イジメの鎖
教室の片隅、男子生徒が1人、他の男子生徒に羽交締めにされ立たされていた
羽交締めにされている男子生徒は何も言わずに無表情のまま抵抗も何もしない
羽交締めにされている男子生徒の前には、顔立ちの整った身長175センチ程モデルと言われても疑うことの無い男子生徒が体を捻りストレッチをしていた
「しっかりと押さえつけてけよ」
モデルのような男子生徒はそう言って少し後ろに下がり助走をつけて羽交締めされている男子生徒に向けて膝蹴りを腹に入れた
「ッ……」
もろに膝蹴りを喰らったというのに男子生徒は無表情のまま、どこに焦点があるのかわからない様子で前を見ていた
「これでも反応なしかよ、つまんねーな」
モデルのような男子生徒はそう言って、不貞腐れた顔をして、羽交締めにされてる男子生徒にもう一度蹴りを入れる
「おい、誰かカッター持ってねーか?」
「カッターなら俺持ってるけど」
羽交締めにされている男子生徒が蹴られているのを見てケラケラと笑っていた男子生徒の1人が筆箱からカッターを取り出すと「よこせ」と言ってモデルのような男子生徒が取り上げる
「なぁ、お前は朝のニュースを見たかこの市内の路地裏で高校生の死体が2つ発見されたそうだ、1人は心臓麻痺か何か目立った外傷もなく死んでたみたいだが、もう1人は切り刻まれた痛々しい姿で発見されたそうだ、噂ではバラバラにされてたとか、カッターじゃバラバラにはできないが切り刻むことはできるなぁ」
「ま、まさか幹也カッターで斬りつけるのか、流石にそれはまずいんじゃ…」
取り巻きの一人がそう言うとモデルのような男子生徒は弱音を言った相手を睨みつける
「はっ?今更何言ってんだよ、じゃあお前がやれ」
そう言ってカッターを弱音を言った男子生徒に投げ渡す
カッターを渡された相手はただ戸惑う顔をするだけで何もしない、モデルのような男子生徒はチッと舌打ちをしてカッターを奪い取り無言で、羽交締めにされている男子生徒を斬りつける
「…」
教室の床には、カッターで斬りつけられてできた切り傷から滴る血が流れる
それでも羽交締めにされている男子生徒は表情を一つ変えずモデルのような男子生徒を見る
「クソが、つまんねーな」
モデルのような男子生徒はそういってカッターを放り投げる
「おい、血をそのままにしとくと流石にめんどーだ、そいつの血が止まったら床を拭いとけ」
近くにいた取り巻きにそう指示するとモデルのような男子生徒は教室を出ていった
◯
名木翔真は人生に絶望していた、学校に行ったら日ノ里幹也を筆頭に毎日のように暴行などのイジメを受けるが翔真は何も感じない、ただただ退屈な毎日
翔真の両親は交通事故で3年前に亡くなっており、祖父母は父、母のどちらの方も翔真が生まれる前にすでに亡くなっており、翔真は母の兄である叔父の家に住んでいる
しかしその叔父世界中を飛び回る写真家で家にはほぼいない翔真の一人暮らしだった
翔真はその日ふと思ったこんなにも何も感じない毎日ならいっそなこと死んでしまった方が楽なのではと
リビングの天井にロープをひっかけ先端を首を吊るように輪をつくった翔真はその輪に首を入れようとイスにのり輪に手をかけた
「その自殺ちょっとまちな」
突然自分しかいないはずの部屋から声がして振り向く翔真、しかし振り返っても誰もいない
気のせいかと思った翔真はもう一度輪に手をかける
「だから待て言ってんだろ」
また声がするがやはり振り返っても何も無い、やはり気のせいかと思ったそのとき
「おっと、姿を消してるままだったか、まあちょつと待ちな」
部屋の中に黒い羽を生やしたクマのぬいぐるみのようなものが現れた
「お前、イジメの復讐したくないか」
その謎の物体は怪しく翔真に問いかける
「いや、別に」
「そうだろ、そうだろ復讐したいだろ、え?別に?」
翔真はその存在を無視して首を吊ろうともう一度ロープに手をかける
「ちょいちょいちょいちょい、待て〜〜!!」
翔真はそのクマのぬいぐるみのような何かに突進をされバランスを崩し椅子から落ちた
「なに?復讐とか興味ないんだけどただ死にたいだけなんだけど」
