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魔導工兵  作者: 龍血
第2章
22/38

第5話 戦争

 

 ミックが帰省してから数日後

 煌夜とベレットの会社にある報告が届く。


「社長!どうしたんですか!」


 慌ててやって来たのはこの会社の社長。


「はぁ…はぁ…、ベレットと…コウヤは…どこにいますか?」

「ベレットとコウヤは近くにいますが…」


 この工場の管理者…工場長が煌夜とベレットを呼ぶ。


「社長、2人を連れて来ました」


 その間に呼吸を整えた社長は2人に衝撃的な事実を伝えた。


「今、マーシア王国からある報告が総本部に伝えられた」


 マーシア王国から総本部に報告がいくことは限られている。

 しかも今回はそんな中で一番あり得ない出来事であった。


「マーシア王国の一貴族、メディシーア辺境伯がマーシア王国を離脱、新たに王国の建国を宣言。既にウェールズ公国に攻め込んだらしい」


 元々ある国同士が戦争を起こすことはあっても、国内から裏切り者が現れ、新たに建国を宣言することはあまりにも少ない。


 これはアングロ・サクソン連合王国の所属国どころか、大陸側の国まで轟くほどの大事件…大事変と言える。


「2人は総本部に向かって下さい。緊急召集です」

「分かりました。ベレット、行こう」

「うん」


 2人はすぐに総本部に向かう。


 総本部に着いた2人は他の場所から来ている魔導工兵と同じように中に入って行く。


「魔導工兵の皆さん、中庭の方に行って下さい」


 何人かの職員が誘導していた。


 中庭に着くと既に何人か居て、集まるのを待っていた。




 それから数分後


「まぁ、こんなもんか。とりあえず時間が惜しいから話を始める」


 まだ魔導工兵が集まりきっていないようなのだが、総長が話を始めた。


「既に報告があったようにマーシア王国のメディシーア辺境伯で現役を引退した元魔導工兵であるディアン・メディシーアがマーシア王国から離脱、新たに建国を宣言した」


 改めて事情を確認すると共に詳細を話す。


「ここまでの話ならマーシア王国とその隣国で同盟国たるウェールズ公国の問題になる訳だが、魔導工兵が出撃する理由としてディアン・メディシーアは現地のメディシーア辺境伯領の魔導工兵を戦場に出した」


 魔導抜きの戦争であれば国同士の問題であって、組織『魔導工兵』が参戦することはなかった。


 参戦する理由としては魔導工兵を使用してきたからである。


 基本的に魔導工兵は戦争への参加は規則と国家間の条約により禁止されている。

 信用関係で組織は参加出来ないし、もし国が参加させれば組織の参戦を許可することになる。


 それはどの国にとっても良いことではない。

 仮に現地の魔導工兵を参加させたところで、総長が出て来れば解決する。


 そこまでして魔導工兵を参加させたいとは思えない。


 しかし今回はそれが為された。


「そんな無謀なことをしたのですか?ディアンは」

「そんなことはアイツもよく分かっているだろう。ただアイツもそうするだけの準備をしてきたということだ」

「準備?」

「あぁ、リィーズの起用だ」


 その言葉にここにいる全員が驚きを隠せなかった。

 何故ならリィーズは決して相容れない存在として認識している。


 それをどういうことか戦力として使えている。

 しかもそれは使役している可能性もある。


「どのようにしてリィーズを従えているかは分からないが、リィーズが出てきた以上は魔導工兵として仕事をしなければならない」


 もし、魔導工兵相手なら一般人でも勝てる可能性がある。

 魔導工兵が優位なのは魔導を持っていることと多少身体能力が高いこと。

 実力次第では勝てる。


 リィーズは魔導を駆使しなければダメージは少ない。

 時間を掛ければ倒せる可能性はあるかもしれないけど、そこまでせずとも魔導工兵に任せる方がいい。

 ただし、魔導付き武器なら可能。

 しかし、それを作る魔導鍛冶師が少ないこと、増やせば魔導工兵の優位性は減るし、仮に一般人に渡したところで中型が倒せるかどうかだと魔導工兵に優先した方が得である。


「既にマーシア王国の国王とマーシア王国本部の本部長には話は付けた。今回における魔導工兵の総指揮官は本部長のクリフォードが務め、マーシア王国とウェールズ公国内の本部と各支部は防衛に専念。前線を総本部が務めることになった。その際の前線指揮官をエーリクに任せる」

