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旅立ちの時  作者: 美藤蓮花
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お殿様のお忍び

ほのぼの会話です

チュンチュンとスズメが鳴く声が聞こえてきた。

んーと伸びをして、お殿様は朝を迎えた。


もう夕霧は部屋には居なかった。


おはようございます。


野太い声がして、振り返ると役人がいた。


朝からではございますが、お殿様。聡太郎様の現在居る場所なのですが。


鏡山親方のところに居るのだろ?


はい。何故それを。


昨夜、夕霧に聞いた。ここへはお雪も来そうじゃな。あのサザンカは聡太郎がお雪に土産として持たせたそうじゃの。


みんな夕霧に聞いた。


お役人のおかげで聡太郎の命が救われたのだ。長い間、苦労をかけてすまなかった。そなたには礼をせねばなるまいな。


お民と弥太郎の事も聞いた。


妻の死因じゃが、ワシもおかしいとは思っていた。急に体が弱くなってしもうたからのぅ。


だがしかし、理由もなく追い出す訳にもいかぬ。また、お民は妻が亡くなってから、ワシを支えてくれたのも事実。


聡太郎に会えていたらワシはこの腕で思い切り抱きしめてやりたかったのじゃが、会えんかったのぅ。


面目ございませんと役人は深々と謝った。


会いたかったのぅ。お殿様は寂しそうに下を向いている。


だがな、昨夜、夕霧が膝枕してくれたぞ。これはワシの女に戻る日も近いかも知れぬ。


夕霧さんは優しいですからねぇ。ふとしたことに気づいて、それとなく気にしてくれるお人ですからねぇ。お殿様の聡太郎様に会えずじまいだったお殿様の気持ちを汲み取ってくれたのでしょうなぁ。


それより、お役人、あの道蔵というのはなんじゃ?


あの人ですか?とても人情味の熱い素敵な方ですよ。夕霧さんよりも細かなところに気づいて、聡太郎様にとっては第2の母だったんじゃないかなと私はおもいますよ?


人は見かけによらぬのぅ。ワシも仲良くしてみようかのぅ。イタズラな笑みを浮かべてお殿様はそう言った。


あー、でもお気をつけなされ。お殿様。触られますぞ!抱きつかれますぞ!聡太郎様がよくやられてましたぞ。


そうなのか!


お殿様は特に危のうございますぞ。


何故じゃ!


ここだけの話、お殿様と聡太郎様は似てますからね。


親子じゃ。当たり前じゃ。


会いたいのぅ。ワシは聡太郎に会いたいぞ。なぁお役人、鏡山親方ならワシも知っておる!会いに行こうではないか。


お役人は、わかりました!会いに行きましょう!


よし!では行くか!


お殿様、鏡山親方が今どこにいるか知っておいでですか?


どこじゃ?


江戸ですね。秋場所は江戸ですね。


ワシゃ、行くのやめる。

お殿様は江戸に行くことを諦めたのだった。









また夜はやってきます。

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