お雪とラクちゃん
朝のいつもの光景
朝の光がキラキラとサザンカの葉っぱもキラキラと光っている。葉っぱの間の小さな蕾はまだまだ小さくて弱々しい。
朝ごはんを食べたお雪は庭に出て、伊助にラクダのラクちゃんを連れてきてもらい、毛の手入れの仕方を教えてもらっていた。
ラクはいつも口をもごもごさせている。
これは何故かを聞いてみたが、伊助にもよくは分からないらしい。ただ一つ言えるのは、ラクはあまりご飯を食べない。
馬と比べると、その量よりも少ないのだそう。
そこでラクがご飯をもう少し食べてくれるように、外に連れ出して陽の光を浴びさせて、毛の手入れをしている。
ラクちゃん、ご飯をいっぱい食べないと大きくなれないよ。大きくならなくてもいいの?
ラクはまた聞いたことない声で、お雪に答えるように大きな声で鳴いた。
そうかそうか。ラクちゃんは大きくならなくてもいいのか。
ラクはまた聞いたことない声で鳴いた。
お雪にだけ返事をするラクちゃんが、お雪にはなんだか可愛かった。
ラクちゃんを買ってきたお殿様は、その後、江戸へ行く為の準備に追われ、あまり顔を見なくなっていた。
来年の今頃は、この家を残し、江戸へ行かなくてはならない。父が居なくとも、寂しくはないかもしれない。何年帰ってこれぬかもわからない。
ラクちゃんが少しでも役に立ってくれたなら。
お殿様にはそんな考えもあったのだった。
夜になっていきます。




