34 死ぬ気で逃げろーッ!!
こんにちは。こんばんは。
今回のお話は、再び『北の谷』へとやってきたお話となります。
ちょっと話の引き延ばしみたいになってしまっているかもしれないと思いつつ、思いついた新モンスターをさっそくと登場させたかったので、ご容赦いただければと思います。
最後まで、お楽しみいただければ幸いです。
〈ドリリング・ドライバーッ!!〉
俺たちは、再び『北の谷』へとやって来た。
前回は、谷へ向けて北上こそしていたが・・・雪が積もる丘陵地帯に移って少し進んだところで撤退をした。というのも、ここら一帯を縄張りにしていると思われるモンスターの一体と戦闘になったからだ。
埴輪騎馬兵。
アライラの鑑定によれば、HNW・・・えーっと、とにかく型式番号で名前が表示されたことで、人造物であることが判明するわけだが・・・。
その見た目は、まさに埴輪そのもので・・・もう意味分からないけど、出てきたモノは仕方ないと割り切って相手をした。
戦ってみると、これが厄介な相手だった。
アライラの現行における主力技である『邪眼ビーム』が、この埴輪騎馬兵には通用しなかった。特殊な力場を展開して、ビーム攻撃を玉にして水を弾くように受け流してしまう。
そのうえ、変幻自在に形状を変える蕨手刀などの装備で翻弄され、アライラが機転を利かせて発動した新技の『ドリリング・ドライバー』にて、からくも撃破に成功した。
当初は、俺の縛鎖閻魔錠を右前足に巻いてから邪眼による技の上掛けで『ドリリング・ドライバー』として螺旋状に回転する槍のような形で突きを放ちつつ突進する技だった。
しかし、コレが無駄だらけ・・・ということになり、俺の提案でロケット・パンチ式に変更することに。
これがなんとまぁ・・・見事に合致した・・・というのが正しいのか?
撃ち出した『ドリリング・ドライバー』に見掛け倒しのビームを纏わせることで、埴輪騎馬兵がビーム攻撃に対抗する防御力場を展開し、受けの姿勢になってくれたことでアッサリと撃破できたのだ。
・・・前に戦った時の苦労を思うと、涙が出てきてしまうあっけなさである。
当初は、ドリルの塊を撃ちだすだけの技だったが、ビームを少量なり追加してやることで埴輪騎馬兵にビーム攻撃であると誤認させることで、アッサリと倒せたわけだ。
〈うーん・・・こんなに弱かったっけ?〉
「倒し方を特訓してきたんだから、これぐらいの方がいいだろ」
〈でもさー? もう少し手応えがあってもいいと思わない?〉
・・・確かに、あっさりとし過ぎているようには思うが、数日間も特訓をして苦戦しているようではマリーさんに怒られてしまうだろう。
まぁ、その特訓も途中から趣旨が変わっていったようには思うけどね。
それに、埴輪騎馬兵が第一階層でもこんな僻地に居る理由は、そのあっけなさにあるんだと考えることもできる。
「あっさりと倒せるからこそ、埴輪騎馬兵はこんな極寒の環境である北西の僻地に居るんじゃないかな?」
〈どゆこと?〉
「うん。今日までを振り返ってみれば、分かる事だけど・・・埴輪騎馬兵はヨーロロンに勝てると思うか?」
〈おー・・・おー?〉
ちょっとイメージが追い付いていないようだな。
〈確かに・・・言われてみると埴輪騎馬兵がヨーロロンに勝っている姿が想像できないね〉
「そうなんだ・・・『ドリリング・ドライバー』でこうもアッサリと倒せるってことは、ビームを使わないヨーロロンなどとは相性が悪いんじゃないかな?って思ってさ」
そう。
埴輪騎馬兵は物理攻撃で殴ってやれば倒せる相手だ。
この第一階層にて、最初に戦ったモンスター。
アライラの邪眼ビームが体毛で防がれた事を考える。そして、アライラの顔を唾で凹ッとやった事を考えれば、埴輪騎馬兵の装甲なぞ紙切れのように粉砕できる気がする。
「こうして考えてみれば、この第一階層【春の区画】にはビームを主体に戦うモンスターがどれだけいるのか?も気になるところだ」
〈むーん・・・でも、数はかなり少ないのは確かじゃない?〉
「そう。もし、第一階層全体で見た時にビームを含めた何らかのエネルギー系を攻撃の主体とするモンスターは、埴輪兵器に勝つことが難しいはずだ」
例外としてみれば、航空モンスターだろうか?
