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魔導工兵  作者: 龍血
第2章
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第14話 決戦前夜 前編

 

 スタンレー堤防の戦闘を終えて、日が傾きつつあるのを確認すると一度夜を明かす事を決めた。


 すぐ近くにある森の中で拠点を張り、ホーリーヘッドまではもう直ぐそこなのでバレない様にしながら交替で警戒を行う。


 その間に明日の決戦の為の作戦を考える為にエーリクとミックはホーリーヘッドを密かに偵察を行う。


「大分リィーズが漏れている様ですね」


 ホーリーヘッドは色々と役目を持つ都市である。

 漁業地、貿易地、アイルランド島の諸国への監視と防衛地、そして何より辺境伯の地。

 防衛力は王都比べれば低いものの王国の中では上位。


 それに魔導工兵やリィーズも加える事で質も量も高くなる事で王都以上の防衛力となる。


 現在、2人の見る先には都市の城壁の外に徘徊するリィーズたちが確認できる。


「城壁を守るのは私兵でしょうか。身に覚えのある方がいます。ただ見た限りでは正気のない感じがします」


 城壁には鎧姿の者が何人かいた。

 ミックは以前にもその姿は見ており、それがメディシーア辺境伯所有の私兵であると告げた。


 その状態は先ほどの魔導工兵たちと同じであった。


「魔導工兵の確認は流石に無理ですね」


 魔導工兵は兵士と違い、分かりやすい装いをしていない。


 人によっては鎧も着る事もあるから、そういう人なら個人的にも特定は出来そうだが、基本的に私服でバラバラなので特定は難しい。


「兵器に関しては兵士の方が達者ですから、中にいるんじゃないでしょうか?」

「その可能性はありますが、魔導によってはそれと同等の力はあると思うので一概にそうとは言えません」


 魔導による攻撃で大規模攻撃は行わない様に組織で言っている。

 周りを巻き込まない為である。


 大規模攻撃でも巻き込まない使用ならば許可される事はある。

 例えばエーリクは許可されている。


 今回の場合は戦争かつそれをする可能性が高い。

 警戒をしておく必要がありそうだが、現状2人が見る限りは私兵しか見えなかった。


「予想するにリィーズが歩兵部隊、私兵が遠距離武器や補給を行う支援部隊、魔導工兵が騎士団または特殊部隊の様な感じでしょうか。ただ、私兵や魔導工兵には実力に個人差がありますので、油断は出来ないでしょう」


