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旅立ちの時  作者: 美藤蓮花
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兄の手紙

お雪に届いた手紙。それは兄からの手紙だった。

兄からの手紙を持ち、お雪は兄の部屋へと入っていった。


母の顔が今日はとても穏やかに見える。


母上、兄上から手紙が届きました。今から読むわね。


上等な紙に上等な絵の具で描かれた母の絵は今も色褪せてはいない。母の絵はずっと2人のことを見守り続けるようにそこにいる。


拝啓、お雪、達者で暮らしているのかな?おいどんは達者でごわす。


いまの、面白かった?お相撲さんみたいだったかな?


私は今、立派なお相撲取りの鳳翔山関の付き人をしているんだよ。


毎日、朝は日が明ける前から土俵に立って練習しているよ。朝の稽古が終わるとご飯をお腹いっぱいに食べて寝るんだよ。


カラダを大きくする為には寝ることと食べることが大事なんだって。


でもね、お雪、私はまだ食べても食べても身にならず、消化してしまう。痩せの大食いだったみたいだ。


もしかしたら相撲取りになるのは無理なことかもしれないよ。


でもね、鳳翔山関は私をいろんなところへ一緒に連れて行ってくれるんだよ。


先日は鳳翔山の親友の祝言があってね、私も紋付き袴を着てその場に立ち会わせてもらったんだよ。


鳳翔山の親友は、目が不自由でね、でもそのお嫁さんがとても綺麗な人でね、この町の人も大勢来て、2人を祝福していたよ。


でね、


そこで聞いた話があって、ウソか本当かわからないような話でね、


祝言が終わって、幾日か過ぎた頃に私は鳳翔山関に聞いたんだ。ちょうどお酒を飲んで帰る途中で、機嫌よく鼻唄なんか歌ってる。それを見計らってね。


そしたらその話は本当のことだと、鳳翔山関は言って、話を聞かせてくれたんだ、


私だけが知っていればいいのかもしれないのだけど、兄はお雪にもこの話を聞かせてやりたいと思ってね、こうして手紙を書いている。


長くなりそうだから、


ボチボチ読んでおくれよ。


秋も深まってきたこの夜長を兄もこの話を書きながら過ごしてたから、昼寝をせずに書いてたら、痩せてしまって親方に医者に連れて行かれたよ。


何もないとわかると、でっかいどんぶり鉢を用意されて、それに入ったご飯を食べること!


と決まって、兄は少し大きくなった。ほんの少しだけどね。


ではお雪、心して読んでおくれね。


前置きだけでも長いわね。兄上ったら、楽しそうね。


お雪は、分厚いその手紙を見て、


兄上が言っていたように、ボチボチ読むことにしたのだった。







鳳翔山の親友のお話です。

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