目からビームのバルカンを撃ってきたことを考えるが、糞型焼夷爆弾が主体の戦術であるのは確かなので、やっぱり埴輪兵器では分が悪いか・・・。
それに、バンダーガーの象牙より放たれた巨大ビームになれば、埴輪兵の防御システムでも防ぎきることは難しいはず・・・。
・・・ならば、今のアライラが放つアレなら。
「・・・試して見るのが早いか」
〈お? 何を試すん?〉
「一点集束。八連邪眼バスター・ビーム改。だよ」
あの技は、バンダーガーに決して負けてはいなかった。
相手の方が強かったのは確かだが、アッサリと押し退けられたわけではない。・・・ジリジリと押し込まれる形で負けていた。
それも、象牙を片方砕くことに成功して、その上で魔力の追加補充を行ったことで押し返すことに成功したわけだから・・・大きく劣っているわけではない。
そんな一撃を埴輪兵に放った場合・・・割と一掃することは可能なのではないだろうか?
どどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどッッッ
先日と同様に、埴輪騎馬兵を一体倒したことで団体様が駆け・・・・・・多くない?
〈なんか、こないだよりも数が増えてね?〉
俺の勘違いじゃなくてよかった。
「道幅ぎっちりと並んで接近してくるのは、凄い編隊だな・・・」
普通、壁に接触して転んだりするだろう?
って思うものの、埴輪の見た目で中身は超未来的機械技術の塊みたいなモンスターだし・・・モンスターって表現自体が間違えている気がしてきた。
〈こう・・・逃がさねぇ!!って意気込みだけは、受取拒否しても押し付けてくる感じねーぇ〉
・・・確かに。
これはドリリング・ドライバーで対処していくのも大変になるし、ここで無駄に時間を掛けたくもない。となれば・・・。
「アライラ。一点集束、八連邪眼のバスター・ビーム改で一掃するぞ」
〈よっしゃい!! 魔力の急速充填よろしく!〉
錫杖をアライラの頭に突き立てて、魔力を急速充填する。
前はコレをやるだけでキツかったはずなのだが、今では一回や二回では特になんとも感じなくなった。慣れたということか・・・俺も成長しているということか。
〈魔力充填120%!〉
え? そんなオーバーチャージやっていませんが?
〈一点集束! 八連邪眼!!〉
アレ? なんかアライラの体毛がユラユラと仄かに光り出して・・・。
〈ばぁあすたぁああああッッッびぃぃいいむぅううぅッッ改ッ!!!!〉
八つの邪眼から一斉に放たれるエネルギーが一点に集束され、特大のバスター・ビーム改が放たれる。バンダーガーとの戦闘時にも威力が増加していたが、今回も同様に増加していると感じられた。
その原因は・・・魔力充填120%だとすぐにわかった。
「ゲフッ」
口から血を吐き出して、俺の内臓が損傷したことを教えてくれる。
一方で、放たれたバスター・ビーム改はまっすぐに埴輪騎馬兵団へと直進していく。
最前列を走る部隊が、一斉に対ビーム防御力場と思われるバリアを展開したが、一瞬でかき消された上にビームに呑まれて消えて行くと、二列、三列と呑み込んだ。
その後方にいる埴輪騎馬兵は、空に飛び上がって回避行動に出る。
〈飛んだ!?〉
騎馬の前後四本の脚が一斉にロケットブースターに変形すると、火力任せの垂直離陸を行ってバスター・ビーム改の範囲から脱出を試みていた。
だが、行動が遅かった。
ビームの光に騎馬が接触してしまったことで、全身へと一気に熱が拡がっていく。
それが瞬く間に乗っている埴輪兵にも届くと、その身体を融解させてビームの光熱へと消えて行った。
「なるほど、圧倒的威力を持たせればビームでも突破できる防御力なのか」
〈うへー。私ってば確実に強くなってますよコレはーッ!〉
・・・強くなってないと困るんだよなぁ。
魔力充填120%に加えてビーム改だぞ? ただのビームより改良されているからこその『改』だよね? まさか改悪の『改』ですって言わないことを祈るばかりだ。
そんな祈りをした際に、少し遠目を見たことで気づいた。
アライラの放ったバスター・ビーム改が、道を無視して真っ直ぐに谷へと向かっていくのだ。
コレは谷までのショートカットになる。と、考えることもできたが・・・飛んで行ったバスター・ビーム改が谷へと届いたと同時に、埴輪兵のビーム防御力場に激突する。
「バスター・ビーム改が止められたぞ!?」
〈なんですと!?〉
巨大なビームは力場の影響を受けて玉になる。
それが、水飛沫・・・のレベルを超えた大爆発を起こしながら、力場によって受け流されて消滅していった。
「あの規模のビームを・・・」
〈え? もしかしてボス戦?〉
いや、そんなこと・・・ありえそう。
バンダーガーのようなヤバい敵は居ないと思うが、それでも匹敵する実力を持ったモンスターが待ち構えていてもおかしくはない。
だが、谷にあるモノとして考えてみればどうだろうか?
ここまで埴輪騎馬兵しか見ていないが、このエリアを縄張りとしているならば兵器を運用するための前線基地があるのは間違いない。
そのための施設となれば、家形埴輪が適任だろう。まさか、埴輪以外が出てくるなんてないよね?
