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旅立ちの時  作者: 美藤蓮花
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お雪の気持ち

夕霧はお雪の気持ちが気にかかる

ここへ来て、もう4日が過ぎた。


時が経つのはとても早い。ラクもすっかり鎌ちゃんと仲良く小屋を気に入って落ち着いている。


お雪は父からの話のあと、1人部屋にいた。


とそこへ夕霧が訪ねてきた。


お雪はちょうど夕霧さんに会いたいと思っていたところです。と言う。


そうじゃないかと思って来たの。美味しいお菓子が売っていたから仕入れてきたのよ。お雪ちゃん食べる?


はい。


嬉しそうにお菓子を見て答えるお雪はまだ子供のようだが、来年は15歳。ちょうど夕霧が売られた頃の年と重なる。


お雪ちゃんは本当にそれで良かったの?好きな人は居ないの?


と夕霧はお雪に聞くと、お雪は、顔を赤く染め、下を向くと、はい。と言って頷いた。


赤くなるという事は、、、夕霧の表情が明るく変わる。


お殿様の勘は当たるのね。お雪ちゃん良かったね。幸せにならなくちゃいけないね。何かお祝いしなきゃね。何かして欲しい事とかある?


お雪は、下を向いて、赤くなりながら、夕霧に聞いた。


祝言を挙げた後は私は何をしたらいいのでしょう?


そうねぇ、なるようになるわよ。大丈夫。伊助さんが居るから安心して任せたらいいわよ。お雪ちゃんは変わらず、そのままでいたらいいよ。大丈夫!


夕霧さんに会えて本当に良かった。心細かったけれど、なんとかなるような気がしてきました。


良かったね、お雪ちゃん。私もお雪ちゃんに会えて、お殿様に会えて良かった。鎌ちゃんが居たから会えたんだね。鎌ちゃんはたぶん来年の秋くらいにこっちに顔を出すかもしれないわよ。そうなったらお雪ちゃんもここに来てね。


わぁ、それは楽しみ。


そうだね。楽しみだね。


部屋を後にした夕霧は、白い雪の積もる自慢の庭を眺めながら、真っ白な雪のような心がこれから先も汚れなければいいのにと、お雪や鎌ちゃんを思う。


けれどきっと汚れてしまう。


世の中にあるのは綺麗なものばかりではないし、汚れた心の人も居る。生きていれば嫌でもそんなものも目にするだろう。


また雪が降り出した。真っ白な雪が辺りを隠すように降り積もる。


真っ白なまま、何色にも染まらないような、そんな人になってほしいと、夕霧は祈るような気持ちで降り積もる雪を見つめていた。





真っ白な雪のような心がいつまでもそのままであればと思う夕霧だった

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