第68話 残滓封印
自由都市ヴァレクは、戦いの後の静寂に包まれていた。
瓦礫の撤去や建物の補修が進み、街の住民たちは少しずつ日常を取り戻しつつある。
しかし、翼たちは油断していなかった。
「ゼロの残滓はまだ完全には消えていない」
セリアが地図を広げ、残滓の分布を確認する。
「街全体を巻き込む前に、完全封印する必要がある」
リリアは剣を肩にかけ、気を引き締める。
「今日の作戦は、街全体の安全を最優先にして、敵を一気に制圧すること」
ミーナも慎重にうなずいた。
「ゼロの残滓を利用している外部勢力も同時に排除する。残滓だけでなく、根源を絶たなければ」
翼は光の魔法陣を展開し、仲間の力を最大化する準備を整える。
「俺たちは街を守る。そして、ゼロの残滓を完全に封じる」
作戦は単純だが危険を伴う。
街の中心部に残るゼロの残滓の核を光の魔法で封じ込める一方、外周から侵入する敵を撃退しなければならない。
「全員、配置につけ!」
翼の声に仲間たちは素早く散開する。
東門、南門、北門に分かれた翼たちは、防衛の最前線に立った。
夜空には月明かりが差し込み、瓦礫の影が不気味に揺れる。
「敵が来る……!」
リリアが剣を握り、闘志を燃やす。
遠方に、黒い影が現れた。
数百の兵士と再生個体が一斉に街へ迫る。
翼は冷静に光の魔法陣を展開する。
「ヒール・ブレイド!全員の体力を回復しつつ、攻撃支援!」
再生個体が襲いかかる中、翼は光の刃で撃退し、仲間を支援する。
「これが……ゼロの残滓を最大限に利用した戦力か」
翼は眉をひそめ、敵の動きを分析する。
南門ではセリアが魔法陣を使い、敵の動きを封じ込める。
「翼、こちらは任せて!」
リリアも北門で剣を振り、敵を撃退。
ミーナは後方から魔法弾で援護し、戦況を安定させる。
戦場の中心に、ゼロの残滓の核が浮かんでいた。
「奴を封じる……今だ!」
翼は魔法陣を最大化し、光を核に集中させる。
巨大な光が街全体を包み込み、再生個体や敵を一気に制圧する。
敵指揮官は怒りの声を上げる。
「自由都市ヴァレク……侮れないな!しかし、ここで終わりではない!」
翼は冷静に核に光を注ぎ、封印を完成させる。
「ゼロの残滓……完全封印!」
瞬間、街全体に光が広がり、敵の増援や再生個体は力を失い、倒れていく。
街の住民たちは安全地帯に避難し、戦場は静まり返る。
翼は仲間を見渡す。
「街は守れた……そして、ゼロの残滓はもう街を脅かさない」
ミーナは安堵の笑みを浮かべる。
「でも、完全に平和になったわけじゃない」
リリアも頷く。
「街全体の防衛と再建はこれからも続く」
セリアは地図を広げ、次の作戦を確認する。
「でも、これで街は再生の一歩を踏み出せるわ」
翼は空を見上げる。
ゼロの残影は消え、街には希望が差し込む。
しかし、この世界に潜む闇の影は完全には消えていない。
「俺たちは街を守る――それが、俺たちの使命だ」
仲間たちは力強く頷き、空に向かって声を上げる。
自由都市ヴァレク――再生の都市。
ここでの戦いは、街の未来を決める戦いでもあった。
翼たちの冒険はまだ続く。
夜空に浮かぶ月が、静かに街を照らす。
その光の下、翼たちは再び拳を握り、仲間と共に立ち上がった。




