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旅立ちの時  作者: 美藤蓮花
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ラクの友だち

小屋に着いてみたものは

夕霧の旅籠に着いた一行を霧で隠すかのように雨がしとしとと降り出していた。


日は傾いて、もうすぐしたら日が暮れる。


ラクはラクダが居るという小屋へ伊助と共に向かった。


そこに居たのはラクダとよく似てはいるが、また違う。


夕霧は、ラクダだと聞いて買ったのだと言う。


その値段は、お殿様がラクを買った値段より大分と安かった。


顔はよく似ているけれど、ラクダにあるはずのコブがない。


それでも毎日、買い出しに行く夕霧と道蔵と一緒に市場へいくという。


だがしかし、


ラクダを売っていた商人はあれから姿を消していた。


小屋まで案内してくれた道蔵に伊助は、道蔵さん、この子はラクダじゃないですね。


え?そうなの?違うの?本当に?


ラクダなら、コブがあるし、もう少し大きいですね。この子は首は長いけれどコブが無いし小さい。何でしょうね。この子。なんか、、毛が、ふわふわしてかわいいし。


毛のない道蔵はそのふわふわな毛をサワサワと触りながら、そうなのよ。アタシもおかしいなとは思ったのよ。でもかわいいから良いかなぁって。


伊助はワハハと笑って言った。確かにかわいいですね。ラクとも仲良くなれそうだし。


ラクはいつのまにかもう口をモゴモゴさせて落ち着いて目を閉じていた。


その横でふわふわのかわいい子も同じように口をモゴモゴさせて目をとじている。


この子、名前は?


道蔵は得意げに、鎌子と教えてくれた。


鎌ちゃんにちょっと似てたから。呼び名は鎌ちゃんよ。


ワハハと伊助はまた笑った。


この子はもうお殿様と会ったのですか?


お殿様より少し遅れて到着したお雪と伊助はまだお殿様に会ってはいなかった。雨が降ってきたので風邪をひいてはいけないと、先にラクを小屋に連れてきていたのだった。


お殿様はまだ知らないわよ。


では少しの間、黙っておきましょう。


なんで?


いや、別に理由はないですが。


もー!伊助さんたら!


何故かプンプンしながら道蔵はプリプリしながら小屋を後にした。


伊助は、ラクと鎌子の横で1人今夜は何処で寝ようか考えていた。


元忍者の伊助には、いつも部屋は無い。


雨が降るせいか、今夜はとても肌寒い。


伊助はラクの世話を終えるとお殿様の近くで身を隠すように姿を消した。








天気は愚図つき始めていた。

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