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旅立ちの時  作者: 美藤蓮花
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お雪の手紙

大阪に来た鎌ちゃんの元に手紙が届く。

鏡山親方と共に大阪に来た鎌ちゃんは活気あるその街に驚くばかりだった。鏡山親方にも気さくに話しかけてくる見ず知らずの人たち。


鏡山親方のことをよく知らなくても、お相撲さんは知っている。くらいの知識の人々がたくさんいる。


けれどみんな暖かく、世話好きな人が多い街だなぁと鎌ちゃんは思っていた。江戸とは全然違う。


着いたぞ!ここだ。鎌太郎。足が良くなっていたら今場所から土俵に上げる手はずだったんだが、次の機会にしたから、よく取り組みを見て勉強するんだぞ!


はい!


足が良くなったら土俵の上!鎌ちゃんにやる気がみなぎってきた。


と、鳳翔山が出迎えてくれ、鎌太郎に届いたぞ!と手紙をくれた。


鎌ちゃんはありがとうございますとその手紙を受け取って早速なかを読み始めた。


手紙はお雪からだった。


拝啓兄上様、お元気でいらっしゃいますか?先日、伊助と祝言を挙げて、父上もそれを見届けて江戸へと旅立たれて行かれました。


ガランとした我が屋敷だったのですが、


父上が旅立たれてすぐ、伊助が斬りかかられ、それを助けようと、女中が1人その刃の餌食になってしまわれました。


その女中なのですが、カゲロウでした。


カゲロウの命を奪ったのはお民の甥っ子で弥太郎の従兄弟だったのです。


なぜその男が伊助を刺そうとしたのか、なぜカゲロウは伊助を庇って亡くなったのか。


お雪にはわからない事ばかりです。けれど兄上、伊助が言ってました。わからない事は知らなくていい。お雪の事は私が守りますと。


兄上、なんだかお雪は兄上にお会いしとうございます。なので伊助と共に大阪に行くことにしたのです。


手紙が早いか、お雪が早いかはわからないけれど、兄上、よろしくね。


鎌ちゃんは手紙を読み終わると、お雪に会える事が楽しみになったのだった。


しかし、不思議なことだ。


カゲロウが伊助の身代わりに死んでしまうとは。


お雪同様、鎌ちゃんにもそれが何故なのかわからなかったのだった。

お雪と伊助との再会が楽しみでならない鎌ちゃんだった。

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