1-1 ハジマリ
夢っていうのは、寝てる最中に起こる
"現実ではない仮想的な体験をすること"
ということを指す…らしい。
未だ不明確なことが多くて色々研究されてるらしいけど、
今のところ夢を見る理由は不明だとか。
その中でも有力とされている説は…
1.無意味な情報を捨て去る際に知覚される現象
2.必要な情報を忘れないようにする活動の際に知覚される現象
の二つらしい。
寝ながら見る夢だと、普段その人が抑えている願望やら欲望やらが
そのまま出るケースが多い。ただし、そういうのは誇張されていることが多く、
結果的に見ると不可解な現象で表現されてるとか。
後は…普段から興味のあることについても夢に出やすいとか、
寝る前まで考えていた、又は悩んでいたことが夢に影響することも多くて、
「その発想は無かった!」っていう考えが思いつくこともあるらしい。
以上、みんな大好き"うぃきぺでぃあ"より抜粋してみました。
さて、何で"夢"についてだらだらと考えていたかというと…。
早い話、さっきまで見てましたってことなんだけどね。
まあ、なんだ…とりあえず今の心境を一言言うと…
「テンション落ちるわー…。」
口に出した瞬間、体中にすごい脱力感が襲う。
これから学校に行く準備をしなければいけないというのに、
色々億劫になってしまった。
セイギノミカタ…幼かった僕が、必死に縋り付いた願望。
小さい頃、僕には味方と呼べるような人たちはいなかった。
人って自分とは違うモノに対して、ある種の恐怖を抱くものだと何処かで聞いたけど、
ようはそういうことだったんだろうな。
生まれ持った特異性…それが、人を遠ざけている原因であり、
僕に対して抱いているモノの理由。
…特異性については今考えることじゃないな、うん。
何にせよ、特異性のおかげで小さい頃は疎外されていた。
あの頃は年齢が年齢だけに「○○戦隊××ジャー」とか戦隊モノを見ていたから、
どうして自分の下に"正義の味方"が来ないのかと泣いて…。
だからなろうと思ったんだっけ。
何をどう思ったらこういう結論に至るんだと今の僕は思うけど、
まあ、その時の僕からしたら一世一代に迫るくらいの決断だった…と思う。
あれから10数年か…こうやって思い出してみると、
やっぱり月日が流れるのは早いものだなぁ。
さすがに何処かの赤毛の青年みたいに、
「僕はセイギノミカタになりたい!」
なんてのは言わないけど。人生の起点になったものだからか…
その言葉自体が僕にとっては特別なんだろう。
「まあいいや。とりあえずそろそろ行く用意をしないと…。」
とか言いながら何気なく時計に目をやった結果、僕は凍り付いた。
今日は二学期最初の日…つまり始業式。
大体始まるのが8:30として、今の時間は8:00を少し過ぎたところ。
そして家から学校までは大体30分ぐらいかかる。
…起きてから見ていた夢について考えてたから、まだ寝巻きのままですよ、はい。
ぉぉおおおお!?何を悠長に浸ってた僕!?
まだ準備も何もしてないのにこれってやばくない!?
「…3分間だけ待ってくれ!」
その間に、行く用意して完了して、さっと出発するからぁああああ!
…まあそんな叫んだって意味無いんだけどね。
とりあえず色々諦めた。顔を洗い、制服に着替えて、パンを一個口にくわえて…
「いってきまーす。」
学校に向かうために、いつもどおり家を出るのであった…。
ただし、家を出てからはダッシュだけど。
主人公の名前が出せなかった…orz
補足
赤毛の青年:Fate Stay/nightより拝借