「了解しました。総長はここに残りますか?」

「私はここの防衛を務める。エーリクが対処不可能と判断すれば私が出向く」

「分かりました」


 今回の戦争は王国兵の参加を控え、魔導工兵主導になり、本部と各支部が防衛に務めるのはまだ相手の動向が分からないからである。


 代わりに総本部が前線に出向き、解決に向かう。

 総長は基本的に大型や超大型のリィーズ相手に出撃可能となるため、今回の件については判断ができない。

 まぁ、一応ディアンが魔導工兵所属のままだから可能かもしれないけど、それは各国の判断次第だろう。


「ミックはどうしましょうか?」


 その息子であるミックは今帰省している扱いになっている。


 関係あるないに関わらず、解決後は身内であることが咎を問われる可能性がある。


「アイツに関してはお前たちで判断してくれて構わない。どんな結果になっても後処理は私がやっておく」

「分かりました」


 既にディアンの件で組織にも咎を問われる可能性があるため、ミックの件が増えたところでそれほど変わらない。


「あっとそうだ、言い忘れてた。今回は一応国家間の戦争ということで連合王国内の魔導工兵の者は参加を強制するが、連合王国外の魔導工兵の者は参加を自由とする。戦争参加するのに問題がある国もあるだろう。ただこちらとしては1人でも参加して欲しいところだが、申し訳ないが自己責任でお願いする。参加しないならこの後に担当職員に伝えておいてくれ。参加しない者は今日は仕事なしで明日からも通常通り魔導工兵としての仕事を行うように」


 今回は戦争は戦争でも内乱という位置付けになり、どちらにしろ国の問題となればそれに関わりたくない国もあるだろう。


 それでも前線に置ける戦力はここにいる総本部だけ。

 敵の戦力が分からない以上は出来るだけ参加してくれる方が助かる。


 無責任かもしれないが、だからこそ参加は自由という形にしている。


「今から準備して14時50分に駅に集合し、15時に王都タムワースに向けて出発とする。準備は軽くていいからな。戦場では常に動くから最低限にしとけ。では、行け!」


 その言葉にここにいる魔導工兵たちは移動開始した。

 現在は14時過ぎ、あまり時間はない。


「コウヤはもちろん行くよね?」


 話が終わり、ベレットは煌夜に聞く。


「もちろん行くよ」

「そうだよね」


 煌夜は連合王国外の魔導工兵。

 選択権があるから、ベレットは聞いたのだろう。


 2人も寮に向かい、準備を始める。


(よく考えたらそんな大層な理由で行きたい訳ではないかもしれない)


 自室で準備している時、ふとそんなことを思った。


(友だから…じゃない。多分、似てるから。許せないから)


 煌夜とミックの境遇は似ている。

 母親がいない、父親がいるけど勝手が過ぎる。


 ただし、煌夜の方がマシなのかもしれない。

 煌夜の父親は現在何をしているか分からない状態であるけど、親戚に恵まれた。


 対してミックは父親に縛られて、それは妹にも向かっている。

 さらにその父親は今回戦争を起こした。


 似ているけど、ミックの方が上と言えるだろう。


(親の責任は子の責任、子の責任は親の責任。それから逃れるのは難しい)


 実は親戚から恵まれていた煌夜ではあったが、祖父母には嫌われていた。


 烏摩家は由緒正しき家系。

 当初は父親の母親との関係を許していたという話を聞きながらも、母親が死んだ後にその父親が失踪した。

 それが理由で煌夜の父親は気に入らない存在で、煌夜のその血を受け継いでいた。


 どういう理由で煌夜の両親が出会い、結ばれたかは煌夜は知らないけど、失踪したことが返って煌夜を苦しめることになった。


 それを見て親戚の美龗家が預けることになる。


(それに付き合わされる身を理解してくれ。ミックの場合は諸に受けている訳か)


 煌夜にとっては無関係だけど、家族は唯一無二。

 その家族が迷惑を掛けているのが許せなかった。


 多分煌夜は高すぎる理想の家族想を持っている。

 それが今回の怒りであり、以前のベレットの件も羨ましくも大切して欲しいという表れだったのだろう。


(落ち着け)


