16 マリーとウィッチ
こんにちは。こんばんは。
やっぱり物語を書くというのは難しいですね。この話だけでも3度書き直して、一応の完成となりました。
それでも、これで大丈夫かな?という不安は拭えません。
どうか、最後までお楽しみいただければ、幸いです。
「はぁ・・・どこにやったんだっけ?」
そんなため息を吐いてしまうほど、私は忙しい。
しかし、これは久しぶりに感じる良い意味での忙しいだ。モンスターに囲まれたり追い掛け回されたりする忙しさではない。
そう、充実感のある忙しさ。
地球にて生活していた頃にも感じたもので、今にして思えば懐かしい感覚だと思う。
ルッタとアライラー。あの子らが私の前に現れたことが、この懐かしい感覚を思い出すきっかけとなったことは間違いないだろう。
ダーゼルガーンには、パーラハラーンという女がいた。
当時の私にとって、それはあまりにも悲劇な現実だった。そう、悲劇のヒロインとは自分のことなのだと確信してしまうくらいには・・・。
あ、思い出すだけで吐き気がする・・・当時の自分に。
しかし、あの頃は深い傷を心に負い、当時の神世界では注目の的だった地球にアバターを造り、精神的に弱っていた部分を切り離して人間として人生を謳歌した。
傷心旅行という奴ね。
人間という不便な生物としての生活は、傷心した私を一念発起させる活力剤にしようと思っていたのだけれど、意外なほど人間生活にのめり込んでしまったようだ。
・・・我が子らは可愛かった。特に幼い頃は。
だからこそ!! 事ここに来て、新たに加わる我が子へと! あ、血の繋がりとかじゃなくて精神的な話での我が子ね? そんな我が子へと、最高のプレゼントを渡したい!
絶対に似合うから! アレは、絶対にあの子なら似合うから! ウィッチの奴が、私に仕事で使う鞄として持ってきた魔改造魔法術具。いわゆるマジックバッグ。
「どこにやった!? ここに来た当初の私!! 怒り任せにどこの部屋に投げ込んだ!?」
記憶にない。記録にもない。
あの当初、本当に怒り心頭で「魔女めがああ!」って叫びながら、屋敷のどこかに投げ込んだ。
もうちょっと、冷静に投げ込むべきだったわね。
「マリー」
くそ・・・なるべく夜明け前には村に戻りたい。
今は、まだ日も沈んで間もない時分。大丈夫。時間はまだまだたくさんある。落ち着け私。冷静になって考えろ。
だいたい、この屋敷も広過ぎるでしょうが!
私が活動するための拠点として用意してくれたのは嬉しいが、一人で使うには大き過ぎるのよ!
貴族の屋敷といえど、もっと小さくていいわ。日本人だったころを思えば、家などはもっと小さくていいの! ここには私しかいないんだからさ!
はぁ・・・だからこそ、どの階層にも用意されている都の屋敷よりも、地方にある村の方が住みやすいんだけどね。見回りの拠点としても便利だし。
「あ、ダーゼルガーンの――」
「しねぇえ!! くそやるぅおおッ!!」
勢い余って発音がおかしくなってしまったが、ダーゼルガーンが現れたのならば真っ先に仕留めなければならない。これは私の義務だ。
そう思い、渾身の力を込めて振り向きざまに一撃を放ったわけだけれど・・・ウィッチは意に介した様子もなく、平然と受け止めた。
その手は、まるで「はぁーい」と挨拶でもするかのように、軽やかに私の一撃を包んでいる。
「はい。元気があって、とっても愉快だね」
「・・・ごめんあそばせ」
頬が引き攣ってしまう。
「ダーゼルガーンが私の後ろに現れたのかと思ったわ」
「いくらなんでも、彼がここに来ることはないよ。声をかけても反応がないから、また彼の事を考えているのかな?って思っただけさ」
「そ、そう・・・」
ちょっと反省しよう。過剰反応してしまっているようだし・・・。
「それにしても、どうして都のお屋敷にいるの? 村に行ったら、死んだように寝ているルッタ君と、死んだようにひっくり返って寝ているアライラーちゃんしかいないから驚いたよ」
「いや待て、虫がひっくり返って寝ているって・・・それ、死んでいるってことじゃないの?」
「それがね・・・あの子は普通に寝ていたよ」
どういう寝方しているのよ・・・アライラー。
「で? 君はどうしてこっちに居るんだい?」
そう。私は現在、村を離れて春の都へと来ている。
ここは、私が管理人として活動するために、ウィッチが用意した拠点だ。都にある貴族街の奥にひっそりと追加された私専用の屋敷となる。
しかし、年中無休で見回りをしているせいで、この屋敷を使ったことはほとんどない。
だいたいは野宿。そして地方の町、村、集落を使うからだ。
せいぜい、私物を置いておくぐらいね。倉庫代わりと同じだし、私がウィッチに要求した地球産の道具類は大多数がここに置いてある。
私が欲しい物を発注すると、一週間程度で持ってくるから言葉も出ない。
本人曰く、分身を地球に送ってあるそうで、買い物をしたら転送しているのだという。悪の神々が異世界から異世界へ物を運び込む裏ルートでも知っているのかしら?
