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旅立ちの時  作者: 美藤蓮花
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清吉の恋

鳳翔山の友情

また1週間が過ぎ、清吉はご飯が食べられるまで回復した。けれど目はまだ開かない。起きても寝ていても真っ暗で、それにまだ慣れない。


医者に診てもらおうかと言う和尚に清吉は、いつか見えるようになるかもしれないと思っていた方が良いから医者に診てもらわなくていいと言う。


本当はもうこの先目が見えることはないと言われることが怖かった。


またそれから1週間して、鳳翔山が見舞いにきてくれた。もうすぐまた巡業で江戸の街を離れていく。その前に会いたくてきたと言う。


一人でも一人じゃない。みんな居る。みんなお前の家族だから。心配すんな!一人で悩むな!一人で死ぬな!死ぬ時は一緒だ!だからどんなことがあっても諦めるな!みんなお前のこと大好きだから!


清吉は目からいっぱい涙を流して言った。


ありがとう。


最後に鳳翔山は清吉の手を取りギュっと握りしめた。じゃあ行ってくる!帰ったらまた寿司食いに行こうな!


わかった!奢れるように頑張るよ!


じゃあな。


鳳翔山が帰って、和尚が側に座っていた。


誰かの気配だけで誰だかだいたい分かるようになっていた。


なんでも話せー!溜め込むんじゃない。小さな頃は素直な子だったのに、私のことが大好きな子だったなぁ。清吉は。


今も大好きですよ。


嘘つけ!大好きだっただろ。育ての親はいつもそう。本当の親もたぶんそう。大人になると勝手に大好きな人を見つけてくる。


、、、。和尚はどこまで知ってるんですか?


わしゃ何も知らん。


本当に?


、、、知らん!


また話したくなったら話せ。


めんどくさいなぁ、誰かに聞いてきてくださいよー。


清吉!自分の口でちゃんと話せ!


わかりました!


本当に?本当にわかった?


わかりました!


お前、ちょっと元気になったな。良かった。清吉、わしゃお前のこと大好きだぞ!


わかってます!


本当に?


わかってます!死にかけてるのに助けてくれた。大好きじゃなかったら、助けないでしょ。


和尚は何故かはわからないが、急に清吉に抱きつきたくなった。ので抱きしめた。


ワシより先に死ぬな!清吉、お前、ちゃんと幸せになれ!


和尚が言うと清吉は、今、すごく幸せです。と言った。


涙がでるくらい幸せです。


和尚は清吉の背中をトントン叩きながら静かに泣いていた。


辛かったのも痛かったのも、全てが消えて無くなればいいのに。


お雪の目は泣きすぎて腫れまくっている。


お雪、兄もお雪のことが大好きだ。忘れるな!


兄上、、、。


ありがとう。


お雪は手紙をたたむと寝床に入った。


明日の朝は絶対に目が腫れているわ。


困ったわ。






清吉の恋の行方

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