・・・とりあえず、家形埴輪が登場することを信じて、思考を継続する。
もしかしたらバスター・ビーム改は連中の拠点となる家形埴輪の大規模防御力場によって防がれたのではないだろうか?
埴輪尽くしとはいえ、種類は『人形』『馬形』しか見ていないのだから、まだまだ出てくる事は間違いない。地球だって、複数種類の埴輪が確認されているし・・・。
〈ねー? るっちゃんさん!〉
「うん?」
少し、焦りが混ざった声を聞いて、俺はアライラに視線を向ける。
〈邪眼で最大望遠しているんだけど、谷になんかあるっぽいよ〉
谷に、何かがある?
つまりそれは、俺の予想通りに拠点となる家形埴輪があるという事ではないだろうか?
「アライラ! その最大望遠で見ている物をウインドウ表示で俺にも見せてくれ!」
〈あいよ!〉
ウインドウが開き、アライラが最大望遠で見ている物が表示された。
雪がカーテンのように吹雪いているようで、明確に輪郭を知ることが出来ない。が、どうやら塔のように大きな建物みたいに見える。
「・・・家形埴輪じゃないのか?」
谷に設置された家形埴輪を想像していたのだが・・・谷に跨るように設置されている塔? いや、まだ明確に姿が見えているわけではないのだから、決めるのは早計というモノ・・・。
ウインドウを凝視していると、塔?と思われる施設の天辺が開く様子を見る。
そうして、開いた中から巨大な・・・何と言えばいいのか? 形からして・・・そう。四角い柱のような物体が姿を現した。
直後、物体がさらに変形を始めたようで、根本が稼働して物体の先端をこちらに向けつつ、物体が変形を完了させていくようだ。
と、エネルギーの放出現象が発生して、物体の一部が発光し始める。
アレは、まさかレールガン系の巨大砲塔!?
「緊急回避ジェットだ!」
〈フルスロットル!!〉
爆発するように空へと飛び上がったアライラ。
その直下を閃光が通過して、遅れるようにして紙を破り捨てるような破砕音が鼓膜に刺さってくる。
だが、このままではマズい。
あの砲塔がレールガン系の攻撃であるとするなら、威力はもちろんだが、弾速もまた超高速のはず。悠長に飛んでいては回避などできないだろう。
飛行形態になって、奴の元まで一気に接近するのが望ましい。
「―――――――――」
まずい。自分が何を言っているのかまるで分からない。ちゃんと指示は出せただろうか?
〈オッケーッ! ファイターモード! 私の神回避を見せてやんよ!〉
え? 神回避? 俺、回避しろって言ってしまったんだろうか? あの砲塔の元まで一気に飛んでくれ。と言えなかったのだろうか?
と、マリーさんが俺を脇に抱え始めた。
「ーーーーーーーーー」
え? なんですか? なんて言っているんですか?
直後、アライラのとんでもない回避速度で首がへし折れた・・・ような痛みが首に掛かって意識が飛びかけた。
ちょ、ちょっと待て・・・ちょっとまって!
なに? なんなのこの回避機動は!?
手裏剣機動・ビーム刃の比ではない移動速度と、俺の身体に掛かる遠心力はまさに荷重力で圧し潰されているようだ。
上下左右に全身が振り回されている。
お、おそらく、超高速の砲弾を回避するために瞬間加速がとんでもない事になっているのだと推測するんだけど・・・そんなの考えても俺のパワーでは抵抗できない荷重だ。
ほ、これでまだ骨が折れていないのが不思議過ぎて、考えるのを止めたくなった。
っと、マリーさんが俺の頭を抑えてくれた。
「ちょっと、大丈夫?」
「・・・ダメかも分かりません」
どうやら、不意に俺を見たら頭と手足がアライラの回避機動に合わせてブランブランと振り回されているのを見て驚いたようだ。
〈くらえーッ! その砲塔にドリリング・ドライバーッ!〉
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
〈るっちゃーん!! ドリル、プリーズ!!!〉
「あ、ごめん。忘れてた」
見れば、目の前には巨大な摩天楼を思わせる超高層ビルのような円筒形状をした埴輪がある。その天辺から露出している砲塔の口は目と鼻の先だ。
そうして、事実上の体当たりで砲塔に激突したアライラである。
ハニョルトン隕鉄が超合金とかで無かったことが幸いしたな・・・。その砲塔はアライラの神風アタックでアッサリと砕けて崩壊し、こちらは反動で落ちていく。
こうして、俺たちは谷に到達したのである。
〈どうじでごうなるの・・・〉
「うん。ホント、ごめん」
顔で着地したアライラは、そうして背中から地面へと倒れ込んだ。
▽
〈かんてーい〉
『HNW-SS1O34G8Q(エイチエヌダブル-エスエスワンオースリーフォージーエイトキュー)。異世界ラナトコノにて建造された埴輪タイプの前線基地施設。豊富な地下資源を採集するべく建造された施設であるが、ハニョルトン隕鉄を建材として採用したことで、摩天楼のような超高層ビルも短期間で建造できるようになり、惑星侵攻時には大気圏外から杭のように地上へと打ち込むことができるため、現地で建築する必要がなくなった。とある惑星への侵攻に際し、ハニョルトン隕石による奇襲が失敗した際の第二侵攻作戦として、建築済みの物を百本ほど打ち込んだ。しかし、惑星を守る兵器群と三大亀動要塞によって8割を損失する。も、地上へ到達した施設が続々と稼働したことで侵攻作戦は劇的に進むこととなった』
大きな谷が間近に確認できる場所で、俺たちは聳え立つ摩天楼みたいな埴輪を鑑定する。
ハニョルトン隕鉄の鑑定結果にあった侵攻作戦の第二案として用意された戦術兵器が、今、俺たちの目の前に存在する超高層ビルみたいに長大な埴輪なのだと理解した。
こうして、谷の中央に突き刺さっているかのような埴輪は、谷底までずーっと延びている。谷のこちら側とあちら側を繋ぐ橋が渡されていることで、上からでは確認し辛かった。
相当に長大な埴輪だ。
しかし、その形状には見覚えがある。
「これは、円筒埴輪によく似ているようだ」
〈円筒埴輪?〉
古墳より出土する埴輪たちには、数多くの種類が確認されている・・・えーっと、とにかく数多くの種類が確認されている!
