清吉の恋
清吉を思う清花
外の寒さは身にしみる。行くところがないのならばしばらくここに居てください。
和尚は清花にそう言うと、近くにいるであろう子供達に言った。
清吉に会いにきたんだって。今日はもう日が暮れるからここに泊まってもらうから、みんな清花さんに挨拶しなさい。
それを聞いて、ひょこひょこっと子供達が顔を出して清花の周りに集まってきた。
可愛らしい子供達ですね。
この子達はみんな清吉の弟や妹みたいなものです。ついでに私は清吉の親になります。血は繋がっていないけれど、みんな家族なんですよ。さ、みんな自己紹介しなさい。
子供達は少し照れながら、清花に自分の名前を言っていく。清花は1人1人に太郎くんね、よろしくねとみんなの名前を呼んで、声をかけた。覚えられるかしら。。。
清吉はいま1人で暮らしてますよ。仕事もしています。けれど目が不自由で、見えません。それでも、この町の人たちに助けられて元気にしていますよ。明日の朝にでも一緒に訪ねて行きましょう。
清花は清吉が生きているだけで嬉しく思っていた。
花魁だったなら、大勢、男の人を見てきたことでしょう?お金持ちの人も、地位の高い人も。身請けの話もあったんじゃないですか?
花魁だったから、断れたんですよ。お金がある人も地位のある人も確かにいます。けれども私の心の中にはずっと清吉さんが居たのです。
何故でしょう、理由はないのです。ただただ、ずっと夢に見るまで考えてしまうのです。
恋ですなぁ。
恋は冷めると厄介ですが、ま、なんとかなるでしょう!ハハハハハハハハ。
清吉さんはいま1人ですか?
そうなんです!1人です。何度か縁談の話もあったんですよ!でも全て断ってしまう。理由は言ったことないんですけどね、予想はつきます。
好きな人がいるのだろうと。その人をずっと待っているのだろうと。見せてあげたかったそうです。清吉のお店を、見たいと言ったその人に、その思いは今も変わらないみたいです。
もう唐物屋ではないんですけどね。
今夜は眠れないかもしれませんが、ゆっくりしてください。明日の朝、参りましょう。
和尚の心はなんだかワクワクしていた。
明日の朝が楽しみで仕方がないのだった。
2人の再会