「おーい? 今度は何を考えているのかな?」
「マジックバッグよ。私がここで管理人の仕事を始めた頃に、おまえが嬉々として持ってきたアレよ」
しばしの沈黙が私たちの間に流れるが、ウィッチが口を少し開けて手を叩いて合わせた。
「あ! せっかく私が気合を入れて改造した傑作を、拒否した上に別の物を要求してきたアレね?」
声のトーンが若干落ちた・・・。
今、私が使っている登山用具一式は、その時に要求した物だ。バッグだけ貰ってもと思った事もあるし、そもそもが私の年齢的に見合わないバッグを持ってきたのだから、別の物を要求するのは当然でしょうに。
「でも、なんで急に? 私の悪口を口汚く喚き散らしながら、どこかに投げ込んでいたじゃないの」
「そ、そこまで口汚い事を言った・・・かな?」
「・・・うんうん」
え? 私そこまで口汚い悪口を喚き散らしていたっけ? ちょっと、えっと・・・ヤバいかも?
「で? なんで今更探しているのかな?」
「あ、えーっと・・・ルッタよ。ルッタに渡そうと思って探しているの」
ウィッチが硬直する。
これはおそらく、アレを背負ったルッタを想像したに違いない。
「あー。そっか、そういうことね? うんうん。確かに今のルッタ君であれば、アレはピッタリのアイテムだ。間違いなく似合うだろうねぇ」
「でしょう!? 想像するだけでカメラを構えたくなるわ!」
「君も好きだねー」
ふふ。写真は趣味の一つだもの、当然よ。・・・まぁ、被写体についてはノーコメントだけど。
私が少しだけ顔を逸らした時、ウィッチは右手を自身の顔辺りに持ち上げて、指を鳴らした。と、私の眼前に大きな紙袋が出現し、反射的に受け止める。
中を覗いて確認すれば、あの日にどこかへ投げ込んで行方不明となっていた探し物が入っていた。
ご丁寧に、改造した後に商品箱に戻して、紙袋に詰め直したものだ。
「はい。これでいいかな?」
しれっとやってのける奴・・・。
私だって魔法術でマーキングしておけば、指を鳴らすだけで召喚できたわ・・・していなかったから、探す羽目になったわけで。
「さて、探し物は見つかったわけだし、ゆっくりと話ができるかな?」
「・・・なら台所へ移動しましょう」
静かな屋敷を、大人二人が歩く。
屋敷のデザインは、中世ヨーロッパでは多く見られる建築方式だけれど、中身は魔法術による再現品に過ぎず、廊下に点在する燭台は全部LEDだったりする。
トイレの便器も、中世風であるものの・・・温水洗浄便座を完備している。よくもここまで再現したものね。ちょっとこだわり過ぎじゃない?
そんな事を考えつつ、台所に到着する。
入口に掛かっている『厨房』のプレートを見て、そういえばこういうお屋敷の場合だと『台所』とは言わないんだったか?と、考えてしまった。そういうのあまり勉強しなかったからなぁ。
ま、いいわ。
この厨房横に、賄い部屋というスタッフルームがある。
ここにはテーブルなどが設置されていて、従業員が休憩する場所として使われるわけだけど、厨房が近いので実は便利なのよね。食堂まで移動するのは面倒くさいもの。
「ここで話をするの?」
「そうよ。食堂よりはいいでしょう? 隣はだいどこ・・・厨房だから、湯を沸かすなら近くて便利だもの」
「ははぁ・・・ドリンクメニューは?」
「緑茶とコーヒー」
「茶菓子は?」
「無いわ」
茶葉は置きっぱなしだけど、菓子は私の魔法術具でもある登山リュックに入れて携帯している。なにせ、非常食になりえる物を置いていくなどありえないわ。
移動中に歩きながら食べられるものなら、なおのこと。
「なら、御煎餅とクッキー。どっちがいい?」
「どっちも出しなさいよ」
初めから手に持っていたかのように、右手で煎餅缶を持ち、左手でクッキー缶を持ち上げて見せてくる。
どこに隠していたのか知らないが、あるのならば二つ出せばいいでしょうに。
「それじゃ、私は緑茶でお願いね」
「緑茶ね。少し待ってなさい」
厨房で湯を沸かし、緑茶を淹れる。パック緑茶ではない。しっかりと急須に入れて湯に馴染ませる。それから湯呑に注ぐ。
ふむ。自分で淹れるのも久しぶりだけど、案外できるものね。
コレを隣の部屋にいるウィッチの元まで運んで、置いてやる。一方で、煎餅とクッキーが缶から出されて皿に盛りつけされていた。
平皿に並ぶクッキーと、木目調のボールに煎餅を見てつい手が出てしまいそうになる。
「ほら、一度も開封していない茶葉で淹れたお茶よ」
「ありがとう。私の掛けた保存魔法術は、一兆年・・・保つといいなぁ・・・って思いながらかけてあるから、多分・・・美味しく飲める・・・はず?」