埴輪には、『円筒埴輪』と『形象埴輪』に分類されている・・・と教科書かなんかに書いてあった気がする。
「円筒埴輪の共通した形状は、土管みたいなまさに円筒の形状をしていることだ」
〈おー。つまり、このでっかい埴輪は円筒埴輪なんだねー〉
・・・興味ないみたいだな。
それにしても、ハニョルトン隕鉄を用いて星の外から降下させる戦術に用いられたというのが信じられない。
アライラの体当たりで砲塔が粉砕してしまうほど脆いのに・・・だ。
いや、アレは飛行形態で加速していた状態だったことと、アライラのサイズが怪獣レベルだったことで一種の質量兵器みたいな破壊力になっていたからかもしれないけれど・・・。
だけど、特殊ナノマシンによる硬度調整が可能であったのなら、大気圏突入時はカプセルかエネルギーシールドのようなモノで保護し、地表へと着弾する際に衝撃などを吸収しつつ地中へと突き刺さるように軟性と剛性を緻密に計算して瞬時に調整すれば、できるのかもしれない。
地球を越える圧倒的科学力を得た異世界ならば、きっと今の地球人では「屁理屈もいいところ」で鼻で笑い飛ばすような理論が成立していてもおかしくはない。
というか、あんな埴輪兵器が存在する時点で現代地球の科学なら『屁理屈の塊』って評価されるだろうけど・・・。
〈で? どうすんの?〉
どうするの?と聞かれたが、何に対してのどうするの?であるのかが分からない。
この円筒埴輪と戦闘を継続するのか? もしくは無視して谷の底へ降りるのか? 正直、今ここで呑気に話し合いが出来ている事が不思議で仕方ない。
普通、迎撃の埴輪兵が円筒埴輪の中からワラワラと飛び出して来てもいいはずなのだが・・・。
「なんだか様子がおかしいんだよな」
〈あ、ルッタもそう思う?〉
そうか、アライラも違和感を覚えていたか。
「うん。埴輪騎馬兵を一体倒した時は、あんなにも大量に増援を寄越して来たというのに、この円筒埴輪近辺まで侵入した俺たちを迎撃しないのは、明らかに変だ」
なんだか嫌な予感がする。
おそらくだが、本来なら谷に掛かっている橋を見る限り、円筒埴輪の外壁がどこかしらで開いて埴輪騎馬兵を出撃させているはずだ。
そうでないと、さっきの増援がなんだったのか分からなくなる。
「アライラ。谷底にて、なにかが発生している可能性はないだろうか?」
〈なにかって、なんなん?〉
・・・。
・・・。
「うん。そのなんなんが分からないから、ちょっと邪眼で調べてみて欲しんだよ」
〈あ、私がやんのか! しゃーなしやねーぇ〉
自分がやるという選択肢を除外しているのはどうかと思うんだ。なんかつい先日も同じ事を思ったけれども。
俺がやれるのであれば、そうしているが・・・魔力の操作を地獄変越しに行っている俺では、難しいことだ。地獄変の技にそういうのがあればいいが・・・。
そうであれば、イメージだけで邪眼が可能な限りイメージを再現してくれる邪眼にお願いするほうが早い上に確実だ。
〈むぅん・・・邪眼センサー! 最大範囲索敵!!〉
ピコーン。などという音が周囲に広がって、あらゆる探査能力が発動される。
これによって、蟻の子一匹も見逃さない精査が可能になる・・・のだと思う。アライラが何をイメージしてセンサーと言っているのかは不明なので。
〈・・・こりゃやべぇや〉
「え? 何が分かったんだ?」
アライラがゆっくりとだが後退を始めた。
〈この谷の中に見える靄っぽいの。音とか光りとかを遮断するモノっぽいんだけど、谷の中、あっち、えーっと〉
アライラが前足で示す方角は、ここより北東の方角みたいだが・・・。
〈あっちからなんかやたら大きな横回転する台風みたいなのが接近してるっぽい〉
やたら大きな? 横回転している台風? みたいなのが接近中?
