プロローグ に
何とか連日投稿出来そうです。
現代日本に転生してから16年。
いろいろなことがあった。
まず、僕はあの時助けた女の子の息子になっていた。名前は『カケル』と名付けられ、介護士の母と料理人の父にたっぷり愛を注いで貰った。
自分の昔の実家は、僕が死んだことによる保険金で家を建て替えたらしく、きれいになっていた。
しかも妹がどこぞの馬の骨を捕まえて結婚したらしく、僕と同じ年の女の子がいた。
僕は死んでしまったが、両親がそこそこ幸せそうで良かった。
もう異世界に行くことも、神サマに会うこともないかもしれない。逆にいきなり異世界にとばされる事もあるかもしれない。
どっちつかずの心でいつも生活しているが、今はどう転んでも言いように今を一生懸命生きていくようにした。
勉強・運動はもちろんのこと、いろいろな雑学もできる限り仕入れていった。
今ではゼロから味噌と酒を作れるようになった(あまりおいしくはないけど)。
友達もできたが、一番嬉しかったのは、前世35年、今世16年通じて初めて彼女と言うものができた。
まあ、実は自分の妹の子だったりする。
彼女とは高校で初めて学校が一緒になり、クラスでいじめているのを親身になって解決し、その内彼女になってくれていた。
まあ、彼女がいじめられることで僕の昔の妹が悲しんだりしたら嫌だったからがんばったんだけど。
そして今日はそんな彼女と遊園地デート。
駅前で待ち合わせをして、一緒に絶叫マシンやお化け屋敷に行って、ソフトクリームも食べて、最後に観覧車に乗っててっぺんで初キスを……という時に事件が起きた。
僕の周りに魔法陣が現れて、閃光がてらされる。
気づいた時には昔見た六才児の神サマが、僕の顔をすりすりしていた。
「ひっさしっぶり~。あてし神サマだよ!元気だった?」
元気いっぱいの残念神サマ。
「少し見ないうちに生意気そうになったのですじゃ」
相も変わらず付き人のおさる。
ごめん、神サマ。あなた様にこんなこと言ってはならんだろうけど。
「ちったあ空気読めやぼけー!」
僕の絶叫は異世界の草原に響き渡った。