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魔導工兵  作者: 龍血
第2章
23/38

第6話 現状把握と作戦

 

 みんなと別れて王城にやって来たエーリクとレオ。


「『魔導工兵』総本部のエーリクとレオと申します」

「話は聞いています。中へ」


 近衛兵の門番がエーリクの顔を見て、門を通す。


 城に入ると門番は執事に案内を任せ、持ち場に戻る。


 執事に案内されて、ディアンに対抗するマーシア王国側の頭がいる作戦本部に入る。


 そこには壁際に召使い、真ん中のテーブルを挟むように座る高いそうな服装する人たちとそのお付きと思われる鎧姿が背後に立っている。


 そして、この中で注目するべき人物は3人。

 1人はこの国の王であるハワード・マーシャル、老齢の男性である。

 もう1人はその国王のお付きにいる鎧姿の男性はジョーセフ・クリード、近衛騎士団の団長である。

 最後に国王の近くに座る男性は『魔導工兵』マーシア王国本部の本部長であるクリフォード。


 因みにクリフォードは国王の甥っ子に当たる。


「遅ればせながら『魔導工兵』総本部到着致しました」


 扉を開けると同時にこちらを見る人たちにエーリクは貴族のお辞儀をしながら挨拶をする。


 レオも緊張しながらも頭を下げて合わせる。


「よくぞ参った」


 それに答えたのは国王。


「久しいな、エーリク殿」

「はい、まだこの身での挨拶になりますが」


 エーリクは『魔導工兵』内でも上位に位置するが、元々は他国の者。

 帰国することは伝えているのだろう。


「よい。それよりもそちらの者は?」

「私の後釜となるレオです」

「あ、後釜…、はい!レオと申します!」


 次にレオの紹介になったが、こういう場所でエーリクの後釜と言われ、動揺しながらもしっかりと挨拶をした。


「うむ。心の内は分からぬが、しっかりしてそうだ。ただ、貴族の礼儀くらいは覚えて損はないぞ」

「はい!精進致します!」


 エーリクの立場になれば王族や貴族との関わりも増えていくだろう。

 それを踏まえて国王は助言してくれたのである。


「今回は丁度良い機会と思いまして」

「確かに、しっかりと見ていてくれ給え」

「はい!」


 これで自己紹介は終え、本題に入る。


「クリフォード、状況は?」

「劣勢ではある。それでも公国もこちらも都は遠い。そういう点は何も問題はない。ただ…」

「対抗できる兵がいないから困っている」

「各支部に魔導工兵はいても数は少ない。相手のリィーズの数も分からない状況で後ろから増兵を送ることも難しい」

「そこで私たち総本部の出番ということですか」

「そういうことです」


 それは事前に聞いていたこと。

 通信機器は存在するも、どこでもある訳ではない。


 組織内でも総本部と本部間はあるものの、各支部に置かれている訳ではない。


 現在においても伝達には時間が掛かる。

 王都で知っていることは戦場と比べてどれだけ差があるか分からない。


 それでも連絡を受けてから何時間か経っている。

 その間に何かしらの情報か作戦を考えているのかもしれない。


 ただし、王国側が何もできないのは変わらない。


「貴方方のためにも戦況を細かく説明しましょう」


 クリフォードはテーブルに置かれた地図を指差す。


「メディシーア辺境伯領はここ」


 グレートブリテン島の南部が載った地図。

 七王国内で使う地図である。


 その西、ウェールズ公国の北西に位置するアングルシー島とホーリー島がメディシーア辺境伯領。


 元々マーシア王国には港町があったものの1つだけ。

 そこで目を付けたのはウェールズ公国。


 周りの国は北、東、南に他の七王国があり、そこから海まで行くのは難しい。


 それで目を向けたのは西にあるウェールズ公国。

 他の七王国よりも1つ下の立場にあるウェールズ公国に交渉を持ち掛け、同盟を組む代わりに海岸沿いの領土を一部欲しいと願い出た。


 それを他の七王国が黙っていることはなくそれに干渉。

 さらに当時出来たばかりだった組織『魔導工兵』が連合王国としてそれに参加する。


 色々と議論した結果、連合王国がマーシア王国の領土を一部王都として貰ったため、その代わりとして公国側に条件を受けるように言った。


 一応、ウェールズ公国マーシア王国の儲けを一部貰える条件も入れたことも大きいが、属国という扱いに近い立場になってしまった。


 因みにマーシア王国から飛び地になっている理由は元々の港町が北側だったのでなるべく南側にしたかったから、公国との交渉で公国の中央の北側よりとマーシア王国の要望にあまり通らなかった。