「ちょっとよく分からないんですが?」
〈谷底に、さっき私たちが蹴散らした埴輪騎馬兵のうん十倍の数が集結してて、大きな台風に遠距離攻撃を隙間なく叩きこんでる感じなんよ!〉
・・・それって、このエリアを縄張りにしている埴輪勢力の全兵力を結集しているって感じなのか?
〈だけど、台風みたいな奴は余裕な感じで直進している感じで・・・あ、谷底に潜った?〉
ん? つまりはどういう・・・。
その時だった。
縦揺れの激しい地震が発生すると、普通なら「ごごごごご」って感じの音となるはずなのに、ここでは「ぎゃぎゃぎゃぎゃ」という・・・そう、アライラが悲鳴を上げている時の音に近い音が鳴り響く。
だから、俺はアライラを見た。
「大丈夫か!?」
〈え? いや、私が鳴らしている音とちゃいますよー?〉
「そうなの?」
じゃあ、この「ぎゃぎゃぎゃぎゃ」という音は―――。
「キュアアアアアアアアアアアアアアアアンンンンンンンンンンンンンンン」
ほんの僅かな瞬きの間に、ついさっきまでそこにあった円筒埴輪には亀裂が走っていた。
俺がそれを知覚した時には、谷底の方から埴輪が爆散するように砕けていく。と、その中から渦を巻くように、粉砕した埴輪の残骸を吸引しながら飛び出してくる・・・。
巨大なドリルが現れた。
俺が縛鎖閻魔錠を巻いて作る円錐形の刃を模した『巻蛇槍貫撃』と同様に、円錐形を思わせる形状をしているドリルのモンスター。
しかし、これを遠くから見た場合だと、ソフトアイスクリームのような渦巻をしており、これが回転することでドリルのように見えている。
また、描く渦の線がゲーミングPCと呼ばれるパソコンのように色鮮やかに発光しており、その形を明確に視覚で理解できるのは優しいデザインだと思った。
だけれども、全体的な姿だけを言えば、ラグビーボールを彷彿とさせる。その身体が回転しているからなのか? それともそういう体形のモンスターなのか?
現段階では判断できない。
一つだけ、確かなことを言うならば・・・。
「破壊した埴輪を捕食している?っでいいのかな?」
〈吸引力の変わらないただ一つのモンスター・・・だったり?〉
ドリルのように回転して、巨大な円筒埴輪を粉砕している事は見て分かる。だが、破壊の規模と飛び散る埴輪の残骸量が合っていない。
内部から埴輪を粉砕して飛び出して来たにしては、あまりにも飛び散っている残骸が少なかった。
先に、アライラが体当たりして砕いた砲塔の残骸よりも少ないと感じるほどだ。
「アライラ。逃げるぞ!」
〈がってんだい!〉
「飛行形態で逃げるけれど、高度は上げないように注意! 低空にてアレに気づかれないようにするんだ!」
〈ひゃー!〉
飛行形態となって、俺の指示通りに空高くへと飛び上がらず、低空で逃げてくれるアライラ。
しかし、かのドリルモンスターはある一定の高度まで飛び上がると、魚のようなしなやかさで反転する。と、その回転するドリルの穂先を探るように動かして・・・。
〈・・・なんか、こっち見てない?〉
「ああ、なんかこっちを見ているね・・・」
俺と彼女の意見が合致する時、モンスターは静かにこちらを追いかけて来た。
〈なんでこうなるんだよぉお!!??〉
「知るか! まずはアイツの鑑定をおねがいします!!」
〈鑑定!!!!!!!〉
『キュアーン。異世界キリタカクカに生息する星害寄生生物。宇宙を巡る星々を泳いで渡り、豊潤な鉱物資源を内包する星に寄生して食らい続ける。一度、寄生すると金属物質を食べつくすまで居座り続けるため、発見し次第、早急に駆除をする必要がある。ただし、瀕死になると仲間を呼ぶ特殊な信号を発信するため、ある程度まで弱らせたら一撃必殺で仕留めなければならない。仲間は数億という数でやってくるため、仲間を呼ばれた場合は星を捨てるしかない。金属を主食としているためか? その体内にて人類の技術では加工不可能な特殊金属が生成されている。惑星食害光虫と分類されているらしい』
「キリタカクカァアーッ!!!」
〈あんなのまで居るのぉお!!??〉
一体全体、なんだというんだ異世界キリタカクカは!?