「願掛けじゃないの・・・」
なんていい加減な保存魔法を使っているのか。それ、本当に一兆年も効果が持続したら、神々が泡を吹いて倒れるわ。
「ささ、君も座りなよ。今日は色々とお話をたくさんするとしよう」
「そうね。いい機会だから私も聞きたいことがあるわ」
「いいとも。それじゃあ、話を始めようか」
〇
じゃあ、話を始めようか。っと言って、お茶と煎餅を頬張りながら談笑が始まることなどない。まずは前回の続きとも言えるルッタとアライラーに関する報告から。
二人の戦闘データを記載した報告書。その束をウィッチに渡すことから始まる。
・・・地球でも結婚前は社会人していたけど、上司に報告書を渡すときは緊張するのよね。まぁ? あっちの上司はクソだったから、病院に送ってやったわけだけど。
「ふーん。・・・なるほどね」
受け取った束をパラパラ漫画でも見ているの?って問いたくなるような速度で目を通していく。いや。ローブで顔が隠れているから、目を通しているのかも怪しいけれど・・・。
「ま、先の報告書と大差ない内容だね」
「そうね」
そうですとも。実際に戦闘データを収集して得た結論は、得る前に出していたモノとほぼ同じ。二人は兵器としては欠陥品。
付け加えるならば、セットで運用しましょう。という断定だ。前回はセットで運用したほうが良いかもしれません。と曖昧にしておいた。
戦闘能力が高いアライラーと、魔力供給に特化しているルッタ。狙って用意したとしか思えない極端な二人なのよね。
これが偶然の産物なのが、ダーゼルガーンが天才とバカは紙一重に拍車をかけているわけ。
「報告書にも書いてある通り、アライラーは判断力が鈍くなることが多々あるわ。特に、戦闘が思う様に進まなくなると、苛立ってしまう。先日、ヨーロロンとの戦闘時に癇癪を起してフルボッコにされていたわ」
「ふーん。遊んでいるテレビゲームで、急に苛立って怒鳴り散らした後にコントローラーを投げ捨てる子供みたいな感じだね」
・・・それだわ。
「ほかに、問題点となる部分はあったかい?」
他の問題点・・・ね。
「あとは・・・やはりポインダーの強みを生かせていないところね。万能邪眼とかいう八つの眼に頼らざる負えないのが、最大の問題と言えるわ」
転生ではなく、憑依させた上にポインダーの魂を上書きしてしまっているから、本能的に使うことができる能力が欠如しているのが大問題。
・・・あれ? もしかしなくても八本足で歩くことも困難だったのではないかしら? 人間は基本的に二足歩行をする生物だから、二足歩行は教えなくても勝手にできるようになる。
それは、生まれた時から情報が存在しており、成長過程で自身に最適化が行われるからだ。
同様に、虫もまた生まれた時から歩き方を知っている。基本情報だからこそだ。しかし、アライラーは人間の魂で蜘蛛の魂を上書きしているのだから・・・。
「君の方で、アライラーにポインダーの強みを教える事はできるかな?」
ドキッとした。
「・・・そんな無茶な」
思わず、そう答えてしまった。
「だね。いかに君とて、そこまでは無理だよね」
「・・・無茶と言っただけよ? 無理などと言っていないわ」
なんかムッと来たから、誤解のないように訂正するつもりで言ったのだけど・・・売り言葉に買い言葉的な感じになっていると、ちょっと冷静になって気づいた。
「じゃ、できるの?」
「・・・え、ええ。見回りでポインダーとは戦闘になることもあるし、生態調査も、解体して研究もしたことがあるから、教えられることは少なからずある・・・はず」
「なら、それでよろしく」
・・・ち。言ってしまったものは仕方ないか。
「だけど、それであの子が強くなるかどうかは、不明。予測できない事よ?」
「うん。それでいいよ。あの子をよろしく」
・・・この時の声は、子供を心配する親のような印象を受けた。
そうか、アライラーが5年もの間を単独で生き抜くのは難しいと思っていたが、ウィッチが陰ながら補助していたと考えれば納得できる。
ウィッチの事だから陰に隠れて姿を見せず、命の危機に瀕したら逃げ道を用意したり巧みに誘導したりしたのだろう。
そもそも、ルッタを引き入れるための道具扱いなのだから、目的を果たす前に死なれても困るわけだしね。最初はそう考えていたとしても、5年も見守っていたとすれば・・・。
さて、考える必要がある。
座学で教えて身に付くものではないけれど、アライラーの性格を鑑みても座学じゃ無理だろう。実戦形式で身体に教え込ませるのが、もっとも有効だろうか?