 兵士と魔導工兵の差は魔導のあるなしでしかなく、魔導工兵に対する心得を持っていれば兵士でも勝ててしまう。

 そこを注意する必要がある。


「あとは可能性としては考えたくはありませんが、領民による兵士の起用」

「それは!流石に……」


 考えたくはない民兵もしくは非正規兵。

 ミックは「それはない」と思ったが、今までの戦況を鑑みれば可能性はあるとすぐに気付いた。


 それでもまだリィーズや正規兵として扱える魔導工兵に今目撃した私兵だけなので、その可能性も分からない。

 ただリィーズを起用している時点で倫理観は終わってはいるが。


「現状領民は確認されていません。最後の良心として守っているか避難されているなら良いですけど……」


 一応今の所は戦闘員だけが出てきている。

 だから参加していない可能性もあるにはある。


「ここまで想定される戦力を分析しましたが、正直難しいですね。あそこを強行突破は難しいでしょうし、他に1つ門がありましたよね?」

「はい、西側に。あちらは人があまり通らないので門は小さいです。ホーリーヘッドの西南辺りに小さな漁村があります。そこに行く為の門ですので」


 ホーリーヘッドの門は2つ。

 今エーリク隊がいる方の道とホーリー島の西南に位置する漁村への道がある。


 その漁村へはスタンレー堤防からも道はあるが、ほとんど使われない。


 道を通るのは主に交易、仕事上の移動(とその護衛)、家族や親戚に会う為などがある。


 しかし、交易を必要としない所は自給自足を行なっている。


 例えその漁村が交易を行なうにしても、ホーリーヘッドで事足りるのでスタンレー堤防・漁村間の道はあってもその漁村に直接商売をしようとする者くらいだろう。


「そちらはこちら側の堅牢な門ではなく、さらには戦力もあまり置いていないと思います」


 戦力としては今見ている方と比べれば防衛力は低いだろう。

 主に東側から敵が来ると予想出来るので、船を使って西側の可能性もあるから、それなりには置いてあるだろうとミックは伝える。


「攻める候補としては悪くはなさそうですか。あとどこか入れる場所はありますか?」

「線路は封鎖状態にありますし、密かに海側から回って港に入り込む事も難しいですし……」


 現在ホーリーヘッドは籠城状態。

 開いている所は徹底的に閉めている。


 現状戦力に心許ないエーリク隊が取れる手はあまりにも少ない。


 だからこそミックの情報は頼りになる。


「確か…避難経路があった筈です。他での見られる貴族の逃走経路ではなく、領民の為の避難経路があります」

「珍しいですね。避難経路ですか…」


(医者の家系であるメディシーア家の名残りでしょうか?)


 逃走経路は王族の城や貴族の館にある秘密通路である。


 包囲されても逃げれる様に作られた物だけど、避難経路は領民を救う為の通路。

 大規模になってしまう点やその分の経費が出てしまう。

 場合によっては地盤沈下の恐れもある。


 それでもなお作られた通路は実際に使われる事は少ない。


 主に災害や戦争に巻き込まれた際に使われる想定。

 起きなければただ秘密の通路でしかない。


「その出口は1箇所だけですか?」

「海のある北以外の東・西・南に1つずつある筈です」


 どこから来るか分からない為、方角ごとに作っていた。


「仮にそこを攻めるにしても守りはあると思いますが、逆に何故残ったままだったのかも気になりますね」


 避難経路とは言っても、今回の攻城戦の侵入経路にもなってしまう。


 今回は身内であるミックがいたから分かった事だけど、必ずしも見つからない保証はない。


 それにディアン・メディシーアがそれを残しておく意味が分からない。


 出入口が多い事は籠城戦で不利になる。

 その分だけ戦力を置く必要があるからである。



 その後も細かい部分を話し合い、その場から離れた。


 拠点に戻り、テントの1つに入る。


 その中にはウィローとクリフがいた。


「どうでしたか?」

「勝率は限りなく低いでしょう。戦力不足が否めません」

「そうですよね」


 これから攻城戦を行うのに軍と呼べる程の数はおらず、一個中隊程である。


 魔導があるとは言え、流石に無理がある。

 相手はリィーズも同じ魔導工兵もいる。


 それでもやらなければならないと思い、ここに来ている。


「先ほどクリフォードさんから通信が来ていました」

「どんな事を?」

「話はエーリクさんが帰ってからの方が良いと言っていたので、こちらから掛けた方が良いと思います」

「そうですか」


 エーリクは通信機を使い、連絡をする。


「クリフォードさんですか?」

「そうだが、その声エーリクか」

「はい」


 声だけでエーリクだと気付くクリフォード。


「それで現場を見てどうだった?」

「正直に言わせて貰えば無理でしょうね。どうしても戦力差があり過ぎます」

「そうだろうな。それでもそれなり勝算は見つけているんだろ?」

「まぁそうですね。多少はですけども」


 エーリクはこの戦力差でどうすれば良いかを考えてきている。

 それがここでの指揮官としての役目。


「不安でしかないのは分かっている。だから、それを補…なえるかは分からないが、出来る事はしよう」


 クリフォードはこの戦争の王国・公国の元総指揮官で、現前線指揮官としてずっと戦力差を考えていた。


 リィーズを使われた事で魔導工兵が必須となり、2国の正規兵は使えなくなった事で兵力は圧倒的に不足していた。


 それを魔導でどうにかして来たが、本格的な攻城戦だとそう上手くいかないとクリフォードは思ったのだろう。


「その前に幾つか報告しておく。まず、私たちの隊は現在公国内の奪われた町を奪還し、辺境伯領に入る所だ。これからアングルシー島を回り、リィーズの討伐と領民など調査を行なう。さっき領民を見ていない事はウィローから聞いている。ただし、それほど掛けるつもりはないから夜中そっち到着する事になる」