なんで出てくるモンスターがどれもこれも寄生虫・・・いや、アレは寄生生物だけど、分類上は虫となっているだけ・・・いや、どちらにせよ寄生関係のモンスターばかりなのはどういうわけだ!
しかも、星そのものに寄生する巨大生物で、駆除するにも細心の注意を払わないと仲間を呼ばれてしまうなんて、大抵の人類は処理できないだろ!?
初見殺しのスケールが惑星規模とか、勘弁願いたいよッ!!
〈あ、アイツ! 結構速いよ!?〉
「邪眼ジェットを二連から四連に増やすんだ! それと、急速上昇! 高度を上げてくれ!!」
〈りょうかーいッ!!〉
もう一つだけ、最悪なことに気が付いてしまった。
奴がこちらを見て、追いかけてくる際の殺気・・・その圧は、以前に遭遇したバンダーガーに同等の威圧感を受けた。
そして、この巨体はアライラの数倍に相当する。
それが魚のように中空を泳いで飛んで来るのだから、アライラの邪眼ジェットはで逃げ切れない可能性がある。
八連邪眼ジェットなら可能かもしれないが、こちらをどういう理由で追いかけてくるのかが分からないので、引き離しても追いかけてくる可能性は十分だ。
〈るっちゃん? どのくらい上昇すればいい?〉
「航空モンスターの出現高度までだ」
〈え? そうすると、バンダーガーとか出てきたりしない?〉
「それが狙いだ! アイツとて、航空機動母艦の異名を持つ巨大マンモスと戦う気など無いだろうし、仮に無視して追いかけてくるのならバンダーガーに押し付けてしまえばいい」
〈おっほー! それは妙案だ! よーし、いっちょやってみっか!!〉
などと言ってみたが、キュアーンが狙い通りにバンダーガーへ移ってくれるかは分からない。ただ、モンスターである以上は縄張りに侵入してきたヤツを見逃すことは無いはず・・・。
あとはもう、出たとこ勝負になる。
四連邪眼ジェットによる加速は、二連に比べても圧倒的に速かった。
後方から追いかけてくるキュアーンの速度も相当なものだが、追い付かれてはいない。
どうやら、想像よりも速度は出ないようだ。
〈もうすぐかな?〉
「ああ、そろそろ出てくるはずだ」
地表がミニチュアみたいに見えてきた頃合いで、高高度で真っ先に見るのはアンカーラだ。
その姿がいつも通りにお出迎えしてくれたことで、なんだかホッとしてしまう。
そして、アンカーラが人間だったなら肩に手を回して「いいところに来てくれたね! あんたのボスにちょっと用があるんだよね」ってお願いしたいところだ。
こちらを見つけて、迎撃のために加速するアンカーラ。
しかし、俺たちの後方から接近するキュアーンの存在に気づいて、眼が飛び出すのでは?と思えるような顔によるリアクションを見せてくれる。
と、翼を可能な限り開いて減速しつつ、必死にUターンして逃げていく。
同時に、背中に毛を束ねたようなアンテナが立った。おそらく、アレがバンダーガーを呼ぶための通信系能力となっているんだろう。
まぁ、どうせなのでアンカーラにキュアーンの接待を変わって欲しかったけれど、とりあえずはバンダーガーの到着を期待するしかない。
・・・いや。
前も、あのアンテナが見えてさほど時間を置かずに攻撃が飛んできたな。
「アライラ! 飛行形態を解除して、八連邪眼バリア・改を展開して!」
〈オッケーッ! モード解除!からのーッ! 八連邪眼バリア・ミルフィーユ・改!!〉
・・・え? また初耳の技?
八つの目から展開されるバリアが、八つをミルフィーユケーキのように重ねていくわけだが・・・そのバリアとバリアの隙間に何かが挟み込まれている。
同時に、俺は鼻血が出た。
「アライラ・・・バリアとバリアの間に何を混ぜたの?」
〈バリア?〉
え? え? つまりはどういうこと? 八連邪眼バリア・改をミルフィーユ状に重ねるために、さらにバリアを追加で展開したってこと?
16枚のバリアが重なっているということになるのか?
いや、でも・・・邪眼一つで一枚しか張れないのではないかな?
