102最高司令官エドガー無限銃VSアルリム王パワードスーツ3「絵」
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屈辱と肉薄 ―― 鋼鉄の王に挑む牙
「ガッ! ドゴォッ!」
アルリム王の無慈悲な殴打が、エドガーの視界を真っ赤に染め上げる。パワードスーツに強化された拳は、一撃一撃が大型重機の破砕機のような重さで、エドガーの肉を、骨を、そして誇りを粉砕していく。
「……ハァ、ハァ……死ねッ!」
エドガーは朦朧とする意識の中で、隠し持っていたFN ファイブセブンを引き抜き、至近距離から銃身を押し付け連射した。しかし、王の装甲は火花を散らすだけで、冷酷な嘲笑を返す。
「無駄だと言っている。余に抗うこと自体が、物理法則への反逆なのだよ」
その時、影が動いた。
「俺みたいな雑魚は……眼中にないってかッ!」
部下のルミノックスが、決死の覚悟で魔神製ナイフを抜き、王の背後の隙間に刃を突き立てる。だが、アルリム王は振り向きもせず、煩わしそうにルミノックスの顔面を掴み上げた。
「ない★」
無機質な一言と共に、ルミノックスは遥か高空へと放り投げられ、点となって消えていく。
だが、その一瞬が「復讐の獣」に最後のチャンスを与えた。
エドガーは地獄の底から這い上がるような動きで、王の背後に密着した。折れた腕を、血塗られた腕を、王の鋼鉄の首に回し、渾身の力で締め上げる。チョークスリーパー(裸絞)。
「この世界は、間違っている……! その歪みの中心にいるのは、お前だッ!!」
:激突する正義 ―― 修造、絶望の中の介入
「へぇ……余が悪なら、此処迄世界は発展しない。これは悪ではない、尊き『統治』だァ!」
絞め落とされる寸前でありながら、アルリム王の声には一抹の揺らぎもない。彼にとって、少数の犠牲の上に築かれる巨大な繁栄は、冷徹なまでの「正解」だったのだ。
そこに、一人の男が駆けつけた。
「二人とも、もうやめてくださいよ!!」
松岡修造。彼の瞳には、敬愛する王の非情な過去への落胆と、目の前で血を吐くエドガーが抱える「被害者としての絶望」が同時に映っていた。
「修造君、正気か!? こいつは余の民を蹂躙した、ただの人殺しだぞ!」
「だって……! この人の両親は、国造りの犠牲になったんでしょう!? 命の代償に示談金で済む話じゃないかもしれない……。でも、暴力で返しても、誰も救われないんだッ!!」
↑(戦いを辞めさせる松岡修造)
修造の叫びは、戦場を支配する「殺し合いのロジック」への挑戦だった。しかし、復讐に燃えるエドガーに、その甘い言葉は届かない。
「示談金など要らぬわ……。俺が欲しいのは、こいつの死、ただそれだけだッ!!」
「……話にならんな」
アルリム王がパワードスーツの全出力を解放した。
「余の力は腕力を10倍にする。児戯に等しい絞め技など、この『技術』でねじ伏せるのみ!」
バキバキと音を立てて腕力が膨れ上がり、エドガーの拘束は力任せに引き剥がされた。再び始まる、一方的な蹂躙。エドガーの身体が瓦礫に叩きつけられる。
:情熱の盾 ―― 休戦という名の夜明け
「もうやめるんだッ! これ以上戦ったら、どちらかが死んでしまう!!」
修造は、あろうことか二人の「殺意」の真ん中に飛び込んだ。一方には10倍の腕力を持つ王の拳。もう一方には、女神の指輪の力で世界を焼き尽くそうとするエドガーの執念。
「修造君、こんな奴の為に……」
「修造、お前……甘すぎるぞ」
「甘くてもいい! 俺はもう、誰の死体も、誰の絶望も観たくないんですッ!!」
修造の叫びは、これまでの戦闘で枯れ果てた戦場に、唯一の「人間味」を吹き込んだ。そのあまりに真っ直ぐな、太陽のような情熱に、アルリム王の拳が止まり、エドガーの指が指輪から離れた。
「……俺が、この男を正しく導く。だから……王様、彼を殺さないであげてください。お願いしますッ!!」
泥だらけで頭を下げる家臣の姿に、アルリム王は深い溜息をついた。
「……修造君、君には敵わないな」
エドガーもまた、血を拭いながら、修造の熱い瞳を見つめ返した。
「……修造と言ったか。お前のような男がいるなら……もう一度だけ、この世界を見てやってもいい。だが、この『糞王』とだけは、仲良くするつもりはないからな」
その言葉は、エドガーが初めて「復讐以外の未来」を受け入れた瞬間だった。
:瓦礫の中の協定
こうして、銃声と爆音に包まれていたエリドゥに、奇跡のような静寂が訪れた。
エリドゥ王国と魔神民間軍事会社。
相容れぬ「二つの正義」は、松岡修造という一個人の情熱を介して、血塗られた「休戦協定」へと至った。
「……それで良いです。俺は、あなた達がどちらも死なずに済んで……本当に、安心しました……」
修造は安堵のあまり、その場に崩れ落ちた。
だが、これは終わりの始まりに過ぎない。エドガーの憎しみは消えたわけではなく、アルリム王の「覇道」も止まったわけではない。
戦火の余熱が残る大地で、三人の男たちの奇妙な共存が始まる。
果たして、この脆い平和は、いつまで続くのか。
次回:『再生への第一歩 ―― 傷跡と新たな火種』
物語は、新たな局面へと動き出す……!
松岡修造大尉の英断です。