「では、次にルッタ君のことなんだけど・・・」
考え始めたところで話題転換をしないで欲しいわ。
「報告書にあった二重負荷というのは? 地獄変の使用時に発生する負荷と、魔力供給時に発生する負荷の二つがあると言うのは、本当?」
「ええ、戦闘をモニタリングしていた際に、邪眼のビームを撃つための魔力供給と、地獄変を発動した時点での負荷が別物であると分かったわ。異常な負荷が掛かっているとは思っていたけれど・・・」
何が恐ろしいかと言えば、八つの眼にそれぞれ別々に魔力を供給しているということ。その上に地獄変まで使っているのだから、負荷が常軌を逸しているのも当然だった。
ただ別々だったならまだいい。順番に補給しているのかと思えば、ほぼ同時に全部の魔力供給を行っている。どうなってんのあの子・・・ってなるわ。
ってことをウィッチに伝える。
「・・・改善することはできないのかな?」
「無理よ。あの子自身には、手を加える余地がないわ」
そう、地獄変を直接繋いでいるせいで、ルッタ自身へ、私が手を加えることは難しい。脱着式であればやりようもあったのだけど、外部デバイスを直結させているんだから・・・下手するとルッタが死ぬことになる。
「そっか・・・何か手は無いものかな?」
「報告書には書かなかったけれど、気になる点はまだあるわ」
「それは?」
「あの子、地獄変以外にもエラーデータが複数存在しているのよ。・・・どうも、別の外部デバイスが関与しているみたいでね。ウィッチ、なにか心当たりはある?」
ウィッチは少しだけ顎を引いて、考えてくれているようだ。
「いいや、その辺りになると私でも分からないね。専門外でもあるから、チンプンカンプンだよ」
「そう・・・そうよね」
今後も、粘り強く解析を続けていくしかないか。
「話を戻すけれど、ルッタ君に掛かっている負荷はどうやって耐えているの? 報告書に記載がないから、解析できていないのかな?」
・・・それね。
「・・・ダーゼルガーンの奴を調子づかせることになるかもと思って、書かなかったわ」
「なんで?」
だって、アイツが「俺ってやっぱ・・・天才だった!」と高笑いしそうでムカつくんだもん。
「ルッタはあらゆる面で欠陥だらけで、魔王に勝てるような子ではないのだけれど・・・二つだけ、身体能力で魔王に匹敵している項目があったのよ」
「へぇ・・・それは?」
「・・・生命力と耐久力」
この時、私とウィッチの間に「・・・」という空気が流れた。
「うん、詳しく」
「ルッタは、致死量の失血と内臓が七割以上破裂していても生きている摩訶不思議な子でね」
「その時点で人間を辞めているレベルだね」
「その原因が、生物兵器『魔王』に匹敵する生命力と耐久力だったわけよ」
「・・・え? 説明終わり?」
そう言われても、それだけ言えば分かるでしょう?って言っても終わりにはしてくれないか。
「地獄変は、そもそもが使用者に高負荷を掛けてくる物で、過去の記録にも早死にする奴ばかりで詳細がほぼ残っていない物なのよ」
ネフェルマリーも、過去に調査を試みて地獄世界を訪ねたことはあるが、悪の女神として重ねた罪とやらを裁かれそうになって逃げだした。
「つまり、地獄変の高負荷に耐えられるように極端な調整をされているのが、今のルッタ君であると?」
「そうよ。地獄変ありきの調整とは、つまりそういうことよ」
ルッタ自身が魔王並みに強くなる必要はないと判断したのだろう。地獄変の力を以て、魔王並みに強くなってくれればいい。その過程で死なないように、生命力と耐久力に極振りしたアホみたいな調整が施されているわけだ。
アライラーでも顔が潰れたヨーロロンの唾を受けて、無傷だったのはそういうこと。
「だけど、今の彼は地獄変以外にも魔力供給のおかげで高負荷のダブルパンチを受けている?」
「そう。だから、洞窟迷宮脱出時に死にかけていたのよ。地獄変をフル活用しつつ、アライラーの邪眼によるジェット?を維持し続けた負荷でね」
地獄変だけだったら、まだ余裕もあっただろうけど。
なんだか腹立たしくなってきた。ダーゼルガーンの調子に乗った顔を殴り飛ばしてやりたいわ。って気持ちを抑えるために、お茶を一気に飲み干す。
「だいたいアイツ、なんでこんな地獄変に固執するような調整をしているのよ? いくらなんでも調整している段階で問題点に気づくでしょうに」
「・・・彼にはね。余裕が無いんだよ」
静かな、ウィッチの声が妙に響いた。
「・・・どういうこと?」
「1000年前、地獄世界から頂戴した貴重な『地獄変』を、彼は紛失しているからね」
「・・・はぁ?」
〇
「なら、彼の事情について・・・少し話をしよう」
茶を淹れ直してから、話の続きは始まった。
