1-48.ナハ3
宿に戻るとみんなはもう朝食を済ませて、出かける準備をしていた。そう、今日はみんなでナハ観光だ。
「ネネ、早く準備しないとおいて行くぞ。」
急いで朝食をお腹に入れる私の前にはサヤカがいた。
「ふぁい、わふぁってうぃます。」
「何言ってんだ?」
ネネはパンを口に詰め込んだので、水分を全部持っていかれてむせてしまった。
「ほら、水。」
サヤカはグラスを私に渡してくれた。私はその水をぐびーっと飲んだ。
「ああ、すっきりしました。ありがとう。」
ネネはとびっきりの笑顔でサヤカを見上げた。サヤカは彼女の頭に手を置いて、少し気恥ずかしそうに窓のほうを向いた。
「どういたしまして・・・」
ネネは無事に集合時間に間に合うことができた。
「はーい、今日は校外授業ですよー。」
「ここ二十日間ずっと校外に入るけどな。」
「カイ、余計なことを言うと女子にモテませんよー。」
サヤカは、ほんとそれな、と言いたげにしていた。
「俺様は十分モテてるから大丈夫だぜ。」
「はいはい、でははじめにこの島一番の観光名所の首里城に行きますよ。」
首里城まではそこまで遠くはなかった。しかし、近くなるにつれて人が多くなった。
「朝だというのに人が多いですね。」
「そうだな、流石は観光名所。」
ヘイドは楽し気に私の隣を歩いていた。
人がだんだん多くなってきた。ヘイドは急に私を寄せた。
「はぐれないようにしろよ。」
ネネはヘイドに寄り掛かった。心地が良かった。
そうしている間に、首里城の門の一つである守礼門についた。この守礼門は有名でお札にも描かれている。
「えーと、ここは守礼門と言って・・・・」
レイリ先生は丁寧に首里城を案内してくれた。そして、私はずっとヘイドにくっついたままだった。




