カゲロウ日和
お里とカゲロウは夕霧の旅籠に着いた
春になるまでは、この山からは雪は消えないのかな。
真っ白な雪をザクザクと音を立てて歩くカゲロウは、お里と共に夕霧の旅籠に向かっていた。
雪道を少し楽しそうに歩くお里は、カゲロウに聞いた。
姉さんはこれからどうするの?
カゲロウは、江戸へ行こうと思っていた。でも、伊助とお雪様のことをお守りしたい。あの2人がいつまでも末永く幸せでいられたらと願っているの。
と答えた。
お民が2人のそばを離れるまで、見守るつもり。
お里は頭に❓を付けてカゲロウに聞く。
姉さんはそれで良いの?
お雪様の幸せを願うことが私に出来る唯一の償いだから。
カゲロウはそれ以上は何も言わなかった。
麓が見えてきたわ。あのお茶屋さんに寄って行こうか。
お里は嬉しそうに、うん!とうなづく。
あら、お嬢さん、出かけてたのかい?
はい。少し用があって。
あらあら、これまた可愛らしい連れを連れて。夕霧ちゃんの旅籠も華やかになるわ。女の子ばっかりね。
と言っておばちゃんが笑った。
1人、花板さんは男だけど、カゲロウはその事に触れず、お茶を飲むと、ご馳走さまとお礼を言って立ち上がる。
お里も同じように立ち上がると、いよいよ夕霧の旅籠に到着した。
夕霧はカゲロウが連れてきたお里を見ると、カゲロウに言った。
もし良かったら、2人とも、ここで少しの間、働いてみない?2人が居たらこの旅籠、もう少し忙しくなりそうだもの。
華やかな2人の雰囲気に、あー子達と一緒に働いたらお客さんが増えそうだと夕霧は思ったのだった。
2人は丁度、仕事を失ったところだったので、2つ返事でこの旅籠で働いてみることになったのだった。
旅籠て2人は働き始めるのだった。




