転生令嬢と転生子息
短いです。
初投稿なので疎い文章と思いますが温かい目で見てもらえると幸いです。
….何故、こんな事に
皆様こんにちは。
私、エヴァレッド伯爵家の長女レゼリーナ・エヴァレッドと申します。
何となくお察しのですよね。
…..はい。私、転生者でございます〜。
じゃねーよ!!
why?what!?!?
こーゆー2次元的なもんは2次元で起これし!
なにゆえ私やねん、、、
おっと、ついつい素の顔が出てしまいました。
ほら、ねっ。今は一応いいとこのお嬢様ですから。
一応ちゃんとしないと。、、、一応。
では改めて自己紹介を。
前世は小日向 唯。ちなみに享年19歳だった。
そして現在はさっきも紹介したエヴァレッド伯爵家の
レゼリーナ・エヴァレッド(7歳)になっていた、と。
…いやいやいや冷静に考えてみてもないわー。
って言うかほんとご令嬢って大変ですわ〜。
勉強はまだいい。前世でも勉強はめちゃくちゃできたもん。学年トップとか普通に取れてたもん。
だから大丈夫だもん。
問題はそれ以外だ。
テーブルマナーやらダンスやらとにかく面倒極まりない。
服もほぼ毎日ドレス。たかが姿勢一つ崩しただけで直ぐに注意され、四六時中メイドやら護衛だかで一人の時間なんてないに等しい。
まぁなにが言いたいかと言うと
ーーめんどくさい。
もうこの一言に尽きる。もうヤダ。ほんとメンドイ。
そして今私はさらにメンドイ案件に巻き込まれている最中である。それはーー
「レゼリーナ。今お前に婚約の話が来ている。」
こ・ん・や・く‼︎?
I’m 7years old. だよ?
マイファザーよ。
あっ、これまた紹介してませんでしたね。
今、私に婚約話を持ってきやがった方は私の父で
クリス・エヴァレッド伯爵です。
銀髪に緑色の瞳を持った超絶イケメン。何となくだが領主だからなのか威圧があるようにも感じる。
ついでに私はイケメンの父と同じく銀髪に碧い瞳だ。
この碧は母譲りだ。
そして話は逸れたが今私、婚約話が来ているからそのご子息と会ってこい、と父親から言われているわけだが、、、
普通にヤダ。逆に何で見ず知らず奴と婚約せにゃならんねん! まぁこの世界では政略結婚は当たり前だ。
しかし!私は‼︎元日本人‼︎
引き下がるわけにはーーー
「その相手がもうすぐ我が家に来る。
お前の相手はアルノルト・フォードレイ。お前の同い年でフォードレイ公爵家の次期領主でもある。
言うのが今になって悪かったな。と言う事で早く身支度を整えておけ。」
……今からですと。
いやいや、エェーーーーー。
拒否権は、、、うん。そんなもんないデスヨネ。
今から私の婚約者(仮)が来るそうです。
そんなこんなで、現在アルノルト様とご対面しております。
コイツまだ7歳だけども絶対イケメンになる奴やん。
紺色の髪に私より少し濃い青い瞳をした美少年。
、、、そしてさー、多分私コイツのこと知ってるんだよ。
どこで?
そんなん前世だよ。
ほらあれだよ。乙女ゲー。アルノルト・フォードレイって確かその攻略対象の一人だった気がする。
ーうん。どうやら私は乙女ゲー世界に転生したらしい。
何という王道。あーヤダヤダ。
「初めまして。レゼリーナ嬢。フォードレイ家長男アルノルト・フォードレイと申します。どうぞよろしく。」
「初めまして。アルノルト様。レゼリーナ・エヴァレッドと申します。こちらこそどうかよろしくお願いしますね。」
フッ、驚いたか!
私とて一端のご令嬢を演じるなど容易いことなのだ!
冗談はさておきだ。
コイツが攻略対象であるの言うことはだ、いつか出会うヒロインと恋に落ちてもなんら不思議ではない。
つまり婚約破棄になる確率が非常に高いと言うことだ。
では婚約しないのか?
ーーNO!