 煌夜は刀の柄頭の部分に手を乗せ、気持ちを落ち着かせる。


(まずは戦争だ。ミックに会えるかどうかは分からない。それにそれを行うのはミックのすること。この怒りは内に閉まっておこう)


 煌夜は頭から流れた汗を拭き、部屋を出た。


 既に男性寮に残っている者は少なかった。

 煌夜は自室で15分程度いたようだ。


 すぐに階段を駆け下り、ロビーにてベレットがいた。


「遅いよ〜」

「ごめん」


 今見かけるのは女性ばかり。

 女性たちは準備が掛かるため、男性以上に忙しい。

 その割に着崩れしないのは女の嗜みというものだろうか。



 2人は急いで移動。

 10分程で到着する。


 既に多くの魔導工兵たちが集まっており、次々と駅の中に入っていく。

 その際にエーリクが名前の確認をしている。


 煌夜たちもそれを通過し、その奥にある蒸気機関車を見る。


黒馬こくばという奴か」


 蒸気機関車。

 産業化によって生み出された機械の馬車。

 色と合わせて通称黒馬と呼ばれている。


 まだ一般利用されておらず、ほとんどは貨物列車として利用されている。

 ただし王族や貴族は一両分の人が乗れる特別車を持っていたりする。


 唯一蒸気機関車を人が乗る用として利用できるのは魔導工兵総本部だけである。

 これは連合王国に発生したリィーズに各本部や各支部で対処出来なかった際に急行できるように持っている。


 まぁこれができるのは総長がセントラルを1人で対処可能だから出来ることでもある。



 煌夜は蒸気機関車があることは知っていて、セントラルに来る際に貨物列車を見ていた。


 しかし、目の前にあるのは人を乗せるための列車。

 上が開いている貨物列車とは違い、屋根がある。

 完全密閉ではなく、横の壁の上の方に小さい窓枠が開いていた。


 中に入ると真ん中に通路、左右に向かい合った席が並ぶ。

 席は2人並んで座り、それが反対側にもあって向かい合っている。


 煌夜とベレットは入ってすぐの席に案内された。


 既にそこには2人の女性が座っていた。

 1人はウィロー、もう1人はメリッサが座っていた。


「これに乗るのは初めて?」

「はい」

「一応、安全性が確保されてるけど、独特の揺れがあって気分が悪くなるかもしれないから、その時は言ってね」

「分かりました」


 蒸気機関車に乗ることはあまりにない。

 こういう機会事態が珍しく、乗っても討伐隊くらいで、大半が初めてである。


 その中で煌夜は全く知らない状態で乗るため、その配慮としてウィローの近くに座るように言ったのだろう。


「ベレットも気をつけてね」

「うん、大丈夫」

「まぁ、ベレットが気分悪くしてるのはあまり見ない気はするけど…」


 初めてという点でそれはベレットも同じ。

 ただ、いつも元気な(不安という感情はあるけど)ベレットが気分悪くしているのは想像できなかった。


「き、気をつけて…」


 ウィローの横に座るメリッサは何故か既に気分を悪くしていた。


 メリッサは討伐隊の一員だから経験しているのだろう。


 動いてもいないのに気分を悪くしているのはまだ早い気はするが。



 そして、15時。

 蒸気機関車は出発した。


 蒸気機関車にいる魔導工兵は30人から40人程度。

 正確には35人であるが、この中にサポートする魔導持ちの職員、急遽必要となるかもしれない武器調達に魔導鍛冶師のジェフが同行する。


「今元気な内にメディシーア辺境伯…ディアン・メディシーアについて話す」


 出発早々話を始めるエーリク。

 気分を悪くする者がいるかもしれない…いや、既に気分を悪くしている者はいるが、とにかく今回の首謀者たるディアン・メディシーアのことを話し始める。


「魔導工兵をしているなら多少聞いていると思います。10年程前までは魔導工兵として活動していました。彼と同じ世代である者は既にそれなりの地位にいます。私やウィロー、クリフも少しズレはあるものの、彼のことをよく知っています」


