表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅立ちの時  作者: 美藤蓮花
89/118

鎌太郎の出世

来場所での初土俵が決まった。

すっかり花も散り、生まれたての葉っぱたちは太陽の日ざしを受けて、キラキラと輝いている。


風の暖かさが変わった。だいぶん足の具合が良くなった鎌ちゃんはまわしを締めて、朝稽古に向かう途中にふと気づく。


もうすぐ江戸に戻る。江戸に戻ったら父上とどこかですれ違うかもしれないな。すれ違った時、父上は私とわかるだろうか。まだ2年経っただけ。いや、もう2年経ったのか。


鳳翔山はこの場所で初めて幕内優勝を果たした。部屋はますます活気がみなぎり、鏡山親方の評判もまた上がっていた。


鎌ちゃんの稽古風景を見ていた親方は来場所、初土俵を踏ませようと決めたのだった。


鎌太郎、来場所、初土俵だから、名前付けないとならんのだが。


名前ですか。


みんな生まれた土地の山の名前を付けてきた。で、鎌太郎の生まれ故郷にはどんな山があるか贔屓客に聞いたところ、鏡山という山のすぐそばに御幸山というのがあるのだそうだ。


その山はどんな人でも登れるくらい頂上が低くてな、子供も年寄りにも親しまれているそうなんだ。鎌太郎、お前も御幸山のように誰からも親しまれるような力士になってもらいたい。


お前は今日から御幸山だ。名前が付いたからには給金もでるぞ。今までみたいに小遣いとは違う。その分、自分の行動にはしっかり責任を持つんだぞ。


それと鳳翔山に付いて勉強するのも今日までとなる。明日からは一人前の力士として精進していくんだぞ。


はい!


鎌ちゃんの顔が急に大人の顔へ変わっていく。鏡山親方の気迫と心が鎌ちゃんを一人前の男に変えていく。


そばで見ていた鳳翔山はその変わっていく鎌ちゃんに少しだが怖さを感じていたのだった。





シコ名も御幸山に決まったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