村での生活
今日は少な目です。
9765円。
今日の遊園地デートでの為に財布に入れていた全財産だ。
だが、この世界では物価が元の世界の100分の1らしく、僕の財産はだいたい90万円ぐらいの価値があった。
とりあえずは生活出来そうだ。
だが、お金を使う場所がない。
まず、泊まる所を探したが、小さなタムシ村では宿泊所などなかった。
しょうがないので村人Aの所にお願いして泊まらせてもらうことにした。その際にお金を渡したが、受け取ってもらえず、代わりに薪割りをするように言われた。
かけっこ大好き神サマは子どもたちとかけっこをして遊んでいた。
家の中は古い日本の家のようで、ガスはないものの、トイレは洋式水洗で、とても衛生的だった。
「この水はどこからとってきたんですか?」
「水は川からとって来ているわ。明かりや火は主に魔石ね。何かあった場合に備えて水の魔石も有るわよ」
村人Aの奥さんは僕が質問すると何でも答えてくれた。魔石はあめ玉のような大きさで、ビンの中に色とりどり入っていた。
このビン一つで1ヶ月分の水光熱が賄えるそうで、魔石の魔力も、毎日自分達で少しずつ貯めているのだという。
「グランディア王国は基本的に税を収めなくていいから、自給自足でだいたい暮らしていけるの。欲しいものがあればお金を使うよりも物々交換の方が多いかな?」
「でもさっき、ラーメン屋さんではお金が使えたんだけど」
「まあ、王都では兵士さんの給料とかお金でもらうらしいから、普通に使えるわよ。私の家がお金よりも労働力の方が欲しかったからね。
さあ、そろそろ食事にしましょう」
その日、村人Aの奥さんに作ってもらった料理は絶品だった。