「え?なんでイジメの暴行が苦しくて自殺するんじゃないの?暴行に耐えきれなくて心が壊れちゃったんじゃないの?」
「僕は無痛症なんだ、痛みを感じない、痛みを感じないってのは刺激も何も感じない無の生活、楽しいこと好きなこと、何一つない僕の退屈な毎日、だからこんな退屈なら死んでしまえば終わりになる」
ふむふむと翔真の話を聞きクマのぬいぐるみのような何かはニヤリと笑う
「なら大丈夫だその退屈がなくなるような毎日をオイラと契約したらおくらせてやるぜ」
「何その契約って?」
「その前に自己紹介だ、オイラは悪魔のベアックマー!!ちなみに悪魔の仕事は黒い魂を回収することだ」
クマのぬいぐるみのような何かはベアックマーと自信満々に自らは悪魔だと名乗りあげる
「ベアッ、クマ…クマクマ?」
「クマクマじゃない、ベアックマーだ!!」
「クマクマの方が言いやすいからクマクマでいいよ、それで悪魔と契約して何をするの?」
「お前が勝手に決めるなよ!!はぁー…悪魔と契約したものには黒い魂の回収を手伝ってもらう」
ベアックマーは契約の説明を始める
「まず黒い魂っていうのはな、生きてる時に悪いことを多く行うと魂の色が少しずつ黒ずんでいく、そして完全なる黒になった魂を回収するんだ」
「じゃあ死んだ人の魂を集めるってこと?」
「本来はそうだが、お前と契約してお前に集めてもらうのは違う、俺とお前で単純な悪魔契約を行う、そして次に行うのは悪魔の主従契約、これは俺とお前じゃなく、お前と黒い魂の持ち主との契約だ」
「黒い魂なら誰でもいいの?」
「いや、誰でもいいってわけじゃないお前と関わりのある存在だ、要はイジメの主犯格との契約になる、そして本題はここからだその悪魔の主従契約をしたもの同士で戦いをしてもらう、それで勝った方が生き残り負けた相手の魂を回収するって寸法だ」
「殺し合いをするってことか」
「そういうことだ、ちなみに戦うのは従者側のみで主人側は傍観者だ、しかし従者が死んだら自動的に主人側も死んで魂を回収させてもらう、まあ死のうとしてた奴らを集めてるんだからそこに文句は言わせねーがな、これが悪魔と契約したものたちに行なってもらうことだ」
説明を終えて満足そうにするベアックマー
「それで、それの何が僕の退屈をなくしてくれるの?」
「えー、面白いだろ命懸けの戦いだぜ、ハラハラドキドキじゃねーか」
「戦うのは僕じゃないんでしょただ見てるだけじゃあ死ぬのを先延ばしにしてるだけだよ」
ぐぬぬと考え込むベアックマー、すると何かを思い出したような仕草を取る
「そうだ言い忘れてた、魂を10個回収したものには願いをなんでも一つ叶えてやれる、あとは悪魔契約をしたものには能力を与えられる、能力はそのものが強く感じたもの大体は相手へどう復讐するかで決まるんだが復讐心がないお前は別の何か、お前の欲してる能力が手に入るかもだぜ」
「願いが叶う、それに欲してる能力か、少しは面白そうだ、クマクマ君と契約するよ」
「にひっー、そう来なくっちゃ、ってクマクマじゃねーよ!!」
そしてベアックマーは何もない空間からコップを取り出し自分の血をコップに注ぎそれを翔真に差し出した
「これを飲んだら契約だ」
「まずそ…」
「うるせっ!!ささっと飲め!!」
ベアックマーは無理やりコップの血を翔真に飲ませる
「これで契約完了だ、悪魔の主従契約の相手は幹也ってやつでいいよな、と言うかあいつほど黒い魂はなかなかないからな将来有望だぜ」
「うん、それでいいよ」
「それじゃあ明日を楽しみにしておきな」
そう言うとベアックマーはリビングから姿を消しさった
◯
翌日の朝、日ノ里幹也は機嫌が悪い状態で学校へと向かっていた、機嫌の悪い理由単純、嫌な夢を見たからである
自分は悪魔だと名乗るクマのぬいぐるみのような物、そいつが言うには幹也は悪魔の主従契約を結ばれたと言う、それも一方的に、何より屈辱的だったのは自分は従者で主人があの名木翔真だと言うことだ
「クソみたいな夢を見たせいで気分が悪い」
イライラしながら学校の門までたどり着くと反対方面から翔真が来るのが見えた
「おい、クズテメェのせいで朝から嫌な気分になったじゃねーか」