「それはつまり、ホーリーヘッドでの戦いに参加させるという事ですか?」

「そうだ。でも、指揮官は引き続きエーリクが行なってくれ。私は戦略を行なうから、そっちは戦術を頼む」

「分かりました」


 戦力不足を補う為の戦力の1つがクリフォード隊の参加。


 クリフォード隊はマーシア王国から集められた魔導工兵たち。

 個々に差はあるものの、クリフォードを中心に動くことが出来て、仮にクリフォードが居なくてもどうにかなる。


 そして、クリフォードが戦略、エーリクが戦術を担当するというのはクリフォードは前線における指揮官である為、他の指示もしなければならない。


 クリフォードは現場任せする事があるが、それは現地をよく知っている指揮官にやらせた方が良いし、部隊の大半がよく知っている指揮官にやらせた方が良い。


 それでクリフォードがするのは戦いの全体を見て、部隊を動かしたり、交渉を行なったりして戦況を優勢にする。


 勿論それは今も行なっている。


「次に私たちの公国内の町を奪還した事でマスナトレヴとポルスヴェルズから兵を出して各々の町に向かっている。さらに王国・公国からも正規兵を出している状況にある」


 クリフォード隊が片付けたと言っても、ずっと放置には出来ない。


 そこで魔導工兵や正規兵を寄越して一足先に後処理を行う。


「まぁここまで遅かれ早かれやる事だからそう疑問に思う事もないだろ?」

「はい」


 クリフォード隊に関してエーリクはそこまで考えていなかったが、あり得ない事ではないとは思っていた。


 後処理に関しては後々行わなければならない事だし、放置も出来ない為それほどではない。


「ここからは極秘で動かしていた事だが、現在王国・公国が正規兵を連れてリバプールの港から船を出す事にした」

「それは!まさか、艦砲射撃ですか!」

「その通りだ」


 正規兵は防衛以外重要な役目はない。

 それ故に使える駒は使おうとしている。


「ただ現時点で領民が確認されていない状況下では実行するのは難しい」


 艦砲射撃とはつまり船から大砲を撃つ事を意味するが、海戦においては船同士で攻撃する手段として使われている大砲を都市に向けて撃つという事。


 それによって建物を壊し、人も殺してしまう。

 例えそういう攻撃を想定された港町であろうと無事では済まないだろう。


「残念ながら実行出来なければ現状とあまり変わらないんかもしれんが」

「いえ。とりあえず領民を確認もしくはホーリーヘッドにいないとを確認した所で判断しましょう」

「そうするしかないな」


 領民を犠牲に…というのは出来る。

 立場的には敵の領民という扱いにできるから。


 でも、マーシア王国の国民という扱いも可能なので、実行出来ない。


 クリフォードとしても取れる手が正規兵を使う事だけど、前線に出せる者は少ない為、やれそうな事を進めているだけである。


 クリフォードとの通信を終え、作戦会議を始める。


 その際にクリフォードとの話を伝えた上で話を進める。


「クリフォードさんの隊や正規兵の艦砲射撃があるという話だったが、一先ずは私たちの動きを決めます」


 クリフォードから伝えられた事は勝率を上げる為のもの。

 しかし可能かどうかが分からない状況なので、後回しにする。


「ミックの助言によりホーリーヘッドの出入口が5つある事が分かりました。それぞれの位置は…」


 エーリクは机上にあるホーリー島とホーリーヘッドの2つの地図を用いて説明する。


 ホーリー島の地図を使うのはミックが言った避難経路の位置を示す為である。


 因みにそれぞれの場所は都市の東側がこの森、南側は例の漁村付近、西側は盆地にある。


「侵入する場所は東と西。部隊としては二分する形にします」


 人数が少ない状況で二分する理由はどちらかが通せんぼされても片方がホーリーヘッドに入れれば良いと案である。


 1つの道に10人ほどの計算で侵入する事になるが、仮に1つだけを行くとすると20人ほどになり、通常であれば指揮統制が出来るものの、ホーリーヘッドまでは地下を走る形になるので、例え明かりがあっても暗くはある為、指揮統制も難しくなる。


