月光
それからさらに数段、攻撃を加速させるエリー。高速の攻撃を紙一重で交わし続ける俺だったが‥‥
(‥‥っ!)
一瞬、彼女の拳が視界から消え肩に一撃を貰っていた
肩に激痛が走り、意識が僅かに揺らぐ
しかし、すぐに意識を立て直し彼女と相対する
「———ふふふ、ようやく一撃入れました」
二人は戦闘を繰り広げながら互いに会話を望んでいた
「まさか一撃を貰うとは‥‥とてつもない威力だ。その強さを持ちながら何故抗おうとしない?」
「‥‥‥抗うとはどういう事でしょうか」
再度、拳と拳がぶつかり合う———
「————なぜ貴方がそのような事を、」
エリーは質問の意図を理解する。しかし。黙殺する姿勢を貫き通していた
俺はそんな彼女を見つめ、さらに話を掘り下げる
「そうだな、確か”マイアーレ商会だったか?」
「‥‥なっ!なぜそれを貴方が?!」
エリーは目を見開き、俺の胸に撃ち込もうとしていた拳を寸でのところで止めた
「商会で胸当てを買うときに出会ってな。俺をガキと油断したのかあの男がペラペラと色々教えてくれた。君が戦う理由も少しは理解している」
「そう‥‥なのね。でも本当の意味で理解はしていないようねっ!」
エリーは怒声と共に襲い掛かる。その表情には焦りが窺えた
長い脚と柔軟な体を活かし、横蹴りを撃ち込んでくる。俺は脚を曲げその一撃を防ごうと構えた。
「くっ‥‥!重いっ」
拗ねで受け止めたが鋭い衝撃がまたも襲われる。
慌てて後退し彼女と距離を取った。
距離を取り脚を見ると、彼女の蹴りで拗ね部分の衣服が剥がれ落ちていた
さらには皮膚が青黒く痣に変色している
素早く回復をかけ、元通りにする
元通りにしたかと言って痛みは消えない。表面上、見た目の問題だ
「君がそこまでして戦う理由が少しずつ理解してきた」
「‥‥何を‥‥理解したというのっ!私は勝たなければいけないの!例え私自身が犠牲になったとしてもっ!」
彼女は声を振り絞りる。その声には焦りと怒りの感情が混じっている
場の空気が一瞬で変わり、肌がピリピリと痺れる
大地が揺れ、石などのかけらが震えだす
寂しく震える声を絞り出すかの様にある言葉を唱えるエリー
「——これで終わりにします。最後に、貴方と出逢えて良かった‥‥」
「月光」
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