表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/158

花魁道中

俺は歩きながら先ほどのことを考えていた


彼女と目が合った瞬間、彼女はこちらに歩み寄ろうとしていた


多分彼女に気づかれてしまった‥‥昨夜の男が俺なのだと


流石に獣人の視力は凄まじいな‥‥常に警戒しておかなくては

いや、魔法で姿を変えるのもありだな‥‥‥


緩んだ帯を絞め闘技台を背に出入り口へと向かった



◊◊◊



そんなレオンの背中を見つめる女性が一人いた


エリーは先ほど声を掛けそびれたレオンを見詰めている———




———私は確信した。昨夜、屋上から覗いていた人物は彼だと


私のこの”眼”を見ていた昨日と同じ瞳の色‥‥でもまだ謎が多い人物


実際に近くの距離で観察すると背格好は私と同じ。獣人なのかと疑ったけど何処も獣人らしさを感じない。 


(だとしたら人族‥‥けど大人ではない)


きっとまだ子供‥‥身長は私と同じくらい。けど、私より幾つも下の子供。しかしそんな子供がなぜ獣武祭に出場しているの?


それに加えあの怒涛の強さ。屈強な獣人達を一撃で沈める破壊力は戦慄すら覚えてしまう‥‥‥


周りの観客も選手も皆が等しく思っていたと思う


尋常ではないと‥‥


しかし、私は戦慄していたと同時にその戦いぶりに興奮していた


常識を超越した美しい舞。まるで踊っている様で魅入ってしまった


あろう事か舞に引き寄せられ戦いを放棄していた‥‥


彼の戦いをもっと近くで見たいと行動に出た


そして気づいた時には彼の前に現れていた‥‥‥思い出すと少し恥ずかしい話


結局彼に声をかけらずに彼は行ってしまった‥‥‥


私は一人取り残されたと思い孤独の寂しさが襲う


「私もそろそろ戻りましょう‥‥」



———足元には選手達が大勢伏せている。うつ伏せになり顔を上げてる者は誰一人として居らず。その横を優雅に歩く姿。ひれ伏しているかの様な男達。


この光景はまさに花魁道中


大人も子供も関係なく誰もが見惚れ恋焦がれる姿‥‥しかし本人の黄金の眼は空虚を捉えていた


———心ここにあらず


これに気付く者は誰一人として存在せず、ただ彼女の風貌を見ているに過ぎなかった‥‥



◊◊◊



———俺は応援席のファシーノ達がいる階を歩いていた


ここまで来るのに大勢の人から声を掛けられてそれは大変だった


サインをくれだの、マスクを外せだの、服を引っ張られるは、とすれ違うたびやられると流石に滅入る


それと毎回チビチビ言われるのだけは尺だが


まだ13歳だから!なんて言えるわけもなく

13でも立派な男だ。13からは何でも一人でこなし、責任が生じる年なのだから

そんな甘い考えではいられない


まあテキトーにあしらっていたらファシーノ達の側まで到着した


「お疲れさま。お昼あるわよ」


「お疲れ様です!凄かったです!」


「凛々しい姿を眺められて感無量だったぞ」


「ありがとう。昼をいただくよ」


三人とも笑顔で出迎えてくれた


三人に感謝し昼を受け取る


「おにぎりか。これは美味しい、なんだか懐かしい」


おにぎりを何年ぶりに食べたことか‥‥白米一粒一粒を噛めば噛むほど弾力があり甘味が舌を通り抜ける


程よい塩加減がまた文句なく絶妙に良い


「また感動しているのだけど‥‥」


ファシーノは“またか“とおにぎりを食べながら一人で呟いている


自然の摂理だ。しょうがない。


「———そういえば主。試合終了の間際にあの”娘”と妙な雰囲気だったが、何か接点でも?」


おにぎりに感動しているとヴァルネラが不愉快そうに先ほどの立ち会いを聞いてきた


「「‥‥は?」」


ヴァルネラが聞いた事により二人の少女も俺を鋭い視線で睨む


まるで肉食動物達に四方を囲まれたような感覚が走る


(これは説明しなければいけない状況だ‥‥身のためにも‥‥)


「実は‥‥」


自身の身のため意を決して昨夜の事、そしてマイアーレとの関係を詳しく説明した


「へ〜私たちが寝ている時にそんなところに行っていたなんて、酷いわ」


「ファシーノ様のいう通りです。少し悲しいです‥‥」


二人の眼差しが限りなく冷たい‥‥


「はっはっは!主あの時間でそのような事になっていたとは、気が抜けん奴め!」


ヴァルネラは酒を片手に豪快に高笑いする

こいつ知ってて止めなかったな‥‥


「伝えなくてすまなかった。ただ何か匂う‥‥何かが裏で動いている気がするんだ」


俺は腕を組み真剣な面持ちで話す。そんな俺の表情を覗いていた三人も冗談ではないと察した


「この大会が終了した直後か、或いは夜か‥‥一応警戒しておいてくれ」


「「「了解」」」


三人とも息がピッタリじゃないか。次の決勝はどうなるか‥‥


三人に警告した後、次のアナウンスを席に座り待ち構えていた


いつもブクマや評価等ありがとうございます!

小説投稿の励みにもなっております

これからもよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