私にとってはこれは最高に都合が良い。
確かに政略結婚は嫌だ。だが今回がダメならばまた次とあの父親ならばそうするだろう。つまりその場しのぎでは意味がない。
そして更にぶっちゃけると私はメチャクチャ美少女なのだ。
恐らく社交界に出ればそれこそ男にマジで群がられると思う。(母もそう言っていた)
だが、コイツ…じゃないアルノルトと婚約すればまず男に群がられると言うのはないはずだ。流石に婚約者がいる奴に手は出さんでしょ。しかも公爵様だし。
そして実は婚約は双方同意ならば破棄出来るのだ。
と言うことで、アルノルトとヒロインが恋に落ちてくれれば婚約破棄、つまり政略結婚しなくて済む!
ふふふ、我ながらなんて最高のプランなんだ!
よし。私の方針は決まったぜ!
私は、今庭で散歩中だ。
「ふーんふふふんふ〜〜ん」
えっ?機嫌が良い?
当然じゃん。あの後、正式にアルノルトと私は婚約者になった。私もあっちも特段お互いに興味は無いっぽい。
そこですぐに別れて、アルノルトの方はうちの庭園を少し見て回っていくとのことだった。
まぁ婚約は破棄するにしても仲良くはなっておきたい。
何故って?….実はアルノルトは私のかつての推しだ。
全く推しには見えなかったって?
まだ幼少期ですから。そう言う事にしておいてね。
でも推しだからと言って攻略する気は無い。
私は推し×自分はできないタイプなんですよ。
当面の目標はアルノルトとお友達になることだ。
「ーーっだよ!マジーーー!」
ん?
なんか人の声がしたな?
ちょっと気になるし行ってみるか。
ヤバい。とにかくヤバいものを見てしまった。
何かというとそれは、
「ハァ、なんで俺がこの年で婚約者作んなきゃいけないんだよ。」
そこにいたのはアルノルトだ。
おいおいおい、えっ嘘でしょ。アルノルトってこんな性格だったっけ?いやそんなこと言ってる場合じゃ無い。これ私が見てるって気づかれたら色々ヤバいんじゃないか?
とにかく、今すぐこの場から去らなければ!
「つーか、そもそも『転生』したら次期公爵ってなんだよ。せめて普通の平民にしならってゆーの!」
…..え。
今『転生』って言ったよな。
まさか、もしかして、いやそりゃそうだ。私だけしか転生してないなんて勝手な決めつけじゃ無いか。
アルノルトは転生者、かもしれない。
「あのっアルノルト様!」
「!?!?なっ!?」
アルノルトがやばって顔をしているが今は無視だ。
「つかぬことをお伺いしますが貴方は転生者なんですか?」
ヤベッ。つい普通に聞いてしまった。
「ええっと、、、あの、、、」
なんとか言い訳をしなければ!
「あ、貴方もなんですか?」
するとアルノルトの方が尋ねてきた。
「! はい。そうです。
ちなみに多分日本の方?ですよね。」
「そうです。俺は前世というか転生前は橘 秋斗っていう名前だったんです。まぁ知らないと思いますけど。」
…………嘘でしょ。
コイツ、秋斗なのか。
ハァ⁉︎なんでコイツがあのアルノルト様になってんだよ!?
「ちょっ、オイ。ぜんぶ心の声が漏れてるぞ。
てか俺のこと知ってるのか?
前世の名前なんて言うの?」
………………..。
「……小日向 唯。」
「は。
えっおまっ唯なのか?
…….オイオイ、マジかよ」
「ハァ、それはこっちのセリフだよ」
橘 秋斗。
コイツは高校の同級生だった。
友達というより悪友?といった感じのやつで
何より前世でも普通にスポーツマンで成績良しの優等生。オマケに顔も良かった。だからこそ勉強では負けまいと頑張っていたんだけどね。
まさかアルノルトの中にコイツがいたとは想定外中の想定外だよ!
一体この先どうなることやら。
願わくば平穏に過ごしたいなー。
そして私とアルノルト
転生令嬢と転生子息は婚約者になっ(てしまっ)た。
お読みいただきありがとうございました。