 公都が南側だからという理由で南側には置けなかった。


「次に王都と公都」


 次はマーシア王国の王都とウェールズ公国の公都。

 王都タムワースはマーシア王国の真ん中くらいに位置する。


 因みにグレートブリテン島の下半分での中心はここら辺なので、当初はアングロ・サクソン連合王国のセントラルを決める際の「中央」に王都タムワースがあったため、条件を少しずらして王都タムワースから北西方向にセントラルが置かれたという経緯がある。


 位置的には連合王国王都セントラルとマーシア王国王都タムワースは比較的近い。

 まぁそれでも蒸気機関車の全速力で2時間程度掛かる。


 公都カーディフはウェールズ公国の南、海沿いにある。


「この2つがそれぞれの最終防衛地として、現在報告で受けているメディシーア辺境伯の侵攻過程はまず初めに2つの街を攻撃。奇襲攻撃で街は混乱し、それほど掛かることなく敗北。1つはそのまま侵攻し、もう1つは7、8割が半島に進み、残りは片方の部隊に合流。それで先ほど半島側の連絡が途切れ、1つの街が落ちたと報告を受けた」


 今回の戦争に当たってマーシア王国とウェールズ公国は防衛戦を行なう。

 そうする理由は敵戦力が大半のリィーズとメディシーア辺境伯領の魔導工兵で現状取れる手が魔導工兵を投入することだけど、敵戦力を完全に理解できている訳ではなく、しかも敵のディアンの目的が分からない以上は動けない。


 そこで戦況把握のために通信機器を持った者を何人か用意し、防衛不可の確率が高ければ早々に撤退するように言っている。

 そうすることで確実に情報確保を行なう。


 ただし、海への撤退は難しい可能性(勝手に撤退できない点)が高く、元々港町には貿易地や海への防衛における拠点として通信機器が設置されている。

 そのため、報告にあったように通信が途切れている。


 因みに戦況報告のために持っている通信機器は持ち運び可能な物であるものの、電気を通す必要があり、基本的には街での報告が主である。


「これでとりあえずの現状という訳だが」

「当然それに対する作戦もありますよね?」

「えぇ」


 エーリクはどう動くか考えるとはいえ、これは戦争なので国としてどう動くかを聞く必要があったし、このまま放置するほど馬鹿ではないことも分かっている。


 それにもしかしたら助言になるかもしれない。


「自由に動かせる部隊を3つに分ける」

「3つに?そんなに分けられるほどこちらは人がいませんが?」


 自由に動かせる部隊…それは防衛地から離れて動かせる部隊のこと。

 1番分かりやすいのは敵本体を倒しに行くことになるが、あとの2隊はどうするのか。


 それに人数をあまり割けられるない状況で3つに分けるのは得策ではない。

 ならどういうことなのか。


「もちろんそちらが部隊を分けられるほどの人数がいないことは分かっている。だから、こちらは公国と協議を図り、あることを決めた」

「まさか…」

「あぁ、そのまさかだ。私たちは攻勢に出る」


 敵出方が分からないから防衛を専念する王国や公国だったが、それに反して攻めると言ってきた。


「ディアンがどう動くか分からない状況で動くのですか?」

「でも、守ってばかりでは犠牲が増えていくだけなら、少しでも削って攻勢に出る方がいい」

「うーん、とにかく内容を聞こうか」


 クリフォードは作戦内容を話す。


「先ほど言った通り、3つの部隊に分ける。その1つは総本部が首謀者のディアンを直接叩くための部隊。これは当初お願いしていたこと」

「そういう話ではあったが」

「そう。だけど、このままでは守ってばかりで犠牲が増えてしまう。だから、攻勢に出る部隊を2つ追加する」

「残念ながらこちらから出せるのは限られますが?」

「それは分かっている。そのために公国との協議の上で両方から魔導工兵を出すことにした。ただし、全部じゃなく各街1人か2人を出して貰う形になる」


 王国や公国は防衛重視に置きながらも攻勢を仕掛けるために少しずつ魔導工兵を出す案を出してきた。


 現状、総本部側が部隊を分けられるほどの人数はいないから、それを考慮しての案だろう。


「王国側はそれで部隊を編成しようと思うが、公国側は現在侵攻されているため、こちらよりも元々魔導工兵の人数が少ないこともあり、そちらには総本部から魔導工兵を何人か投入して欲しい」


