野原での出会い
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タムシ村での生活は一週間がすぎた。
正直、生活に馴染み過ぎて、ずっとここに居てもいい気がしている。
まず、村のみんながとても優しい事だ。村人Aも奥さんもずっと僕達を泊めてくれる。しかも薪割りとちょっとした家事するだけでいいと言ってくれるのだ。
村のみんなも家族のように接してくれて、途中、何か裏があるのでは?と思ってしまった自分が恥ずかしい。
次に食事がおいしい。
村人Aの奥さんの料理は家庭的でおいしいし、近くにはラーメン屋さんもある。
ラーメン屋さんは料理好きで、カレーもハンバーグも作ってくれた。
もう、ここに居座らない理由がない。
ただ、ここまでタムシ村がいい村なのは『グランディア王国にある』というのが理由だと僕は睨んでいる。
実はグランディア王国には税がないようなのだ。
税がなくてどうやって国として成り立っているのかよくわからないが、それでもこうやってのびのびと暮らせる村があるということは悪い国ではないのだろう。
「カケル!村の外に魔物が現れたのだ!見に行こう!」
今日もかけっこ大好き神サマは元気いっぱいで僕を誘ってきた。
実は村の外にはたびたび魔物が出没するらしい。だが、だいたいが弱い魔物で村の中に入って来ることもめったにない。入って来た場合は村の男達が何人か集まれば対処出来るという。
神サマはこの魔物達に軽くちょっかいを出し、追いかけてきた魔物とかけっこするのが最近のブームだそうだ。
ちなみに散々走ってへばってしまった魔物をサクッとトドメを刺して村人Aの奥さんに持って行って上げると大変喜ばれる。
僕も大きめのナイフを持ち出すと神サマの後を追いかけていった。
「じゃああてし遊んで来るね」
「おう、あまり遠くに行くんじゃないよ」
元気に駆け出していく神サマを見送ると、僕は草の上に軽く寝転んだ。
ああ、吹き抜ける風が気持ちいい。
遠くで神サマの笑い声が聞こえる。きっと獲物を見つけたのだろう。
青い空の中、雲がゆったりと流れている。
「きゃははははは!」
近くで神サマの笑い声が聞こえる。楽しそうで何よりだ。
なんか、気持ち良過ぎて眠くなってくる。
僕はごろんと寝返りをうって、……それと目が合った。
なんか、虎のような魔物。いつも神サマがかけっこしている豚の魔物とは違う。
「カケル!一緒に遊ぼうよ!」
魔物の後ろで神サマの声が聞こえる。
「ギャー!」
僕は慌てて逃げるが、時遅く、ガブリという音が頭からした。
「ガウガウ」
「ぎょえ~!」
頭から噴水のように血が吹き出ていてむちゃくちゃ痛い!
そんな、虎さん。吹き出した血をペロペロしないで!
「きゃははははは!」
笑うな!追いかけるな!お願いだから助けて!神サマ!!
僕は混乱して走り転げる。神サマは楽しく追いかける。コロコロ転がって着いた街道で僕は壊れた馬車とボロボロのドレスを着た女の子がいた。