幹也は出会い頭に翔真の溝内めがけて殴りを入れる
「ウッ…!」
翔真を殴った瞬間唐突に幹也に腹部あたりに激痛が走る、そして、いつもなら無表情の翔真も今回は苦悶の表情とどこか喜びが混じっている顔をしていた
「アッ…何が起こった…どうして俺に痛みが」
「昨日の夜、言ったろお前と翔真は悪魔の主従契約を結んだってよ」
突然2人の前に幹也が夢で見た悪魔と名乗る物が現れた
いきなり現れたにも関わらず他の生徒は何の素振りせずに通り過ぎていく
「他の生徒がオイラの存在に反応しないのに驚いてるのか、それはオイラの姿はお前らにしか見えないからだぜ」
「お前は一体何なんだよ」
「だから昨日言った通りだオイラは悪魔のベアックマーだ」
「悪魔って何なんだよ、どうしてこいつを殴ったら俺に痛みが来るんだよ!」
自分の身に起こっている謎の現象をベアックマーと名乗る物に問いかけるとベアックマーはクックックと笑い出す
「お前と翔真は悪魔の契約によって翔真が手に入れた能力で繋がってる、本来は悪魔の主従契約の従者側は主人側にいっさいの手出しができないんだが、翔真の要望でそれは無効とした、そして翔真の能力、共有の鎖によってお前に伝わる感覚は翔真に行き、翔真が受けた感覚はお前に伝わる」
ベアックマーの説明に困惑し、理解が追い付いていない幹也
「だからお前がさっき翔真が殴った衝撃が共有されお前へと痛みが伝わったて訳だ」
「何なんだよそれ!!勝手に契約なんてしてんじゃねーよ!!」
「悪魔は勝手なんだぜ、相手の気持ちなんて考えない、お前らイジメっ子だまた同じだ」
「ッウ…ハッ…」
ベアックマーの言葉と発せられる雰囲気に幹也は怖気付く
「ねぇ、幹也君、今日もちゃんと虐めてよ」
そう言って翔真は幹也に笑顔を向けて門をくぐり学校へと入っていった
幹也は翔真の笑顔を見て底知れない恐怖を感じた
◯
「それにしてもお前の手に入れた能力、変な能力だな」
「そう?とてもいい能力じゃないか、相手の共有それによって痛みを手に入れた、僕は人との繋がりを求めてたのかな」
「鎖で繋ぐってか、しかも本当に痛がって喜ぶなんてとんでもないマゾヒストだな翔真は」
「そんな事はないよ、至極真っ当な感想だよ」
「んなわけあるかよ」
そんな話をしながら翔真は教室へと入っていく
教室に入ってしばらくしてから幹也がやってくる、翔真は幹也を見て無言で合図をする
「ッ…おいクズこっちに来い…」
幹也は少し躊躇ってから翔真を呼びたず、翔真が幹也のところまで行くとそれに続くように幹也の取り巻きたちがやってくる
「…テメェの顔見てるとイライラすんだよ」
翔真の顔を殴る幹也、それと同時に幹也の顔へと痛みが生じる
「ささっとくたばれよ!」
次は腹を蹴りまた殴る、自分への痛みを耐えながら暴行続けた
すると取り巻きの一人が、自分もと城を蹴ろうとする
「やめろテメェ!!」
取り巻きを威圧して制する幹也
「ど、どうしたんだよ幹也、いつもだったら俺らが参加しても止めねーのによ」
「今日は気分が悪い俺は帰る、テメェら今日はそいつにもう手を出すんじゃねーぞ、もし俺が見てねーところで俺以外が暴行加えたらそいつを殴り殺すからな」
最後にそう言って幹也は教室を出ていった
「ど、どうしたんだろうな幹也、なんかすごいイライラしてたし疲れてる顔してたな」
◯
1日の授業を終えて翔真は自分の能力を試すため途中で作業が止まって誰もいない材木などが置かれてる工事現場へとやって来た
『幹也君なんで途中で帰えっちゃったの?』
『なっなんだ!?どうしてクズの声が頭に!?』
『クマクマが言ってたでしょ僕の能力は共有する事だから僕の考えと幹也君の考えを共有してるんだよ』
『何なんだよ!何なんだよ!!お前は!!』
『もし明日、途中で辞めて帰ったら』
翔真は近くにある材木を手に取り全力で自分の腕へと叩きつける
『ッガ…何しやがった…』
『君が辞めたら僕は自分自身でやるだけだから』
そう言って翔真は考えの共有をやめる
次に翔真は自分の手から鎖を出す、鎖は両端で色が違い赤と青の矢尻
翔真はまずカバンから取り出した紙に赤い矢尻を刺し次に先ほど自分の腕を叩きつけた材木に青い矢尻をさす