今度は聞くことに集中するため、私はほぼ無言で・・・煎餅とクッキーを交互に食べて、お茶を飲み、淹れ直してと・・・そんな感じで聞くことにする。
それはそれとして・・・。
この【災厄の壺】の外では、陸地が増えて第六国家まであるという話は、ルッタから一通りを聞いていた。
だから、その辺りの話を省いて本題を始めるウィッチ。
「ダーゼルガーンは、対魔王兵器開発計画を立案して、魔王封印作業の傍らで研究と開発を続けていたんだ」
それはそうでしょう。
世界創造に運営となれば、そもそもが人員を必要とするもの。この世界だって二人の神と眷属天使しかいないから、陸地も増やせずにいたほど人手不足だったし。
どうせ趣味扱いで勝手にやってくれ。となったんだろう。
「ダーゼル・・・名前長くて面倒だから、邪神君て呼ぶね」
「どうぞ」
ちょっと前の私なら「気安く彼を!」とか言ってキレていたけど・・・今の私は気にしない。
「邪神君は、対魔王兵器開発にあたり・・・陰陽道・六神変に目を付けた。六つの内、五つは入手が容易で、魔王に匹敵する超人を作ることができる・・・かもしれない道具だったからだね」
~かもしれない。っていうのが重要ね。ま、ハースニングに匹敵する超人なんて、早々に開発できるはずもないけど。
「そうして、邪神君は地獄変以外を早々に集めて、地獄世界を訪ねたんだ。地獄変を入手するために地獄を統べる十王たちと地道に交渉を繰り返したんだよ。」
アイツにしては、粘り強く頑張ったのね。
「で、念願叶って1000年前に『地獄変』を頂戴することに成功したんだ」
物凄い朗らかな顔をしているアイツが目に浮かぶわ。
「ちょうどその頃、第一国家で魔王封印が行われていたんだけど、邪神君は遠く離れた極東の島国である第六国家で、手に入れたばかりの『地獄変』を試験運用することにしたんだ」
「・・・え? いや、いくらなんでも・・・それは・・・」
「アレだね。発売当日に購入した新作ゲームを、家に持ち帰るまで待ちきれなくて封を開けてしまう子供みたいな感覚」
・・・いや、それはそれで大人にも一定数いるでしょう? 私だって・・・ゲフンゲフン。
「で、試験運用の被験者はとある修行僧だった。彼は、強さを求める人物だったらしく、地獄変を得てより強い敵を求めるようになったらしい。で、第一国家で魔王が復活していると聞いて・・・船で海を渡ったんだ」
行動力が半端ない奴だった!?
「で、ちょうど魔王封印も第一段階が終了して、第二段階に行くぞーッて頃合いで、修行僧と当時の勇者が遭遇し、戦いになったんだって」
「あのバカは何をしていたのよ?」
「さぁ? その辺は教えてくれなかったけれど、地獄変と勇者の戦いは双方死亡による相打ちで終わったんだ」
「・・・相打ち?」
「そう、先に勇者が死亡して、カウンターで修行僧が死んだの」
・・・ルッタに聞いた勇者とだいぶ異なる実力者じゃないの? いや、勇者はパーラハラーンの管轄だとすれば、あっちも何かしらで新しい試みをしていた可能性はある。
それでアイツとの関係が悪化して、余裕がなくなったというのなら、一応の納得もいく。
「そして不運なことに、この戦闘で『地獄変』を紛失したんだそうだよ」
ホント・・・その時何をしていたんだか・・・。
「だから、もう一つ頂戴しに地獄世界に行ったんだけど、叩き出されたんだって」
図々しいの手本みたいな行動をしている・・・だと。
「だけど、それで終われない邪神君は、またも粘り強く交渉を繰り返して、やっと二つ目を手に入れたんだ」
本当になりふり構ってられない状況だったのだろうか? ちょっとその辺りの事情を詳しく聞きたいんだけど・・・また改めるか。
「ただし、二つ目の『地獄変』には使い手を選出するための条件が加えられた」
「・・・条件?」
「そう。地獄世界を統べる十王。彼ら一人ずつが『地獄変』に術を施して、十王全員の条件を満たした者でなければ、地獄変は使用不可能な状態にしたんだ」
適切な処置だわ。適当な奴にアイツが渡したからこそ、同じ轍を踏まないようにしたわけね。さすが地獄世界。陰陽道でもっとも入手困難である所以だわ。
「いやはや、それで邪神君が私のところに転がり込んできて、どんな報酬も支払うから、十王の掛けた条件を解析してくれ!って泣きじゃくりながらねぇ・・・」
「えぇ・・・」
「どうやら、条件に関しては一切を教えてもらえなかったようで、地獄変が使い手を選ぶから、自分の足で探して回れ!って追い出されたんだそうだよ」
「対応が適切過ぎて拍手しかできないわ」
拍手しておこう。素晴らしい対応です。
「で? 解析したの?」
「まさか! 私だって地獄世界を敵に回したくはないよ。だから、邪神君を送り出したんだ」
・・・今、「送り出したんだ」で殺気が出た・・・。ってことは、アイツ。なんかしたな?
