夏の青空
掲載日:2026/08/07
濃い緑の樹上にセミがなっている。
樹々の幹にへばりついてものすごい音で鳴いている。
一匹どころじゃない木立の木一本一本にむらなくセミがしがみついて鳴いている。
夏の気温はもう体温よりも高く。外へ出るとむわっと空気がまとわりついてくる。
そして、身体を包み込んだ暑くて湿った空気は。そのままジトっと汗になる。
滲んだ汗が両脇と背中を伝う。
おでこからも噴き出す。
身体はセミの声を聞いている。
そして、汗は止まらない。
ふと、遠くの山並みが目に入って僕は息をのむ。
モクモクとした入道雲の白と真っ青な空が目が眩むほど透き通った空だった。
太陽が目に眩しい。
強い日差しの中。山と雲と空を見つめた。
眼をそらせなかった。
青空は遠い。ずっと向こうはるか遠くまで続いている。
そうしていると僕のもとへ風がやってきて、汗を蒸発させて熱を奪っていった。少しだけヒヤッとする。
一瞬体温が下がったかと錯覚するが、体温よりも暑い空気が僕を再び抱きしめて包み込む。
湿った空気は樹液のにおいがした。
ひょっとすると樹々のどこかにはカブトムシなんかがいるかもしれない。
身体はセミの声をきいている。
そして、汗は止まらない。