 因みにあえて南側の漁村付近を外した理由はある。


「西にはウィローが指揮を執って隊を率いて欲しい」

「分かりました」


 都市の東側に館があるので、エーリクが率いる予定の隊は東に行く形になるので、片方の西側にはウィローが率いる隊が向かう事になる。


「さらに揺動の為にクリフが回復可能な方と一緒に門に攻撃して下さい」

「分かった」


 人数が少ない中で物量と応用を用いて敵を惹きつける役目をクリフに与えた。


 クリフは特別強い力が無い代わりに物量と応用がある。


 これは汎用神の特徴で、逆に『主神』や『導神』を持たないのでは…と言われている。


 ただ、汎用神を持つ者は必ずしも2つの特徴を活かせる事なく、どちらかに偏る事が多い。


 その点、クリフはどちらも可能とする魔導工兵の中でも稀な存在。


 エーリクもウィローも、そしてエスラ総長も信用して託す事もある。


「揺動ではあるものの、門を壊して中に入っても構わないので派手にやって構いません」


 クリフの役割は注目を集める事だけど、門を破壊して中に入る事も抑えないといけない対象と判断される為、許可する。


「主軸は私の隊でディアンの所まで行く事を目的とし、ウィローの隊はホーリーヘッド内の捜索をして領民がいるかの確認をお願いします」

「見つからなかった場合はどうしましょうか?」

「その場合はリィーズの討伐と魔導工兵や正規兵の無力化を」

「分かりました」


 ディアンを倒す事を目的とするエーリク隊はそれを行なう為に揺動に揺動を重ねる。


 クリフ隊>ウィロー隊>エーリク隊の順に音を下げ、影に潜む。


 エーリクの存在はディアンも分かっているだろうから、そう時間は掛けられないかもしれない。


「それとミックが妹の捜索を行う為、私の隊に同行する事にします。それに踏まえて本人たちの希望によりコウヤとベレットもミックに同行する形になります」


 事前にミックとその妹の事情を聞いているエーリクは妹の捜索をする上でディアンと近い所にいると予測し、自分の隊に入れる。


 これに関しては事前に2人には伝えており、異論はない。


「それでクリフォードさんの隊は南側の方に行って貰いましょうか。もう一つの門に行って貰っていいですが、クリフを揺動として扱う場合、クリフォードさんの方が目立つもしくはディアンが率先して倒そうとする可能性がある為、密かに中に入って貰おうと思います」


 クリフォードへの警戒度はエーリクと同じかそれ以上。

 今クリフォードが何処にいるかを把握しているかは分からないけれども、ホーリーヘッドに現れたらそちらに集中してしまう可能性がある。


 それをホーリーヘッドに入る前に行われてしまえば、中の戦況も悪くなってしまう。


 それにそれをする理由はもう一つある。


「正規兵の艦砲射撃に関しては先ほどクリフォードさんとの話で領民の確認次第という事になったので、ウィロー隊とクリフォード隊が領民の確認、先ほど言った様に探し出せる可能性もない為、ウィロー隊は西から港方面、クリフォード隊は南から東の捜索を行なって下さい」


 エーリク隊がディアンとその娘の…ミックの妹の捜索。

 クリフ隊が揺動。

 となると、残りのウィロー隊とクリフォード隊に領民の確認をして貰う必要がある。


 この場にクリフォードがいなくても、了承してくれるだろうというのを込みで考えている。


「確認が取れれば保護して一旦1つの建物に匿った方が良いと思います。1番候補としては『魔導工兵』のホーリーヘッド支部が良いと思いますが、確保は難しいと思うので、その時判断でお願いします」


 領民の確認が取れても、密かに侵入しているので、ホーリーヘッドから連れて出ることは出来ない。


 仮にクリフが門を破壊したとしても、連れて出る為の人員はいない。


 だから、建物の1つを確保し、そこで匿う形にする。

 候補として『魔導工兵』ホーリーヘッド支部を選ぶのは城、館、兵営などの守りに強い様に造られているのと同様に『魔導工兵』の建物も守りに強く、拠点として十分な造りをしている。


「領民がこちらに攻撃する意思があった場合は可能な限り無力化をお願いします」


 基本的に非正規兵…民間人を殺す事はない。

 戦意を持たない、今回は洗脳されている可能性がある為、無力化する事を勧めている。


「ただし、それが難しければ容赦なく行なって構いません」


 無力化にも色々とあるが、闘志が高くて何度も挑まれてくる場合や洗脳自体がどの様なものか分からないが無力化が難しい場合もある為、その場合は殺す必要も出てくる。


 戦争となれば個々の判断や指揮官の判断で対応が変わる。

 民間人に手を加えない者もいれば、非道な行いもする。

 その時の状況で仕方なくそうしてしまったという事もある。


 魔導工兵は国所属ではないので、迂闊にやれないが、現状では戦力不足で構っている暇はないから、そう指示をしている。


「分かりました。1ついいですか?」

「何ですか?」


 ウィローはある事を質問する。


「先程『魔導工兵』の支部の話が出たのでお聞きしますが、ディアンの洗脳が効かない人っていると思うんですけど、どうなんでしょうか?」


 ウィローの問いはディアンの洗脳というのがどういうのかは分からないが、魔導という括りでそれを行なっているのであれば、洗脳が効かないもしくは抗う人もいるのではないかと思っていた。