 魔導工兵は街の数だけ支部がある。

 そのため、魔導工兵も多く在籍する。


 王国と公国では国力も領土も違う。

 その分、動かせる魔導工兵も少なくなるし、現在はその数も減っている状況では出せる数も限られてくる。


 だから、その上乗せを総本部にお願いしている。


「こちらから魔導工兵を出すのはいいとして、その指揮を誰がするんですか?」

「私だ」


 前線における指揮官は必要。


 でも名乗りを上げたのはクリフォード。


「え?今回の戦争における総指揮をするという話では?」

「それはさっきまでの話。前線に出る以上はその指揮をするのは魔導工兵であった方がいい」

「まぁ確かにそうですが…」


 魔導工兵を動かすにはよく知っている魔導工兵自身が行なう方が得策ではある。


 ただ、それは総指揮においても変わらないはず。


 それにクリフォードが指揮する必要もないような気もする。


「そもそも総指揮…いや、防衛する上で魔導工兵がやる必要はないと思う。防衛というのは守るということであって、倒すことではない」


 魔導工兵はリィーズを倒すために必要ではあるものの、防衛する上で絶対に必要かというとそうではない。


 防衛はあくまでも守り切ればいい。

 その上でリィーズを倒せる魔導工兵は必要ではあるけど、戦争ということであれば大事なのは戦略。


 如何に守り切れるかを考え、魔導工兵の配置や王国兵の配置も大事だろう。

 そして、足止めをすれば時間を稼げる。


 その戦略を立てるのに魔導工兵が指揮官である必要はなく、むしろ適任がいる。


「私はジョーセフに総指揮を任せることにした。こういう防衛戦ではそういう知識がある者が務めた方がいい」

「ご謙遜を」

「ジョーセフ」

「申し訳ありません」


 つい口を挟んでしまった鎧姿のジョーセフに国王が注意する。


 実際、クリフォードは元王族、その知識はあるだろう。

 ただ、これは知識だけでなく経験も必要とする。


 言わば、いつもは戦術をしている魔導工兵よりも戦略も行なう兵士の方が優れているということである。


「確かに実力は聞きますが、魔導工兵の知識も必要でしょう?」

「なので本部から補佐を付け、さらに公国側の本部長にも力を貸して貰うことにしました」

「なるほど、それなら何とかなりそうか」


 ジョーセフが防衛指揮力が高かったとしても、魔導工兵の知識とその一人一人の情報は知らない。


 その不足は補佐や公国本部長が補うということだろう。


「ただ、それをよく皆さんが了承しましたね」


 クリフォードを前線を出すということはもし王都で高位リィーズが出た時に守りが薄くなる。


 何故ならクリフォードはマーシア王国内における魔導工兵最高戦力と言ってもいい。

 それを守りではなく、攻めに入れると言う。


 一応メディシーア辺境伯はマーシア王国の貴族だからその責任はあるかもしれない。

 ただ、公国への義理を果たす必要があるかというとあるにはあるが、しないってことはできる。

 誰だって自己防衛を優先するから。


 問題なのは同盟を組む上で公国を守るということにしているから。

 兵を出すしかないと思うが。


「それは…」

「待て。それについてワシから話す」


 答えようとしたクリフォードを止めたのは国王。


「我が国が公国を守ろうとする理由は単なる助けではない。同盟故の助けはある。ただ、それに関しては上手いことすれば良いだけでクリフォードを出す必要はないだろう」


 助力は全力から最低限まである。

 流石に最低限では何か言われる可能性があるから、ある程度出す必要がある。


 そのある程度にはマーシア王国最高戦力であるクリフォードを出すまででもない。


 王国内のそれなりの魔導工兵を助力に出したところで問題はないだろう。


 バレないために王国内で上位の魔導工兵を1人入れるくらいはあるかもしれないが、クリフォードはない。


「じゃが、我々はそれを許可した。その理由はメディシーア家の血筋に関係している。これは王族と高位貴族の一部しか知らない」


