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第66話 再生都市の影

自由都市ヴァレクの空に、朝の光が差し込む。

 瓦礫の撤去と再建が進む中、翼たちは街全体の安全保障のための作戦会議に向かっていた。


 「今回の依頼は、街全体の防衛ライン構築と、ゼロの残滓の調査だ」

 セリアが地図を広げ、街の北から南までの防衛ルートを指示する。


 リリアは剣を肩にかけ、目を鋭く光らせる。

 「ゼロの残滓や魔獣の再生個体がまだ完全に消えてない以上、油断はできない」


 ミーナは慎重にうなずいた。

 「外部勢力の情報も、まだ不確定ね……どこで次の襲撃が来るか分からない」


 翼は深呼吸をし、回復魔法と光の防御陣の展開を確認する。

 「俺たちは準備万端だ。街を守る。仲間を守る」


 ギルドを出ると、街の住民たちが作業に励んでいた。

 市場では、食料や資材を運ぶ人々が忙しそうに行き交う。

 子供たちは安全な場所で遊び、少しずつ街に日常が戻りつつある。


 しかし、翼の胸に不安がよぎる。

 ――ゼロの残滓を狙う外部勢力は、まだこの街に潜んでいるかもしれない。


 街の東側、防衛ラインの設置現場に到着すると、既に数人の冒険者たちが警戒に当たっていた。

 「翼殿、ここを重点的に防衛してください」

 指揮官の青年が言う。


 翼はうなずき、光の魔法陣を展開する。

 「了解。仲間の支援も万全だ」


 その時、瓦礫の陰から黒い影が現れる。

 遠目ではただの影だが、翼の感覚はすぐに察知した。

 ――ゼロの残滓が意識を持ち、動き出している。


 「くそ……まだ残っていたか」

 翼は剣を握り、仲間に指示を出す。


 「リリア、前衛を任せる。セリアは魔法陣で支援を。ミーナは後方から援護を」


 再生個体は瓦礫の中から飛び出し、攻撃を仕掛ける。

 翼は光の刃で防ぎつつ、回復魔法で仲間の体力を補充する。


 しかし、この再生個体には通常の戦闘パターンが通用しない。

 翼は眉をひそめ、光の魔法陣を最大化する。

 「ヒール・ブレイド、最大展開!」


 強烈な光が再生個体を包み込み、一時的に動きを封じることに成功する。


 その時、街の中心部から別の報告が入る。

 「翼殿! 南門付近に武装勢力が接近!」

 翼は地図を広げ、仲間に指示を出す。


 「セリア、南門へ援護に向かえ。リリア、北側を守る。俺とミーナは東側を固める」


 街全体で同時に戦闘が発生する。

 翼たちは光の魔法陣で仲間を支援しつつ、再生個体や敵兵を撃退する。


 しかし、戦闘の最中、瓦礫の奥から声が聞こえた。

 「……助けて……」

 翼たちは声の方向に走り、瓦礫に閉じ込められた人々を救出する。


 その中には、ゼロの残滓を狙う外部勢力の手先として動いていたが、実際には街の住民に囚われていた人々も含まれていた。


 翼は光の魔法で瓦礫を浮かせ、全員を安全地帯へ導く。

 「大丈夫、もう安全だ」


 戦闘の終盤、敵の指揮官が姿を現す。

 黒い外套に身を包み、鋭い眼差しで翼たちを睨む。

 「自由都市ヴァレク……面白い。だが、この街の力は我がものにする」


 翼は剣を構え、魔法陣を展開する。

 「お前たちは街の仲間を傷つける。絶対に通さない!」


 激しい戦闘の末、翼たちは連携と光の力で敵を撃退。

 街の安全ラインを確保することに成功する。


 戦闘後、翼は仲間を見渡す。

 「街は一応、守れた」


 ミーナは安堵の笑みを浮かべる。

 「でも……外部勢力が完全に消えたわけじゃない」


 リリアも頷く。

 「次の課題は街全体の防衛ラインを完成させることね」


 セリアが地図を広げ、次の作戦を確認する。

 「まだまだやることは山積み」


 翼は空を見上げ、決意を固める。

 ――ゼロの残影は消えたが、その力の影響はまだ世界に残っている。

 自由都市ヴァレクを守るため、翼たちは力を最大限に引き出す必要がある。


 街全体が再生し、日常を取り戻すために、翼たちは再び拳を握り、仲間と共に立ち上がった。


 「街を守る――それが、俺たちの使命だ!」

 仲間たちは力強く頷き、空に向かって声を上げる。


 自由都市ヴァレク――再生の都市。

 ここでの戦いは、街の未来を決める戦いでもあった。

 翼たちの新たな冒険は、まだ終わらない。

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