第一話「契約」
扉の向こうは一面真っ黒の大理石のようなもので出来ており、照明は明るいとは言えない青色のライトのみ、
大きな機械でもあるかと思いきや、真ん中に大きな魔法陣があるだけの部屋だった。
「何もないんですね、てっきり部屋一面機械とか想像していました」
「あー私も詳しくは知らないんだけど、そこに魔法陣があるでしょそこの下に色々と埋まっているらしいのよ」真由美は部屋の半分を占める大きさの魔法陣を指でさした。
その不思議な空間に入ると真由美の指示で魔法陣の上に立った。
「さぁ 始めるわよ」そう言うと真由美はポケットから赤い液体が入っている小さな容器を取り出した。
赤い液体とは優希の血、すなわち血液であり、契約には数滴の契約者の血液が必要で、そのため優希は転校前に血液を採取されていたのである。
真由美は容器を開け、優希の血を垂らすと地面に描かれていた魔法陣が今まで見たことのない光で光りだした。
「こんな光は…初めて…」
光は留まることをしないで部屋一面を包んだ。
光がやむと優希の手元にはデバイスがあった。それは黒く輝きを放っていたハンドガンと白と黒二つのマガジンだった。
「これが俺の…デバイス…」優希はデバイスを持つと能力を理解した
デバイスは契約した際に契約者が触れることにより直接脳にそのデバイスの情報が流れるようになっている、契約者以外が簡単に能力を知られないように出来ているのだ、契約者が本人かどうかの判断は契約の際に使われた血液で判断される。もちろんすでに他のデバイスと契約されてる人がまた新しく契約をしようとしても血液の情報でばれてしまうので無理なのである。
「優希君!優希君!デバイスの能力は!?一体どんな能力だったの?」
「会長ものすごく興味がありそうですね」優希は少し微笑みながらそう答えると真由美は少し興奮気味に
「当たり前でしょ!だって銃よ!鉄砲のデバイスよ私こんなのは初めて見たわよ!!」と返した
「たしかデバイスの形状は剣のみでなぜ剣なのか理由は不明なんでしたっけ?」
「そうよ!だから興味が出るのは当たり前でしょ!早く教えなさいよ~!!」とせかす真由美に優希はゆっくりと能力の説明をしだした。
「こいつ本体、銃の能力は簡単でただマガジンの能力を打つだけです、それで黒いほうのマガジンは自分の魔力を球の代わりに打ち出す能力で、白いほうは打ち出した球の魔力より低い魔力の魔法を消す能力です」
そう簡潔に能力を伝えると真由美は嬉しそうに「すごい能力が二つも使えるなんてまるでデュアルスキラーみたいじゃないこれは魔力値の測定が楽しみね」そう言いだすとまたルンルンな足どりでこの部屋の奥にある魔力値を測定するための部屋歩き出した。