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プロローグ
春風爽やかな4月の朝
学生の様々な声が聞こえてくる。
新たに高校生活が始まり期待と不安で胸をいっぱいにしている者
学校が始まると気怠くなっている者
青春を謳歌したいと嘆く者
それら全てが本音である事は明白だ。
そんな中
通学路を歩くひとつのグループがある。
「ちょっと貴女、少し近いんじゃない?離れなさいよ。」
長い黒髪の女の子が文句を垂れる。
「えー、良いじゃないですか。先輩はクラス一緒なんだし後輩に譲ってくださいよ。」
短い茶髪の女の子が、突き放そうとする。
「全く朝から野蛮な言い争いはやめてください。彼が迷惑しているでしょう。」
水色の編んだ髪を揺らしながら女の子が仲裁に入る。
「・・・」
その後ろを紫がかった髪の女の子が無言で歩いている。
「まぁまぁ、気にすんなよ。俺はみんなが仲良くしてくれなきゃ悲しいぜ?」
その女の子たちに囲まれる男子生徒が、優しい声色で宥める。
場は一気に和やかなムードになったようだ。
そして
「ったく。誰か自分のを持つって考えにならないのか。」
紫髪の女の子以外のカバンを持っているのが俺
伊佐垣柳一である。




