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旅立ちの時  作者: 美藤蓮花
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親子の旅

夜は寒いです。

夕霧の旅籠にきてから2度目の夜を迎えていた。


お雪は風呂から上がって、部屋へと戻った。寒いせいか、長く浸かってしまい、少し風にあたりたくなったお雪は、障子を開けて、顔だけ外に出してみた。


冷たくて気持ちいいな。


お雪はその格好のまま何となく、庭を眺めていた。


あ!あれ、あの花!


見たことあるその花の名前はサザンカ。


兄からもらった初めての手紙に添えられていたあの花。


湯本家にも同じ木がある。兄からもらったその木をお雪は大切に育てている。


そういえば蕾がとても大きくなってきていた。もしかしたらあのサザンカの木にも花が咲いているかもしれない。


帰っても見れるかしら。


きっと大丈夫ですよ。お雪様。サザンカの花はこれから春になるその日まで、一つずつ咲き続けますよ。


どこからか伊助の声がして、


伊助。どこにいるの?


お雪は辺りをキョロキョロしながら伊助に呼びかけてみる。


内緒です。お雪様、そろそろ中へお戻りくださいませ。風邪をひいてしまいます。


伊助は寒くないところにいるの?


はい。伊助は暖かくしておりますのでご安心を。


どこにいるのかはわからないけれど、近くにいると思うと本当に安心する。お雪はなんとなくだが気がついていた。兄上のような人だなぁと。


お雪様、おやすみなさいませ。


おやすみなさい。


障子が閉まり灯が消えた。


それを見届けた伊助はふとお殿様の事を忘れていたことに気がついた。


伊助は二階の窓から外に出ると、屋根をつたって離れのお殿様の部屋の屋根裏へと入り込んだのだった












手紙を読み始めた夕霧。

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