それはそれとして、そういう経緯で探し回った結果・・・ルッタの前世である少年を見つけることができたわけか。
十王の出した十の条件を満たしたということよね? むしろルッタが何者なんだ?ってなるわ。
「さて、そういう事情もあって、ルッタ君を見つけることができた・・・邪神君の気持ちは?」
「・・・はぁ、地獄変を二度と紛失しないように、ルッタと直結させて外れないようにしたわけか。同時に、勇者と相打ちにならないように頑丈な身体にした・・・ってことね」
「そうなるね」
だから、あそこまでエラーだらけなのに地獄変ありきの調整をしているわけか。くそ・・・。
「今はまだ使い始めたばかりとはいえ、使いこなせるようになったとしても・・・果たして対魔王兵器として完成するかどうか・・・」
限りなく無理だろう。
やはり、アライラーは必須になる。ウィッチの判断は正しい。ダーゼルガーンは死ね!
「あの子らの改善は、君の裁量に任せるよ」
・・・ん? 私の裁量に任せる?
「ちょっと待って、それはどういう・・・」
前に、二人を保護しろとは言われたけれども・・・。
「当【災厄の壺】オーナーとして、管理人マリーに業務命令。現時刻を以て、ダンジョン管理人の業務を無期限停止とし、今後はルッタ・レノーダ。および、アライラー。両名を対魔王兵器として完成させるため、研究と開発を命じます。これは、最優先業務なので、よろしく」
・・・。
・・・・・・な。
「ま、形式上は兵器だけど、あの子らは人間だ。しっかりと鍛え上げて頂戴ね」
なんという・・・。
「私に、任せてもいいのかしら?」
「任せるよ。私は、外で追加の依頼があるから、しばらくこっちには戻れそうにないんだ」
「・・・追加の依頼?」
「そう。どうやら、邪神君があの子らを転生した事が、悪の神々を刺激しちゃったようでね。地球では死者の魂が行方不明になる事件が起きているらしい」
・・・あいつらか。真性ども。
できる事なら、私がこの手で蹴散らしてやりたいところだけど・・・この場所にいる以上は無理ね。
「近々、パーラハラーンとネフェルマリー。光の女神天使たちを交えた対策会議をすることになっているんだ。そこから外で悪神対応さ」
えぇ・・・あの二人を合わせても大丈夫なの? 水と油どころか、化学反応を起こして炎上するヤバい薬品の組み合わせなのよ?
いや、ダーゼルガーンが居なければ・・・いない?
「その会議・・・ダーゼルガーンは出ないの?」
「でない。というよりも、出られそうにない。が正しい」
「・・・なんで?」
「うん、彼のアバターであるユアヒム・レーンは、現在、アルメルデ前伯爵家で拷問されているから、脱出も不可能なので無理そうなんだ」
「は?」
ウィッチは、「っくっくっく」と笑いながら、教えてくれる。
「コレがまた傑作でさ。ルッタ君、グッジョブ!って褒めたい!」
・・・本人は悔しがっていたけれど?
