学園へ向かう *スイ視点
私の敬愛するご主人様ですがムチャブリが多すぎです。
入学式まで三日だとか、走っていけだとか。
家ご主人様基準で考えれば無茶じゃないかもしれませんが一般人基準で考えてくれませんかね?
普通なら一週間かかるとこまで三日でだとか
普通は考えませんよ。
いえ、頑張れば間に合うんですけど。
そういえば私って一般人に入るんですかね?
高速馬車で一週間かかるところを走って三日って
そう考えると私も一般人ではないような気がしてきます。
いえまだ大丈夫です、たぶん。
ほかの冒険者の方も馬車台をケチって走っていくこともありますし。
ご主人様に比べたら普通ですよね。
さすがに一般人とは言えないかもしれませんがまだ常識の範囲内ですよね。(実際は範囲外です)
というより魔力回復薬ってすごく高価なんですよ。
それなら早めに出て高速馬車に乗ったほうが安いでしょうに。
はっ!もしかして私の鍛錬のためにわざわざぎりぎりまで待って魔力回復薬の準備までしてくれてたとかですか。
それはかなりうれしいです。
普段ゆうきさんは私に干渉してこないのでかまってもらえることがあまりないんです。
よーし、ご主人様の期待に応えられるように私はもっと強くなります。
別にスイの鍛錬のために待っていたわけじゃありません。
そもそもスイの入学を決めたのはこの日ですし、
入学式まで三日というのにこの町でのんびりしていたのはゆうきさんにとっては楽勝で間に合うからです。
あと蛇足ですが、
もしあと二日とかだった場合ゆうきさんは入学式に遅れても自力で来るように言ったでしょう。