「八つのバリアを重ねるために、ルッタの魔力を接着剤代わりに張ってあるようね」
・・・あ、そういう。
「上手いやり方だわ。前の八連バリアはバリアを重ねているだけだったけれど、魔力を間に挟んでおくことで――――」
マリーさんのアライラとんでも技解説コーナーが始まったかと思ったが、その声をかき消すような轟音と共に、光の激流が押し寄せて来た。
ここで、バリアに業火を重ねることを忘れていた事に気づいたが、もう遅い。
前回はギリギリで持ち堪えたが、今回はダメだと思った。のだけど、バリアは砕けても即座に消えることは無く。
バンダーガーから放たれた光の激流から放射されている熱を吸収して融解して消えるまで残り続けた。
そうして、八つあったバリアが四つほどまで減りはしたものの、耐え切ったのである。
〈甘いな。このスペシャル・バリア・ミルフィーユを貫通させたいなら、最強の拒絶タイプでも連れて来なッ!〉
・・・あー。そのイメージで、ここまでバリアが強化されるのか。
まぁ、直撃だったなら耐えられなかっただろうけど、前と同じで飛行形態を解除していたことで降下を始めていたことと、バンダーガーが遠く離れた位置に居たからこそ、射線がズレて直撃を回避できたわけなのを忘れてはならない。
しかし、俺の狙いはある意味で成功した。
俺たちを後方から追ってきていたキュアーンは、その巨体ゆえにバンダーガーの放つ激流を直接浴びたのである。
融けていくバリアにハラハラしつつ、後方を見れば・・・。
バンダーガーの放つ光の激流を、キュアーンは自身の回転で巻き取りながら周囲に拡散させることで防いでいた。
回転している物に水を掛けると、周囲に水飛沫をまき散らす様子を思い出す。
つまり、ビーム系の飛沫が完全なランダム軌道で襲い掛かってきた。
「アライラ! 回避頼む!!」
〈ええい! ルッタは無理難題をおっしゃる!!〉
再びマリーさんが俺を抱えると、直後にとんでもない回避機動の加速が掛かった。
今度は頭をあらかじめ抑えてくれていたので、首がゴキッと曲がらずに済むが・・・本当になんという殺人的な加速だろうか。
迫るビーム系の飛沫を眼でしっかりと確認して、それから回避行動に移っていることに気づいた。そのため、回避するためには後手になっているからこその加速量だと理解する。
殴り合いなどでたまにある「右に避けるか? いや、左に避ける方がカウンターしやすいか」と考える時間があって、右に避けていたのに左に避け直してカウンターを決める強キャラみたいな事をしているのだと想像した。
それだけの瞬発力が無いと、こんなビームの飛沫を回避し続けることは不可能だろう。
・・・俺にはできないことなので、正直、こういう時の彼女はカッコいいの一言だ。
「ギュアアアアアアアアアアンンンンンンンンンンンンン」
ビームの飛沫を回避し切ったところで、明らかに不機嫌であると分かる鳴き声が響く。
それから、俺たちを追うことを止めたキュアーンが、遥か遠い場所よりこちらに接近しているバンダーガーの方へドリルの先端を向けている。
と、ドリルの回転数が増すのと同時に音速を掘削するような破砕音を轟かせながらとんでもない速度でバンダーガーへと飛んで行った。
〈・・・あんな速度で追いかけられてたら、逃げられなかったねー〉
「ホントにな」
とりあえず、俺の狙いは上手く行ったようだ。
この隙に集落まで逃げようそうしよう。
バンダーガーがバスケットボールぐらいのサイズに見える距離で、キュアーンはピンポン玉ぐらいのサイズまで遠く離れていくと・・・とんでもない激戦が始まった。
その全身から弾幕が形成されるバンダーガー。パーシンガーという共生タイプの寄生虫が機銃と大砲を必死にはなっているのだろう分厚い弾幕が光っている。
そして、豆粒のようなサイズだが航空モンスターのアンカーラ系が出撃して迎撃しているようだ。
一方で、キュアーンはバンダーガーへと体当たりを繰り返しているものの、その身体を貫通させようとドリルの先端を突撃しているが、体毛が軌道を逸らすことで受け流されているようだ。
しかし、ドリルの回転数が高いからなのか? バンダーガーから血飛沫のような液体が飛び散っている。
「ギュァアアンンンンン」
「ヴぁぁぁぁあああああ」
・・・なにか、会話でもしているのだろうか?
直後、キュアーンは回転を止めると、その本来の姿を晒した。
ドリルだと思っていたが、ソフトアイスクリームのような渦巻きの正体は、無数の触手だった。本体に長大な触手を巻きつけて、ドリルのように回転していたのだと分かる。
そして、それらの触手を解いた姿は・・・クラゲそのものだった。
そこから、キュアーンはバンダーガーへと触手を巻きつけて自らを接触させる。さながら、捕食しているような光景だ。
と、キュアーンの本体がグニャリと歪み始めて、大口を開くようにバンダーガーを覆い始める。
「ヴぁぁぁ・・・・」
バンダーガーは抵抗する様子がない・・・?