「邪神君、不測の事態が生じた時は、ルッタ君を護衛騎士にうんぬんと言っていたんだけれどね。ルッタ君に地獄変で叩き飛ばされたことで、あちら側が勘違いをしたんだ」
「勘違い?」
「そう。命惜しさにルッタを捨てて、アルメルデの護衛騎士に飛びついた!ってね」
「・・・あー」
確かに、子供を見捨てて助けを求める大人って時折見るけど、もうそれだけで「なんだこのクズ」って思うものね・・・。
「というのも、ルッタ君は邪神君の加護で魔力が垂れ流しの状態になっているわけだけど。これによって『歩く魔力の源泉』と呼ばれるほどに国では超有名人なんだよ」
・・・そんなことも言っていた気がするけど、興味なかったから聞き流していたわ。
「時に閉山予定の鉱山を復活させ、放棄される畑に豊饒をもたらす。まさに奇跡を招く子供なわけだ」
・・・値千金などかすむほどの恩恵ね。
「それだけの子供を、見捨てたとなれば・・・どうなるかな?」
「私なら首を飛ばす。もちろん、物理的にね」
考えるまでもない事よ。
「怒り狂うところではあるけれど、悪運の強いことに、女王の命令で派遣されているから殺すに殺せないんだ。だから、坑道の崩落時に大怪我を負ったので療養中。ということにして、拷問部屋に監禁されているんだよ」
面会謝絶だわ。間違いなく。
「それにしても、なんで拷問?」
「そこは運の悪いことにね。アルメルデ前伯爵様の奥方は『拷問姫』と、若い頃に名を馳せて国に貢献した女傑なんだそうで・・・結婚して引退していたけれど、この度、職場復帰を果たしたんですって」
・・・因果応報ね。ご愁傷様。スペシャリストをカムバックさせてしまったわけね。
「その人、ルッタ君を実の孫以上に溺愛していたから、誰も止められなくてむしろ困っているようだ」
なかなか見る目のある御仁ね。ぜひ一度、ルッタについて語り合ってみたいものだわ。
「私の分身が、邪神君に面会するのに苦労したよ。何度も門前払いされるから、強引に面会したほどさ」
「へぇ・・・分身とはいえ、おまえでも苦労することがあるのね」
「苦労の連続さ。世の中はままならない。私の望む未来はなかなか得られないもの」
「誰だって、そうでしょう?」
「・・・そうだねぇ」
なんだかんだで、結構、話し込んでしまったわ。
仕事の話ばかりで、特にプライベートなことは無かったけれども・・・ここらで終わりにしたいところね。村に帰ってアライラーの様子を確認してからルッタの寝顔を眺めたいし。
「じゃ、仕事の話はこの辺で終わりにして、外での歴史を大まかに語るとしようか!」
「え!?」
「もちろん、今度はこっちを呑みながらね!」
唐突に、ウィッチは一升瓶をテーブルに置く。
しかし、私の眼に映るそれは、和紙で包装された高級品だと見抜く。さらに、和紙の質を見定めれば、かなりの高級品が使われている。
つまり、これは・・・。
「確か、日本で生活していた経験で、日本酒が好きって言っていたよね?」
「だ、大吟醸! しかも、厳選された国産米と天然水で仕立てた超高級純米酒!?」
アバターが日本で生きていた頃でも、おいそれとは手の出なかった逸品。
決して安月給ではなかったけれど、年に一度・・・自分の誕生日に購入して、一年間を大事に呑んだ。
「まずは、今日までのお仕事お疲れ様! そして、これからもよろしくお願いね!」
「ま、ま、ま、ま、任せなさいよ!」
目が離せない。
こんな最高級純米酒を前に、帰る? ありえないわ! 冗談じゃない!
「酒の肴も、いっぱい用意したから、遠慮せずに話を聞いていってね?」
そう言って、どれもこれも高級品の食品ばかりを並べていく。今日はいったいどうしたと言うんだ? こんなものを用意されたら・・・用意されたら・・・。
「何時間だって付き合うわ!!」
さぁ! 大人の時間は幕を開けたばかりよ!
〇
魔女はマリーを村へと運び、村長の屋敷にてマリーが寝室として使っている部屋に寝かせた。
地球に送っている分身から届いた酒と肴の一式を箱詰めして、マリーの枕元に置いておく。これらを楽しみに、これからの業務に励んでもらいたいからだ。
なにせ、ルッタとアライラーを対魔王兵器として完成させる仕事だ。容易なことではない。
「・・・アライラーちゃんもそうだけど、おそらくはルッタ君の方が、より過酷で険しい道のりとなるはずだ・・・彼は、そういう因果の縁から生まれたのだから」
一人、呟いた。
マリーの寝顔に微笑み、魔女は村長宅を出る。
ルッタも正常に寝息を立てており、ひっくり返っているが、ただ寝ているだけのアライラーも元気そうだ。
しかし、アライラーの隣にいる大道人と、魔女の視線はぶつかった。
「・・・やっぱり、お地蔵さんには私が見えているわけか」
先にここへ来た時も、大道人の視線は魔女を捉えていた。二人には気づくこともできない隠蔽術で身を隠しているというのに・・・だ。
大道人は、錫杖を一鳴らしして、一礼する。
「・・・ふふ」
魔女は、大道人に向き直って、一礼を返した。
あとはただ、静かに村を去る。
門を出て、都へと続く道を歩き・・・呟いた。
「・・・地の深淵・・・か」
-回想-
噴煙が激しい洞窟より、魔女は悠然と歩き出てきた。
その手に、破損した地蔵の頭部を掴んでいる。が、全体の三分の一程度しか残っていない。それでも、地蔵の眼は薄く開いて、魔女を見ていた。
