表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/525

三話 伊藤ほのかの猛省 失われた楽園 その四

 私は風紀委員の部屋で正座していた。

 肩からフリップボードを下げ、そのフリップには『反省中』と書かれている。


「あれ、伊藤氏、何してるん? そんなフリップぶら下げて」

「お仕置き中だ」


 ううっ、恥ずかしさと先輩の冷たい視線のダブルパンチ。

 でも、先輩から冷たい目でみられるのもいいかも……いけないいけない。

 私はじっと耐えることにした。


 邪念(じゃねん)を捨て、澄み切った(くも)りのない心境(しんきょう)……これすなわち明鏡止水(めいきょうしすい)

 今ならスーパー○ードが発動できそう。愛は~いつでも~この胸に~。


「はあ、やっぱり伊藤さんですわね」

「期待を裏切らない女、流石は伊藤氏だぜ!」

「色ボケしすぎなだけやと思うけど、咲はどう思う?」

「ええっ! ここで私にふるの! それはちょっとは……じゃなくて、み、御堂先輩はどう思いますか?」

破廉恥(はれんち)だ」

「まあ、仕方ないよね。伊藤さんはちょっと桃色だし。正道はどう思う?」

「……反省してくれ」

「うわぁああああああああああああああん!」


 落ち着けるわけないじゃない!

 ひどい、みんな! バーサーカーシ○テム発動しちゃうよ! 私だけが悪いなんておかしい!

 私はみんなに抗議する。


「ちょっと待ってください! 私だけ悪者のように()るし上げられるのは間違っていると思います!」

「いや、伊藤氏がスケベなだけでしょ?」


 その言葉に私はキレた。


「お、男の子の方がスケベでしょ! 女の子を媚薬(びやく)催眠術(さいみんじゅつ)で○○○したり、○○したり、○○撮って脅迫(きょうはく)して、あまつさえにゃん○ゃんプレイだなんて、ありえない妄想(もうそう)もいいトコじゃないですか! このご時世、奴隷とかありえませんから!」

「お、落ち着け、伊藤。お前、何言ってるかわかって……」

「先輩は黙っていてください! 大体、男の子の妄想は……」




 突然ですが、これからの伊藤ほのかの発言にはR15を超えた卑猥(ひわい)な表現が多々あった為、カットさせていただきました。申し訳ありません。




 あああっ、黒歴史だよ~。

 私は(ばつ)として風紀委員室を一人清掃していた。

 やってしまった……ついカッとなって、言ってしまった。

 私の発言に朝乃宮先輩さえドン引きしていた。みんな帰ってしまったけど、先輩だけが最後まで待ってくれた。


 やっぱり、先輩は優しい!(監視役ともいうけど)

 真面目に掃除した甲斐(かい)あって、先輩の小言も少なかった。

 はあ……明日から風紀委員室に来るのが憂鬱(ゆううつ)。夕暮れの廊下を一人とぼとぼと歩いていく。

 先輩は事後処理があるとのことで、一緒に帰れなかった。

 はあ……今晩はコロッケが食べたいな……。


「どけどけどけどけ!」

「きゃ!」


 後ろからやってきた男の子達を、私は避けるように廊下の端に移動する。

 そこで私が目にしたのは……。


「ひどい……」


 担架(たんか)で運ばれている、ぼろぼろになっていた男の子だった。

 顔が()れあがっている。意識がないのか指先一つ動かさない。私はこれ以上直視できず、目をそらした。

 先輩達も不良に暴力をふるうけど、手加減はしている。

 一番手加減が下手な先輩でも顔が()れあがるまで殴ることはない……んだけど、あれ? 何か引っかかった? でも、なにに?

 でも、暴力ってやっぱり怖い……。


 ここまで人を傷つける暴力に私は震えていた。

 遠くからサイレンが聞こえてくる。私はただ立ち尽くすことしかできなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