 40前後の年齢の魔導工兵は組織内でそれなりの地位にいる。


 同じ世代であるディアンも貴族でなければ組織内で地位を持っていただろう。


 総本部では総長が強過ぎて、それ以下の地位がないようなものだが、40歳以上の魔導工兵はほとんど各本部や各支部の上層部に務めている。


 そのため、今回の件は連合王国内でも大きく取り上げられるだろう。


「彼の魔導は『何でも効く薬』と言えます。それは人間もリィーズも関係ありません。その点は息子のミックと似ているかもしれません」


 ミックの魔導は回復特化していて、リィーズにも効く。

 それに関しては父親と似ていると言う。


「ただし彼の回復は毒薬。何かを得る代わりに何かを失う。それによって彼の魔導は万病に効く」


 ミックの魔導は一応限度がある。

 失ったものは回復しない。


 ミックの魔導には基本的に2つある。

 1つは回復するための『回復ヒール』、もう1つのリィーズを倒すための『過回復オーバーヒール』がある。


 これはあるものは治せるが、ないものは治せない。

 だから、ないものを治そうとすれば過度の回復となり、逆に壊れる。


 まぁつまり、『過回復オーバーヒール』はミックが使いやすくするために使い分けているだけで元は『回復ヒール』である。


 それに対して父親のディアンはそのないものを治すことができる。

 ただし副作用を持った上の治療となる。


 それが良いか悪いかは難しい。


「彼の力は攻撃も回復も最強に近く、あの総長でさえ手を焼く可能性があります」


 その言葉にざわつく。


 総長は現最強。

 それが手を焼くレベル。


 まぁむしろ手を焼くレベルでしかならないくらい総長の方がおかしい気もするが。


「まぁディアンのことは私に任せて下さい。とにかく私たちの仕事はリィーズ討伐。どのレベルのリィーズがいるかは分かりませんが、1人で中型を相手にする必要があるかもしれません」


 現状ディアンと相手に出来るのは数える程しかいない。

 だからこそ総長はエーリクを無理やりにも参加させる必要があった訳である。


 それ以外の魔導工兵に関してはリィーズ討伐が主になる。


 小型なら難なく討伐することは出来るだろう。

 ただ中型以上なら1人で討伐できない者もいるが、今回はそれを熟さないといけない。


「さらにメディシーア辺境伯領の魔導工兵を相手にする可能性もあります。私たち魔導工兵は人に向けるモノではないのは百も承知。しかし、それを逃せば守るべき民を失う。今は鋼の心を持つことにしましょう。私たちは人を救うためにいる。それだけは失わないで下さい」


 魔導工兵は対人戦を想定していない。

 多くの者はリィーズを倒すことを目的として魔導工兵をやってきている。


 なのに同じ魔導工兵を倒さなければならない。

 切り捨てになってしまうけど、魔導工兵は民を救う役割もある。

 それに従うしかなかった。


「それでは話はここまでしましょうか。到着までゆっくりしてて下さい」


 エーリクはみんなの顔を見て、何かを察した。


 次の瞬間、何人かが吐いた。

 その中に煌夜とメリッサも含まれていた。



 それから2時間後。

 セントラルから東に位置するマーシア王国の王都タムワースに到着した。


「こ、これが蒸気機関車……」

「う、うぇ……」

「大丈夫ですか?」


 煌夜とメリッサは蒸気機関車から降りて、一緒に膝をついた。

 それをウィローが背中をさすり、時々自身の魔導である『洗水ウォッシュ』の水を飲ませる。


「2人とも大丈夫?」

「い、いや、逆に何で…ベレットはむしろ元気…何だ?」

「だって退屈だったんだもん」


 対してベレットは元気が有り余っている。

 走っている間、煌夜とメリッサは気分を悪くして、ウィローが看病するという形になっていたが、ベレットははしゃいでしかも席を立ったり、他のところに行こうとするから、近くの人に注意されていた。