「いる可能性はあると思います。魔導でそれを行なっているのであれば実力や相性で洗脳が効かないという人はいる。そうでなければ誰も彼もがディアンの手中となってしまう」


 誰も彼もが洗脳されるという事態は普通あり得ない。

 何故なら為す術無しでもっと行動してもおかしくない。


 仮に時間制で洗脳が必要な場合で時間さえ掛けられれば可能という事になる。


 流石にそこまでのものではないとエーリクは思っていた。


「もし洗脳を受けていない者がいるとすればディアンの毒牙が入る正規兵を除くと支部長のカール・エバンスさんと何人かでしょうか」


 正規兵は自分の管轄だから自分の都合の良い様に出来るのに対して、『魔導工兵』はそういう訳にはいかない。


 魔導工兵の中にもディアンに賛同する者がもしかしたらいるかもしれないけど、リィーズを使っている以上は魔導工兵が賛同する訳がない。


 そういう相手には洗脳を使う筈だろうから、それでも効かない者もエーリクの見立てでいると予想している。


「カールさんは年齢的に劣ってきているとは言え、私やクリフォードと同じくらいの実力者です。ホーリーヘッド支部に入る際はクリフォードさんと一緒の方が良いと思います」

「そうします」


 ウィローは基本的にサポーターとして動く事が多いが、決して戦えない訳ではない。


 総本部は総長エスラ、エーリクが戦闘向き、クリフが戦闘よりのサポーター(位置付けとしては戦闘向き)なので、ウィローがサポーターとしての役割をしている。


 そして、基本的に大型や人型相手だと2人以上で対応する事が多い為、サポーターに回る事が多い。


 実力は3人よりも劣るものの、支部長クラスの実力者ではある。


 それでもクリフォードを行かせるのはカール以下何名かが何かしらによって敵対する事になった場合の対処出来るか分からない為と拠点として扱う場合の拠点作りの為にある。


「対処困難という事も十分とあると思いますが、その時どうしましょうか?」


 こちらにそれなりの実力者が複数人いた所で相手は正規兵、魔導工兵、リィーズ。

 正規兵や魔導工兵はともかくリィーズは数が把握出来ない。


 戦力不足という中で物量に負けるという事もあり得る。

 その時の対応を聞いている。


「一度ホーリーヘッドに入れば、外に出るのは難しくなるかもしれません。やはり拠点の確保が大事になってくると思います。ただし、長時間保てる程こちらも余裕がありませんので、王国・公国と何とか交渉して援軍を要請する。もしくは総長に来て貰うことになるでしょうね」


 どうしても戦力不足は出てくる。

 そこを補うには正規兵ではなく魔導工兵を呼ぶ事になるが、そもそもクリフォード隊自体が厳しい中で集められた王国の魔導工兵たち。

 さらにとなると交渉は難しくなるだろう。


 総長を呼ぶ事は最終手段になる。

 しかし、セントラルを守る為にいる総長がいなくなれば、そこに付け込まれる可能性もなる。


 それに総長が出る事がそれだけの事態であり、総長以外が役立たずと思われる。


 出来るだけ総長無しで解決したい所。


「了解致しました」

「2人は何かありますか?」

「いえ」


 クリフは首を振って答えた。


「それではここからは細かい所を見ていきましょうか」


 大まかな作戦を終え、部隊編成やそれぞれの動きの細かい部分を話し合う。


大分長くなり、文字数的に4話分になりそうなところを2話分で投稿する事になりました。

前編はそう重要な内容ではないかなと思います。

後編の方が重要で前編よりも長めです。


多分「決戦前夜」の話では人数把握をしないので曖昧になるかも。

途中から明確な人数を出すと思います。

というか、元々少ない中でさらに部隊を減らしているのでモブの存在が表れてくるので、名前も考える必要もありますが、まぁ名前に関してはあまり考えていないので適当になるかな。


次回は続きから。

テントにて先輩魔導工兵と話をしていた煌夜。

その中での環境に気分を悪くしたので、一度外の空気を吸う事にした。

特に理由もなく、外を歩いていると突然気配を感じた。

そこに現れたのは……。

次回、決戦前夜 後編

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