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最底辺の理想郷(ユートピア)  作者: 上山 璃御
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第二話「出会い」

部屋に入るとそこには一人の女の子が立っていた。金髪で目が合うと人柄の良さそうに微笑んでくれた。


「紹介するわね彼女はミリアリア・フォン・ネイヴィス優希君と同じうちの学校の転入生よ同じクラスだから仲良くしてね」


彼女はそっとお辞儀をすると「ミリアと呼んでくれたら嬉しいかな」少し照れながら挨拶をした。


優希も続けて自己紹介をし、二人は魔力値の測定を始めた。


測定といっても大人の腰ぐらいの大きさの四角い大理石みたいなものに片手をのせるだけで手の甲に能力値が刻印されるいたって簡単なものである。


能力値は一番下からF,E,D,C.B,AとなっておりAより上は最上級のSとなっているSランクに至るのはほんのわずかで有名な育成学校に一人いるかいないかのレベルでとても貴重なのである。


そんな中ミリアの測定が終わり手の刻印を見るとAと刻まれていた。


さすがに会長も「すごいはミリア!!さすがお姫様!!期待以上だわ!!」と興奮を抑えきれていない声で喜んでいた


優希はそのAの刻印よりも真由美の「お姫様」というセリフに疑問を持ち「お姫様?」と尋ねると


「言い忘れてたっけ 彼女はアルバラン国の王の娘でつまりお姫様なのよ」とニコニコしながら説明した


アルバラン国とは他国よりも魔法の研究、デバイサーの育成に力を入れており、その功績や成果などを認められ独立まで至ったヨーロッパの小国で、魔法の研究においての情報の交換など、様々な理由で日本とは同盟国である。そのためお姫様が日本に留学に来ていてもおかしくはないのだが、本当の理由はまた別にある。


優希は少し同様をしながらもなぜ日本に来たのかを尋ねるとミリア少し暗い表情で話し始めた。


「現在のアルバラン国は独立して王が私の父に代わってから前よりも魔法とデバイスに力を入れはじめて

社会的地位にも魔力が高いもの、デバイスの研究で優秀な成績を残したものが優遇されて、デバイサーとしての素質がない人とか、良い研究成果を残せていない人は簡単に切り捨てられ貧富の差が激しくなっているの。そんな政策に反対する国民も多くてデモとか最近過激化してね王族の私は危険だからほとぼりが冷めるまで留学という名の避難をしているの…」


きっと不安なのだろう自分の国で暴動が起きていきなり右も左も分からない所で生活するのは、ミリアの顔を見て優希はそう思った。


しんみりした空気を壊すかのように真由美は突然優希に早く魔力値を測定するように指示した。


優希は忘れていたことを思い出すような表情で測定機に触れた。

本当のところはこのまま忘れたままでいたかったのだが、仕方なく測定を始めると真由美の眼はキラキラと輝きが増していた。


だが残念、優希も分かっていたが結果は予想通りFだった。


真由美はあからさまにがっかりした顔で「これじゃ全く能力を活用できないじゃない!!宝の持ち腐れよ!!」と喚いていた。


優希は最初からこのビジョンは見えていたのだが、そんな中ミリアはさっきまでの表情と違い優希と真由美のやり取りに少し笑っていた。


(彼女が笑ってくれたならFでもいいかな)なんて優希は心の中で思っていた。


「さぁ!契約も魔力値の測定も終わったことだし、これでやっとあなた達もうちの生徒ねようこそ!!国立政法学園高等学校魔法科に!!」真由美は歓迎しながら二人にクラスを伝え見送った。


ミリアと話しながら優希は二人のクラスに向かってゆくまた重い足取りで…



「本来ならここ政法学園高等学校魔法科は魔力Dランク以下の学生は入学ができないエリート学校なのであるが、優希の場合は特別に入学したもの、なおかつこの入学は父が推奨したもの優希本人が望んで決まったことではないので、足どりが重くなるのは当たり前である。


そうこうしているうちに二人はクラスに着き、先生の紹介でクラスの皆に挨拶することになった。


「皆さん初めまして私はミリアリア・フォン・ネイヴィス、アルバラン国からの留学生です。皆さんと一日でも早く仲良くできるように頑張りたいと思います。よろしくお願いします!!」ミリアの名前を聞いてお姫様と気づく生徒も多く教室はざわめきを増していた、すると先生から能力値と今後の目標を言うように言われ「能力値はAで今後の目標は皆さんと仲良くなることもありますが、デバイサーとしての能力を高めていきたいと思っています」ミリアは元気よく答えると、周りはミリアの能力値をきいてさっきよりもざわめきをまし「ミリアリアさんならできるよ」 「ミリアリアさんよろしくね」など歓喜があふれた。


しずらい…この後にこの歓喜の後に自己紹介はしずらい…皆がどんな反応をするかわかりきっているのに自己紹介、なおかつ能力値、目標を言うなんて…だが皆の目線はミリアではなくすでに優希に注がれていた。


優希は仕方なく自己紹介を始めた。


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