既にルミノックスの四肢には無数の冷たい手が絡みついていた。
「やめて……来ないでーーーーッ!」
その悲鳴を特等席で見届けていたイオンの顔には、この世のものとは思えない「狂気と愉悦」が浮かんでいた。
ゾンビという死の淵に立ちながら、なお奪い、喰らう。その背徳的な快楽に、彼の魔族の血が呼応した。闇のエネルギーが全身の細胞を再構築し、腐敗していた肉体が、鋼のように強靭で、炎のように熱い「何か」へと変質していく。
:亜人の覚醒 ―― Zombie之王Aeon
「……力が漲る。この熱さ、この万能感……俺は、死を越えたのか」
混濁していた意識が、漆黒の知性として蘇る。
ゾンビ病を克服し、死を超越した存在――亜人へと進化したイオン。
彼の身体からは、闇の魔力が陽炎のように立ち上っていた。
ウルク国の全住民6万人。かつて人間であった彼らは今、すべてがイオンの意志に平伏す沈黙の軍勢となっていた。
瓦礫の玉座に座し、虚空を見つめる彼の名は、もはや一兵卒のそれではない。
Zombie之王Aeon。
死者の軍勢を率い、生者の世界を終わらせるための王。
その冷酷な双眸が、次なる標的――松岡修造とアルリム王の待つエリドゥへと向けられた。
次回:『不死の進撃 ―― ウルク陥落、英雄たちの落日』
世界は今、本当の地獄を知ることになる……!
Anitta
†┌┘墓└┐†




