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旅立ちの時  作者: 美藤蓮花
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清吉の出世

清吉の暖簾分けの話

辺りが暗くなるとお雪は今日あったことを振り返る。この屋敷で一日中過ごすのがほとんどで、外に出ることも珍しい。


なので兄からの手紙は外の世界に触れているようでいつも楽しい。


今宵も手紙を広げて読み始めた。


番頭になって、1年が経ち、番頭になった清吉は、旦那様から呼ばれて店の奥の間に通された。


そこで暖簾分けの話をされたが、清吉は、ここへ来てまだ1年しか経ってなく、やっと仕事ができるようになってきたところです。


まだ旦那様には恩返しもしていないのに、そんなことは出来ません。


と正直な気持ちを打ち明けた。


旦那様は、暖簾分けをするのは、これからのこのお店の為にもなる事なんだよ。と言う。


それはどういう事なのか。


お前は捨て子で、それでも誰も恨む訳でもなく、この店でも一生懸命働いてくれる。人が見ていようが見ていないだろうが構わないで頑張ってくれている。


だからこそ、一生懸命働いたら、世の中は認めてくれるんだと、そんな風に他の奉公人たちにも思ってほしい。お前が立派なお店を持って、立派な店主になった姿は、奉公人たちの良いお手本になる。


奉公人たちが清吉のようになってくれたならこのお店は今まで以上に活気がある店になると私はそう思ってるんだ。どうだ?暖簾分けの話を受けてはくれませんか?


清吉はそういう事ならばとその話を受けた。


その話は奉公人たちにも知れて、このお店のお得意様にも知れ渡って、


いよいよ話は町中へまで知れ渡っていった。


その話を清吉が知る前にお寺にも入ってきて、和尚も、子供たちも驚き、喜んでいた。


暖簾分けする話をしたその店の旦那様の株も上がって、お店は今まで以上に忙しくなり、繁盛するようになった。奉公人たちも、一生懸命に頑張ったら暖簾分けしてもらえる。


それは働く上でとても励みになるのだった。


中には何処の誰だかわからない捨て子に暖簾分けするなど、けしからん。と言う老舗のお店も居たが、世の中にはそんな人達はひとつまみの塩くらいしか居ない。


商いはお客様あっての商売で、そのお客様が認めたならば、それが全て。


清吉のお店が軌道にのるか、ダメになるかも、全てはお客様しだい。清吉の頑張りにかかっている。


清吉の暖簾分けの話は定吉の耳にも入ってきた。


足袋をもらったから自分も何か祝いをしたい。何がいいか清吉に聞かねばならないと思っていたところに清吉が顔を見せに来てくれた。


場所は春場所で、ちょうど江戸にいた定吉に、清吉は、お店ができたら鏡割りに来てくれないかと頼みにきた。飛ぶ鳥落とす人気の定吉が来てくれたなら、お店も人気がでるような気がする。また、鳳翔山の贔屓の店になれば鳳翔山好きのお客様が店を贔屓にしてくれるかもしれない。


定吉は、そんな人気ないと思うけどと謙遜するが、相撲で鳳翔山を知らない人の方が知らないくらい、みんな知っている力士になっていた。


なので来てほしい。


清吉の願いに定吉は2つ返事で引き受けた。


清吉は鏡山親方にも、来てほしいとお願いをしたところ、親方も町中で評判の良い清吉の事だからと、一緒に鏡割りに来てくれることになった。


お店は奉公先の旦那様の勧めで髪結い処の立ち並ぶ中心に決まっていた。


唐物を扱う唐物屋を、清吉は生業としていくことになる。


唐物とは文字通り、舶来のものを扱う行商で、これから先の見解を見渡して旦那様が成長しそうだと決めたのだった。


それが決まってから、清吉はまた一生懸命勉強した。唐物屋でも1番のお店になる!


と清吉さんはすごく頑張っていたそうな。


、、、。


兄上、、、。


寝ちゃったのね。


だいたいわかってきたわ。


眠くなったら寝ちゃうのね。


お雪は手紙を置いて、寝間に入ってすぐ寝たのだった。



完成したお店の話

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