両方の矢尻を刺した後、翔真は材木をまるで髪を切るかのように破いた、すると何もしていない紙も材木と同じように破れ出した
「なるほどこれは良いね、赤いの矢尻で刺した物の性質を青の矢尻で刺した物にコピーさせる、そしてどちらかが壊れるともう片方も同じように壊れるか」
「なかなかに便利そうな能力だけど、そんな能力で他の契約者と戦えるのか?」
「まあ、その時はその時だよ」
「死ぬかも知れないってのにマイペースだなー、って元々死のうとしてたから怖くわねーか」
翔真はその後も自分の能力を周りある材料で試していった
◯
翌日、幹也は痛みに耐えながら翔真に暴行を続ける、やめようとしても考えの共有でまだやめるなと言われ暴行を続ける、取り巻きの参戦も止めないようにと伝えられる、必死に耐え、その日のイジメは終了した
その日の放課後、幹也は考えの共有により翔真に学校近くの商店街の路地裏へと呼び出された
そして路地裏へ行くと翔真が待っており、翔真は幹也に鎖の能力を実際に見せ説明し、契約者同士の戦いのことを話した
「な、何だよそれ…俺に殺し合いに参加しろって言うのかよ!」
「悪魔の主従契約をした時点で強制参加だけどな」
「ふざけんなよ…俺は死にたくねーぞ!!」
「それじゃあ魂を10個集めるんだなそうしたら、解放される」
「て、てかそもそも…他の奴らと戦はないで、逃げりゃ良いんだ…そうすりゃ死なないで済む」
「それはできないよ、悪魔契約者は他の契約者の位置を知ることができる、それに」
翔真が喋っている途中二人の近くに足音が聞こえる
「その取り乱し方、君悪魔の主従契約をしてままないね」
二人の前に現れたのは、160センチほどで猫背のメガネの男性、180センチほどでオールバックの髪で目つきの悪い男性だった
「その言い方だと君たちも悪魔の主従契約を結んでるんだね、主人の方はメガネの君だね」
「その通りだけど、見た目で判断されるのはすごく侵害だね…」
翔真にどちらが主人側か即断されたのが不満に思い、不快感を表すメガネの男性
「だって明らかにそうだよね」
「ンック…まあいい、君たちはここで死ぬんだから阿久津君ヨロシク」
「任せろ」
オールバックの男は阿久津と呼ばれ、翔真と幹也二人の前に出て、左手にカッターナイフ、右手にノコギリを持っていた
「さあ、テメェは俺に切り刻まれろ!!」
「ふ、ふざけんな!!こっちに来るんじゃねぇ!!」
幹也は近くにあった大きめな石を阿久津に投げつける、すると阿久津は左手に持っていたカッターでまるで豆腐でも切るかのようにいとも容易く真っ二つにする
「僕の能力はね、刃物を何でも切れる刃物に変える能力、どれだけ硬い物だろうが手にした刃物で切り裂くことができる」
「なるほどこの前の惨殺したいともう一つの死体は、君たちがやったんだね」
「そうだけど、もしかして怖くなっちゃった」
「いや、むしろ面白くなったと思ったところだよ」
不敵に笑う翔真
「半なやつだね君、でも君の奴隷があの様子じゃあ君もすぐ死にそうだね」
「さて、どうだろうね…」
◯
「くそ、くそ、くそっ!!」
阿久津から必死に逃げ回る幹也、道中で物を倒したり石を投げたりしても、全て切られ躱される
「さあ、どこまで逃げれるかな」
『商店街の外れにある人がいない工事現場に行くんだ』
逃げている幹也の頭の中に突如、翔真の声が響く、考えの共有だ
『何でそんなところに逃げんだよ!!人がいる方がいいだろうが!!』
『別にそれでもいいけどただずっと追われてビクビクと怯え続けるだけだよ』
「クソが!」
幹也は泣く泣く、翔真の指示に従い工事現場へと向かうことにした
幹也はひたすら走り逃げ何とか翔真の言った工事現場へと
『ついたみたいだねそしたら僕の言うとおりにするんだ』
工事現場へと着くと同時に翔真からの考えの共有を受け取ると幹也は早速行動に移った
「どうして、あいつは俺が工事現場に着いたってわかったんだ…」
『幹也君の視覚を共有してるんだよ』
「考えが読まれるってやっぱり気持ち悪いな…」