「気分が悪いところ済まないが、これからマーシア王国本部に向かう。着いて来てくれ」


 エーリクの指示で移動を始める。


 まだ気分が悪い者もいたが、体を動かして付いて行く。



 さらに数分。

 マーシア王国本部に到着。


「エーリクさん」


 中に入って、多分本部の職員がエーリクに話し掛ける。


「連絡した通り、今日はお願いします」

「はい、分かりました」

「今日はここで一泊します。翌日から戦場に向かうことになりますので、しっかりと休むように」


 今は17時過ぎ。

 今から向かうには流石に暗すぎるし、まだ状況をちゃんと理解していない。


 それに気分が悪い状態ではどうしようもない。

 今回が初めての人が多いので明日は少しはマシになるだろう。


「レオ」

「はい!」

「今から王城に向かう。着いて来てくれ」

「お、王城ですか?」

「現在マーシア王国側の作戦本部は王城にある。ここの本部長もそこにいるんですよね?」

「はい」


 一旦休みしても今は時間が惜しい。

 今のうちに情報を仕入れる必要がある。


 エーリクが行くとして、もう1人行くとしたら討伐隊の副長であるレオか後方支援のウィローのどちらかになる。


 そこで指名したのはレオ。

 しかし、本人は副長とは言え、この中では中堅。

 しかも平民出身で王城に行くのは想像できない。


 そもそも魔導工兵が王城に向かう機会はあまりない。

 何故なら基本的に大型リィーズが出たとしても、その国の本部が対応する。


 以前のカントゥイド村に関しては近場だったので総本部がやることになったのだが、本来ならマーシア王国本部がすること。


 討伐隊が仕事をするのは大型リィーズの討伐が難しい場合の助け舟としての役割を持つ。

 そのため、蒸気機関車も基本的にはそれ用となる。


 仮に国との交渉とかがあればそれは総長や各本部長が行うことで、それよりも下の立場はそうそう会う機会はない。


 エーリクが慣れているのは元々貴族出身であること、総長の代わりで赴くことがあるから。


 まぁ本人は副長という立場の時点で色々と思うところがあったので、余計に不安とか緊張とか色々あるのだろう。


「これから先いつになるか分からないけど、私は帰国しなければならない。その後どうするかは総長が決めることではあるけど、レオが隊長に繰り上げになるかもしれない。そのためにもこの経験はしておいた方が良い」


 エーリクが自身の出身国である北欧王国に帰国するということは事前に伝えてある。


 そもそも本当なら既に帰っていたはずなのに総本部の地盤を固めるために少し先延ばしにしている。


「貴方には指揮能力があり、状況判断能力もありますが、何よりも責任感が強い」


 レオが副長に任命された理由としては確かに指揮能力や状況判断能力を持っているが、それは他の人にもいない訳ではない。

 ただ、責任感となるとあまりいない。


 上記の2人に関しては貴族出身者の方がむしろ高いかもしれない。

 しかし、平民出身者の切り捨てを行う可能性があるため、そこはちゃんと見極めないといけない。


 逆に平民出身者は貴族出身者に対して命令するは少々難しい。

 貴族出身者からの圧もあるかもしれない。


 それに比べてレオはそういう思いもありながらも、貴族出身者や年上に対して命令できている。

 それは命を預かる者としての責務だからと思っているから。


 因みに突っ走る行動はそれからものではある。


「貴方だからこそ頼みます」

「分かりました」


 頼られること自体は嫌いではないレオは引き受けることにした。


「ウィロー、後のことはお願いします」

「了解しました」


 残りのことはウィローに任せ、2人は王城に向かった。


今回は戦争勃発と蒸気機関車の移動でした。

戦争か内乱か反乱かちょっと分からないけれど一応戦争という扱いで進めていきます。

蒸気機関車の関して移動方法を考えた時、19世紀半ばから後半を想定している物語のため、当時の乗り物だと馬、馬車、車、貨物用列車でもしかしたら他にもあるかもしれないけど、この中で1番速いのは列車になるからそれを採用。当時に客車がどれだけ普及されていたかは分からないけど、ここでは一両客車を個人所有している人は居るけど客車としての列車は総本部だけという事にします。


因みにメリッサに関してとして病弱キャラというつもりはないですけど、気分や体調を悪くし易いキャラと思って貰えればと。


次回はエーリクとレオが王城に着いたところから。

エーリクはレオを連れて王城に向かった。

そこで行われているのは今回の戦争における王国側の作戦本部。

そこには王様や貴族たちが居て、マーシア王国の本部長が居た。

その本部長が2人に説明する。

次回、現状把握と作戦。


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