表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

68/68

第69話 再生都市ヴァレク

自由都市ヴァレクの朝は、戦いの爪痕を残しつつも、新しい希望に満ちていた。

 瓦礫の撤去が進み、街の人々は笑顔を取り戻しつつある。

 翼たちは昨日の総力戦の疲労が残る中、街の再建と防衛を確認するため、広場に集まった。


 「翼、見て。昨日の戦闘で壊れた塔も、もうここまで回復してる」

 ミーナが目を輝かせ、瓦礫の山から復旧作業を指示する人々を見渡す。


 リリアも微笑みながら剣を肩にかける。

 「街全体が元気を取り戻しているわ。私たちが守った街だから、なおさらね」


 セリアは地図を広げ、残滓封印の状況を確認していた。

 「ゼロの残滓の核も完全に封印されている。もうこの街を脅かすものはないわ」


 翼は仲間たちを見渡し、微かに笑った。

 「皆のおかげだ。俺一人じゃ、こんなに上手くはいかなかった」


 すると、広場の向こうから人々の歓声が聞こえた。

 「翼殿! セリア殿! リリア殿! 本当にありがとうございます!」

 街の住民たちが笑顔で手を振る。


 翼は少し照れくさそうに頭をかく。

 「いや、俺たちはただ、やるべきことをやっただけだ」


 その時、街の中央広場に黒い影が現れた。

 「……翼たち、さすがだな」

 黒いローブの人物――ゼロの残滓を操っていた外部勢力の最後の刺客が立っていた。


 リリアは剣を握り、翼の横に立つ。

 「まだ来るか。けど、もう怖くない」


 セリアも魔法陣を展開し、後方支援の準備を整える。

 「翼、こいつは私たちで処理しましょう」


 翼は深呼吸し、光の魔法陣を最大化する準備をした。

 「よし、行くぞ。最後まで――全力で守る」


 戦闘が始まる。

 刺客は再生個体を一度に呼び寄せ、街全体を揺るがそうとする。

 だが、翼たちは動じない。

 リリアは剣で個体を切り払い、セリアは光の魔法で封じ込める。

 ミーナは後方から魔法弾で援護し、街の被害を最小限に抑えた。


 翼は集中力を高め、再生個体の根源である核を光の魔法で攻撃する。

 「ヒール・ブレイド・マキシマム!」


 光の魔法陣が街全体を包み込み、再生個体は次々と力を失い倒れていく。

 刺客は驚きの表情を浮かべる。

 「……こんな力が……」


 翼は仲間と連携し、最後の一撃を刺客に浴びせる。

 「これで終わりだ!」


 刺客は光の中に消え、ゼロの残滓の核も完全に封印される。

 街はついに完全に安全となった。


 翼は深呼吸し、仲間たちと笑顔を交わす。

 「やったな、皆」

 リリアも微笑み、セリアは頷いた。

 ミーナは「これでやっと街に平和が戻る」とつぶやく。


 その後、街の住民たちは翼たちを称える式典を開いた。

 「自由都市ヴァレクを守ってくれて、本当にありがとう!」

 子供たちも翼たちに手を振り、笑顔を見せる。


 翼は胸の奥が熱くなるのを感じた。

 追放されたあの時からここまで、仲間と共に戦い、守り、成長してきた――そのすべてが、この瞬間のためだった。


 セリアがそっと翼に言った。

 「翼、あなたがいなければ、ここまで街は守れなかったわ」


 リリアも肩を叩き、笑う。

 「あなたは本当に、不遇回復術師なんかじゃない。街の英雄よ」


 翼は照れくさそうに笑いながらも、仲間たちと拳を合わせる。

 「これからも、俺たちは一緒だ」


 空には朝日が昇り、光が街全体を温かく包む。

 瓦礫の間から、新しい建物や市場が顔を出し、街は完全に再生の兆しを見せていた。


 翼は空を見上げ、静かに誓う。

 「どんな困難があろうとも、仲間と共にこの街を守る――それが、俺たちの使命だ」


 自由都市ヴァレク――再生の都市。

 街の未来は確かに光に包まれ、翼たちの絆はさらに深まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