工事現場に着いてもしばらく追われる幹也、鉄のロープに括られ、纏っている鉄材にぶつかりながらも必死に逃げる、木材などを投げても簡単に切られて、さほどの時間稼ぎにはならない
そしてとうとう壁際まで追いやられてしまった
「さあ、もう観念しな、バラバラに切り刻む時間だ、安心しろバラバラにするのは殺してからにしてやるから痛いのは一瞬だ」
「ふざけんな、死んでたまるか!」
そして近くにあった木材を投げつける、だが結果は見えているとおり簡単に切られてしまうが次の瞬間ガラン、カランカランカラン、と大きな音を立てて阿久津の後ろにある鉄材が阿久津に向かって崩れ落ちてくる
阿久津は必死に鉄材を切り刻む、しかし阿久津が切り刻める量より圧倒的に多い鉄材に阿久津は飲み込まれる
「うゎあーーーー!!!!!」
「はぁ、はぁ、はぁ…なんとか、なった…」
◯
「えっ?どう言うことなんで阿久津が倒れてるの?」
阿久津が鉄材の下敷きになってからしばらくして、翔真とメガネの男性がやって来た
「君の相方が負けたみたいだよ、でも君がまだ死んでないってことは生きてるみたいだけど」
「そ、そうだまだ生きてるんだ、おい!メーグル!!」
「なーんだ?宗馬?」
メガネの男がメーグルと呼ぶとどこからか羊のぬいぐるみのような物が現れ男のことを宗馬と呼んだ
「悪魔の契約の能力は一番欲してる力をくれるんだよな、なら今俺が一番欲してるのは治癒の能力だ、何でも切れる能力なんていらないから、治癒の能力をよこせ!!」
「はぁ〜んな便利な契約なわけねーだろ、能力は最初の一つだけだ」
「そ、そんな死ぬな!阿久津!!死ぬんじゃない!!」
恐怖の顔で震えている宗馬を幹也と翔真は見ていた
「どうするんだ、阿久津とか言うやつのトドメを指すか」
「どうしようね…ねぇ、クマクマ」
「だからベアックマーだ!!なんだよ?」
「幹也君がトドメを刺さなくても魂って僕たちが回収したことになるの?」
「なるぜ、間接的にでも倒したってことになるからな」
「じゃあそのままでいいよ、幹也君、あれじゃあどうせ助からないもうすぐ死ぬだろうし」
「わかった」
そして翔真と幹也が工事現場から離れようとすると、翔真の足に宗馬が縋りついてくる
「な、なあ助けてくれよ、病院に連れててやればまだ助かるかも知れないだろ、連れてくの手伝ってくれよ頼む頼むよ、死にたくないんだよ!!」
死にたくないその言葉を聞いて翔真が反応する
「死にたく、ない?君、死のうとしたから悪魔と契約できたんだよね、なのに、死にたくない?意味わかんねーこと言うなよ!力を得たからって生きたいって思ってんじゃねーよ!!最初から痛みを知ってる恵まれた人間が贅沢言うなよ!!ただただ死を目の前に待って絶望してしね…」
見たことのない翔真の激怒に、驚く幹也、そしてそのすぐそばでは死にたくないと泣きじゃくる宗馬
「嫌だ!死にたくない!!死にたくない!!!死にたくない!!!!!」
そんな宗馬を置いて行き二人は工事現場を後にする、工事現場を出て大きな声で死にたくないと泣きじゃくっている宗馬の声は聞こえてくる
死にたくない、死にたくない叫び続けるすると、突如声が聞こえなくなる
「おっ、死んだみたいだな、黒い魂回収できたぜ」
「後9人倒せば何でも願いを叶えてくれるんだね」
「願いは決まってんのか?」
願いについて考える翔真
「んー、まだかな最初は痛みを貰おうと思ったけどそれは間接的に手に入ったからなー」
「もしそんな願いを言ってたら大笑いもんだぜ、だけどお前なら他の願いも似たような物になりそうだけどな、ニッヒヒ」
「そうだ幹也君、明日もちゃんとイジメてね、もしイジメをやめたら僕自殺しちゃうかもな、どうしよう溺死、焼死、それとも徐々に潰される圧死どれも痛そうで苦しくそうで最高だろうな」
悠々と楽しそうに喋る翔真を見て幹也はただひたすらに恐怖をする、自分は今まで怪物をイジメいたんだと
幹也は自分の命を人質に自らに返ってくるイジメを強要されている逃げられない鎖につながられている
「オイラは本当に面白いやつと契約したぜ、これからもオイラを楽しませてくれよ」
ベアックマーは、そんな二人のやりとりを見てこれからが楽しみだと怪しく悪魔の笑みを浮かべるのだった




