伊助のひと夜の過ち
好奇心が出来心を生んだらこうなる。
雪の降るその晩に伊助はまたお殿様の泊まる部屋の屋根裏に居た。
下を覗くとまた道蔵がそこに居た。
お殿様をまた待っているのか。アンニュイな雰囲気がたまらなく伊助の好奇心を刺激する。
道蔵は女なのか男なのか。
もう聞きたくて仕方ない。
伊助は音を立てずそっと道蔵の前に着地した。
道蔵は驚きもせずに言った。
来てくれるんじゃないかと思ってた。
上目遣いでじっと見つめてくる道蔵をみたとき、背中にゾワっと何かが走るような感覚がして、腕には鳥肌が逆立っていた。
伊助の太ももの上に手を乗せて道蔵が耳元で囁いた。
アタシの事、好きにしてもいいわよ。
言われて硬直してしまうカラダを道蔵の指が這う。
指先を辿るように舌先が後を追う。
どこでどう止めようか。でも、、、止められない自分がいる。
外は白い雪が降り積もってあたりを真っ白な静寂に一気に色を変えていく。
結局、それはカゲロウでも道蔵でもどちらでも良いのかもしれないと、全てが終わった後に気がついた。
人を愛するその前に人の温もりを知ってしまったら、どうやって人を愛せばいい?
いつのまにか寝て起きたらもう当の昔に日が開けていて、外を見たら雪が積もって真っ白で、ラクの顔が頭に浮かんで、こうしちゃいられない!と服を着るのもままならないまま、ラクの居る小屋へ急いで行ったらお雪がいた。
お雪に一生懸命考えてこの状況を誤魔化そうとしているのは何故なのか。それに伊助はまだ気がついてはいなかった。
道蔵と一戦を超えてしまった伊助だが、、、