「おや・・・召喚術に干渉して、私の帰還を妨害するとは・・・聞きしに勝る実力をお持ちのようですな。ウィッチ殿」
「私ごときをご存じとは・・・光栄ですね」
地蔵の残っている部位は、右目を中心に額や頬骨付近ぐらいだ。されど、その閉じた目がしっかりと開いて、視線を改めて魔女に向ける。
「有名ですよ。神すらも干渉できぬ謎の存在がいるという話は・・・地獄世界にも伝わっておりまする」
「そうなんだ? 別に名を轟かせるような事をした覚えはないんだけれども?」
「あちらこちらに分身を送り込んでいるというのに、知らぬ存ぜぬは通じませぬよ」
「あらら、見つからないように行動させているはずなんだけれどね?」
一拍の静寂。
静かに、魔女と地蔵の圧が高まっていく。
「して? 私の帰還を妨害してまで・・・何が目的でございますかな?」
「うん。ルッタ君に関して、聞きたいことがあってね」
魔女は、邪神ダーゼルガーンから聞いた話を鵜呑みにはしていなかった。
だから、地獄変によって召喚され、ルッタとは異なる言動を見せる地蔵に話しを聞いてみようと、こうして残骸を確保した。
「ダーゼルガーンに渡した二つ目の地獄変。・・・アレにかけた十の条件とは?」
「・・・それは私にも分かりませぬ。ただの地蔵で、ただの道標ですので」
魔女は、うっすらと浮かべていた笑みを消して、口を引き結び、それから冷たい声音で告げた。
「よく言う・・・地獄世界を統べる十王が一人。閻魔大王様ならば、知らぬ存ぜぬでは通じませぬよ?」
地蔵は、目を見開いた。
「召喚術において、生物ではない物を召喚して使役する場合は、いくつかのパターンがある。中でも、石像の類は数が多いから、割とやりやすい」
「・・・」
「ルッタ君が呼び出した大道人という巨大地蔵は、彼の記憶情報などを魔力でコピーし、地蔵召喚時に組み込む事で動く擬似的な分身体だ。それは、道標人も同じはずだったけれど・・・あなたは術に干渉してルッタ君の記憶情報を頂戴しつつ、道標人を乗っ取った閻魔大王様の分身。でしょう?」
「ふふ・・・御見それしました。ご明察。私は閻魔大王より派遣されてまいりました分身にございます。が、本人ではありませぬゆえ、プライベートはノーコメントでお願い申し上げる」
両者の間で高まりつつあった圧が、そうして薄れる。
「私が聞きたいのは、なぜ? 十王の一人である御方が、分身を送り込んできたのか?だよ」
「・・・邪神めが、この世界の1000年前に『地獄変』を紛失した事件はご存じで?」
「彼に、聞いた分だけは知っているよ」
「・・・奴は、我らが意図したのとは異なる意図で『地獄変』を人間に渡しました。それが、使い手としての適性に欠く人物だったのです」
地蔵は、目を閉じる。
あの当時を思い出すかのように、言葉を紡ぐ。
「我らも緊急で話し合い、渡した地獄変は回収することで同意し、いざ行かんとしたタイミングで、奴が紛失したからもう一本欲しいと言って来もうした」
「はは・・・図々しいね」
「ええ、そのまま叩き出してやりましたが・・・当地獄でも『地獄変』の正統なる新たな使い手が長く現れていないことからも、もう一度だけチャンスを与えてもいいのでは?という話になりまして」
「それで、十の条件?」
「はい。十王、各一人ずつが条件を追加する術を『地獄変』に施し、すべての条件を満たす使い手を探すようにと・・・条件の内容を教えることなく、自身の足でしっかりと探すよう厳重注意をして渡したのでございますな」
「・・・嘘じゃなかったんだ。私に解析を依頼してきたから、何か隠し事しいているのかな?って思ったけれど」
「なんと・・・奴め・・・性懲りもなく解析を試みるとは、まるで反省がない。愚かな」
「あぁ・・・なるほど。そんな愚か者が見つけた新しい使い手のルッタ・レノーダを、ご自身の眼で見定めに来たというわけですか?」
「はい。奴めは小賢しいようですので、またも何らかの手法で使い手を選出した可能性を考慮し、このように地蔵の一体を乗っ取ることとなりもうした」
「なるほどねぇ・・・だけど、せめて技の練度はルッタ君に合わせなよ。あらゆる点でルッタ君よりも遥かに優れているし、彼が使ったことのない技を使い過ぎだね。できる奴ならすぐ見抜けるよ」
「・・・おっと、それは・・・わが身もまだ未熟ということですな。反省。反省」
自嘲気味に笑い声をあげる地蔵へ、魔女は問う。
「・・・それで? ルッタ君は合格ですか?」
「閻魔大王様の分身として答えますと、合格です。とはいえ、他の王たちがどういう判断をするかは、今の私には分かりませぬが・・・」
魔女は、少しだけホッとする。
お礼の言葉を・・・と思った時、地蔵が続けて言葉を発した。
「しかし、彼・・・ルッタ・レノーダ殿ならば、必ず辿り着いてくれることでしょう」
「・・・」
「地の、深淵に・・・ね」
次回は、ルッタとアライラーで都を目指すために頑張るお話を始めていきたいと思います。
それと、いずれは外で行われる悪神対応会議も番外編として出したいと思いますが、知識不足でいろいろと手間取っております。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。




