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旅立ちの時  作者: 美藤蓮花
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お殿様のお忍び

そろそろお忍びも終わります。

青く晴れ渡った空を、ただただ見上げ、ボーっとする生活を、お殿様はここ1週間ほど続けていた。


何をするでもなく、平穏な毎日が過ぎていく。


ワシが居なくても皆んな気がつかぬかも知れぬ。


民の生活を守ることが自分の仕事だと思っているお殿様は、民の為に祭り事を開いたり、どんな子供も寺子屋にいけるようにしたり、年貢を納めるのに年齢を定め、無理のないように納めさせた。


そのかわり、


不正を働いた者にはキツい罰を与え、その不正をあばく為に役人を多く雇った。また、その役人が不正を働いかないように、お殿様は重役の仕事をする者を設けて、世の中が上手く回るように力を入れている。


不平、不満がなるべく無い世の中をお殿様は民の生活を守ることで解決していた。


なので決めたことを守ってくれさえしていれば、お殿様の仕事はない。しかし、重役を通して聞くことを怠ると、下の者は勝手なことをし始める。


そろそろ戻らねばなるまい。


最初の1日、2日とは、別人のような今のお殿様を役人は不思議な感じでみていた。


何が違うのか、


うーむ。わからぬ。何が違うのか。


考え込む横にいつのまにか道蔵が来て、言った。


好きな人に良く見られたい、良く思われたい。自分も好きになってもらいたい。人というのはそういう生き物よねぇ。


その方向が違う方へ行っちゃうととんでもない事になっちゃうけど、それとなく気づいて、良い方向へいくと、変わるのよねぇ。


見て!あの憂いを帯びたあの背中!


お殿様を見つめる道蔵の瞳がキラキラと輝いている。良い男ねぇ。道蔵は変な溜息をつき、仕事へ戻っていった。


毎夜、毎夜、お殿様の部屋には夕霧が訪れていることを、お役人はまだ知らない。











いつ帰るのか。まだわからぬ。

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