 国王は昔話をする。


「組織『魔導工兵』がアングロ・サクソン連合王国という国として出来た黎明期の頃のことじゃ。知って通りあの領土はウェールズ公国と同盟する上で何かあった際の助力を貸すという条件で貰っている」


 ウェールズ公国との同盟の内容はそれほど内密なことは少ない。


 それ以前のマーシア王国の領土が連合王国に渡され、セントラルになったということも合わせて同盟の件は歴史に刻まれている。


「それで得た領土を誰が管理、統治するかを議論した。飛び地というだけに既存の貴族では難しいと判断し、新たに貴族を増やすことに決定した訳である」


 メディシーア辺境伯領はウェールズ公国内にある領土。

 マーシア王国からすれば飛び地となる。


 そこを統治するのは誰がやったところで難しくなる。


 それならと新たに貴族を増やすことにしたマーシア王国は…。


「港町ということで男爵や子爵を与える訳にもいかず、高位貴族が必要だった。さらに高位貴族となるとやはり元々が高位貴族の血筋でなければならなかった。その条件に合うのはいたにはいたんじゃが、如何せん時期が悪すぎた。組織『魔導工兵』が間もない時期に魔導工兵自体は今よりも少なく、平民から発見されるという事例が少なかったこともあり、貴族から輩出されることになり、本来の貴族としての役割をすることが難しくなってしまった」


 魔導工兵はリィーズに対抗できる存在。

 黎明期となればその存在は重要視される。


 ただし、後継ぎ問題で多少魔導工兵として役割があったとしても跡を継ぐことを専念するということを優先し、後を継ぐことのない者は魔導工兵となる。


 逆に魔導持ちではない貴族というのはいたにはいたのかもしれない。

 それが男性であればの話ではあるが。


「一応、高位貴族の娘を嫁がせるという案もあったそうじゃが、偶然にもそういう状態にあった者がいた」


 貴族の当主は男性という固定概念があり、女性当主というのはあまりなかったから、嫁がせることで高位貴族の血筋を繋げ、新たに貴族にする。


 それなら王族も貴族も納得がいくことになる。


 まぁその条件が既に達成していた者がいたから、無理に嫁がせるということはしなかったが、その者こそが。


「それがメディシーア家。当時、医者としての家系を持っていて、王族とも繋がりを持つ家系であった。その時の当主はエヴァレット公爵の

 娘と結婚をしていて、どういう経緯でそれに至ったかまでは知らぬが、都合が良かったのだろう」


 その話があったのは100年程前のこと。

 国王は72歳で生前の話だから、詳しい話を知らない、もしくは敢えて話さないのだろう。


 仮に知ってても今は関係ないだろうから。


「メディシーア家がどのような血筋であろうと高位貴族との繋がりを持てば問題はない。というより王族と高位貴族がそれで処理してしまったから、下位貴族も平民も納得するしかないだろう」


 結局決めるのは国の上層だけ。

 それに文句を言う者はいない。


「ここまでに関しては調べれば出てくる内容。メディシーア家には医学界で有名な方もいますから」


 医学界で名を残すのはメディシーア家の初代に当たる人物。

 奇しくも問題となる人物でもある。


「その有名な初代当主に当たるのがフェリクス・メディシーア。またの名をフェリクス・マーシャル」


 その家名は現国王と同じ。

 つまりは…。


「つまりは王族という訳じゃな」


 メディシーア家がどういう血筋かは今までの説明である程度想定できる。


 そもそも公爵家と結婚できるのは侯爵や伯爵の高位貴族ならあり得る。

 あとは他国の貴族。


 平民との結婚は確率としては低くて、ほぼあり得ない。


 1番あり得そうなのは同じ公爵家か王族となる。

 だから1番思い浮かびやすいとも言える。


「元々マーシア王国の王族には政治や軍事、地方統治など国に関わる仕事をしていなければ王族として名乗れないようにしている。ここにいるクリフォードも同じで、これは新たな勢力として台頭しないためにある」