「ヴぁ・・・ヴぁぁぁぉぉぉおおおおおおおおおヴぁぁあああああああああああ」
・・・バンダーガーが、どうやら我慢の限界を迎えたように怒声のような咆哮を上げ始めた。
これを合図としたように、象牙が光り出す。
すると、象牙が形状を崩してとんでもない長さの鞭へと姿を変えると、身体に巻き付いたキュアーンへと振るう事で触手を打ち据える。
その一撃で、キュアーンの触手が一気に焼き上げられて炭化すると、ボロっと崩れてしまった。
「ギュアアアアアアアッ」
「ヴぉぉおおおおおおッ」
この鞭による連続打撃にはキュアーンも焦ったようで、すぐさま触手を解いて自身の身体に巻き直すと、逃げるようにバンダーガーから離脱を図る。
対して、逃がさん。と言わんばかりに鞭が細分化していくと、二本の象牙から網目状に編まれた事による光の網が完成し、コレを鞭のように振るう事でキュアーンを捕縛しつつ網目状に焼き切るつもりのようだ。
「ギャアアアアアアンンンンンンンン」
離脱を図るも、一歩遅かったキュアーンはバンダーガーの象牙による網鞭に捕縛され、その身を焼かれてしまう。が、キュアーンもただ焼かれるようなマヌケではない。
ドリル形態の回転速度が跳ね上がると、ゲーミングPCのような輝きが一層増して光を放ち始める。
このドリルと光の網鞭が互いに互いを焼き合う攻撃となったようだ。
灼熱を越えて、どちらもあっという間に白い色の熱へと変色していくと、眼が焼けてしまいそうな輝きを放ち始めて、次の瞬間には象牙が融解して周囲へと飛び散っていく。
また、キュアーンのドリル触手も白色熱の水飛沫となって周囲に飛び散っていく。
それら両者の攻撃から生じた太陽光のような白色熱の水飛沫は、こちらにまで飛んできた。
「緊急離脱! 死ぬ気で逃げろーッ!!」
〈全力全開ジェット!!〉
〇
どうにか、無事に集落へと帰ってくる事に成功した。
巨大怪獣である二体のモンスターは、互いに決着をつける事はできず、両者引き分けという形でそれぞれ撤退していくのを確認した。
姿が見えなくなるまでは警戒を続けていたが、どっちも姿が見えなくなった事で集落への帰路につく。
集落に到着してから真っ先にやったことは、それぞれに寝床へと突撃したことだ。
きっと、今頃は大道人に見守られながら、アライラはお手製のハンモックで寝ている事だろう。
俺はと言えば、眠気に誘われながらもついさっきの出来事を振り返りつつ、マリーさんと会話する。
「疲れているのだし、早々に寝てしまえば?」
そうは言うけど、もう少しだけマリーさんと話をしていたかった。
あれだけ離れた位置にいた二匹の戦いで、こっちまで被害が飛んで来るとは予想もしていなかったこと、アライラの圧倒的加速力と、マリーさんの援護が無ければ熱で身体が蒸発していたかもしれない。
・・・という感じの話をマリーさんにする。
「いや、おまえは大丈夫だけど、アライラーは確実に体の三分の二は蒸発していたでしょうね」
という回答を得た。
俺の方がアライラよりも頑丈なのか? 俺、人間なんだけれど?
「まぁ、今回はいい勉強になったでしょう? アレが、この区画でも最強格に分類されるモンスターの実力よ。とはいえ、ダンジョン化する前は、もっと激しい縄張り争いを繰り広げていたからねぇ」
あんなとんでもない戦闘が、ダンジョン化するまでの陸地で度々発生していたというのか・・・大災害を通り越えて災厄そのものじゃないか。
両者の激突で生じた白色に染まった熱は、直視していたら眼が焼けてしまいそうな輝きを放っていた。実際に、光り輝いて両者を眩しいほど照らしていたのだから間違いはない。
そんな熱量が水飛沫となって周囲に撒き散らされるとなれば、もはや神話レベルと言っても過言じゃないだろ。
地球だったら大陸がまるごと焼野原になっていること間違いない。
・・・あんな怪獣が居ない地球って、とても住みやすい世界だったんだと、転生して知る異世界事情に涙が出てくる。
「ちなみに、最強格はあの二匹だけですか?」
「いや、あと三匹いるわ」
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
あんなレベルのモンスターがあと三匹も居るの!?
「まぁ、がんばりなさい。アレが倒せるようになれば、第二階層も多少の余裕が出るでしょうから」
・・・多少なんですか? 余裕で攻略できるとかではなく? 多少の余裕が出る・・・くらいなんですか!?
・・・あ、なんかもう、ちょっと現実逃避したくなってきた。
そう。
前世で叔母がたまーに使っていた『脳が理解を拒んでいる』という言葉の意味が、今なら理解できる気がする。
それぐらい、なんかもう、何も考えたくないと思っている。
「うん。ゆっくりと休みなさいな」
俺は、その言葉を聞いてすぐに眠ってしまったようだった。
次回は、やっぱり再び『北の谷』に突撃するお話です。
埴輪兵器の新モンスターも登場予定ですが、こいつはとにかくいろいろと問題だらけなので、登場させていいのかも不安になっているところでございます。
でも、思いついてしまったので、出したいなー。ってことで、頑張ります。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。