 国に関わる仕事をしていれば、政治による対抗や例え新たな勢力として台頭しても何かしら気付く。


 逆に他の仕事をしていれば、国王が関わる機会が少ないため、気付けない可能性がある。

 それにそういうことをしているのに王族を名乗られても困るからというのもある。


「それでもディアン・メディシーア辺境伯の目的が公爵だから、王族だからということは分からぬ。野望のためというのも確かにあるかもしれない。もしかしたら隣の島から差金の可能性もあり得る」


 隣の島とはアイルランド島のこと。

 メディシーア辺境伯領は西の海岸沿いの領地のため、その先にあるアイルランド島の諸国と繋がりがある。


 それは交易という名目での関わりで、一応それは国王も把握している。


 でも、その繋がりの間に何があるかを把握することはできない。


 国王もここにいる貴族たちも目的に関しては色々と考えているという訳だ。


「王国が公国に助力をするのはその公爵やら王族やらがバレたとしても弁明…正しくは弁解になるかもしれないが、どちらにしろ今回の件で新たな問題が起きたというのは事実だろう」

「新たな問題とは?」


 それが何なのかエーリクは聞く。


 それに答えたのはクリフォードだった。


「魔導持ちが王族や貴族になること」


 今回は魔導持ちが事を起こした。


 それはあり得ても、組織『魔導工兵』や各国が禁止していたこと。


 それをした場合の結果はよく分かっていた。


「魔導持ちによる王族と貴族の失脚…」


 禁止というより禁忌とも言える戦争のための魔導。


 それをしてしまえば他国からの非難は必至。

 国内からも当然あるだろう。


「さらに連合王国…正しくは組織『魔導工兵』もその対象とされ、失墜する可能性もあり得る」


 エーリクは魔導工兵としているため、自分たちもその対象になるのは当然だと思った。


 何故なら組織『魔導工兵』は魔導がリィーズを倒すためにあるのであって、人に向けるモノではない。


 現在の連合王国もこれまで信用を積み上げてきたことで存続できている。


「うむ。そこら辺についてはそちらの総長殿も把握されているだろう。そして、その対応も考えているもしくは既に考え終えているかもしれない」


 今回の結果がどうなろうとその責任は王国と組織『魔導工兵』に向かう。


 ただし、その内容は前者が魔導持ちを貴族にしてそれを制御できなかったこと、後者は魔導持ちが戦争を行なったことになる。


 その意味合いは違っても、どちらも監督不行届という判断をされてしまうだろう。


「我々は防衛しか出来ぬ故、申し訳ないが前線を頼んだぞ」

「はい、任せて下さい」

「了解しました」


 とは言え、リィーズ相手では魔導工兵に頼るしかない。


 国王が許可したのは防衛一筋ではなく、攻勢も掛けてもいいという戦力分散である。


 自分らを守りたいという意思を持つ王族や貴族にとって苦牛の選択と言えよう。


 それでも騎士や兵士にはリィーズを倒した事のある猛者もいる。

 その1人がジョーセフ。


 それに魔導工兵全員が前線に出る訳でもないから、決して無理ということもない。



 これで話を終え、エーリク、レオ、クリフォードが部屋を出て、残った国王や貴族、今回の最高指揮官であるジョーセフが防衛の作戦を考える。


 3人は一度マーシア王国本部に戻ることにする。

今回は長めになって作戦や王国側の事情の話になりました。

クリフォードはこの章における準レギュラー的扱いになります。王様や団長はそれほど重要ではないかも。


少々話が変わりますが、ミックやディアンのような回復を特別にするために魔導持ちには『魔導力』という力を有し、それがリィーズに有効な力ということにしようと思っています。

それをする上でどこで本編に落とし込もうかなと悩んでいますが、とりあえずこの章の解説で載せると思います。


次回は3人が本部に向かう途中の話。

3人は本部に向って歩いていた。

その間にレオは気になった事をクリフォードに聞いた。

それはクリフォードの手であった。

次回、アガートラム。

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