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SF作品

目が覚めたら大海原


夏、熱帯夜が続く夜は数年前卒業した高校のプールに行く。


卒業した高校も人手不足で警備員がアンドロイドになっているけど、俺が所持しているジャマーで警備員のアンドロイドの目を誤魔化す事ができるんだ。


できるって分かったのは偶々なんだけどな。


それで今夜もちょっと大きめのフロートベッドを持ってプールを囲む金網の中に侵入、プールにフロートベッドを浮かせてその上に寝転んだ。


高校に来る前に缶ビールを数本飲んでいたんで、フロートベッドに横たわると直ぐ寝てしまった。


朝、眩い日の光で目を覚ました俺は叫んだ。


「此処、何処だよー!」


右を見ても左を見ても果てしなく海が広がっている。


何故だ? 何故? 俺は大海原を漂っているんだ? 高校のプールで寝ていた筈なのに。


フロートベッドの周り全部が海、遥か彼方まで海が広がっていた。


• • • • • 


地球のある地域に地震が発生した、その全く同じ時間に銀河の反対側にある惑星でも地震が発生。


遠く離れた2つの惑星で同時に発生した地震は互いに共振し、互いの惑星を構成している物質の一部が入れ替わる。


地球側では昨晩まで確かに存在した高校が高校を囲む塀ごと無くなり、高校があった場所に豊富な水を湛えた大きな池ができていた。


此の池の水を分析した科学者たちは此の水が、太古の地球に最初に現れた海の成分と同じ物だと知り驚愕する。


遠く離れた惑星側では惑星を構成している大量の水の一部が無くなり、水が消えた所に高校の校舎などの建築物やその中を警備していたアンドロイドと校庭、校庭を囲んで植えられていた桜の樹木とフロートベッドとその上で寝ている男が現れた。


それらの建築物と中にいたアンドロイドや校庭の土砂は直ぐ水の中に沈んで行き、樹木とフロートベッドは波間に漂っていたが次第に波に動かされ、散り散りになって行く。


フロートベッドの上の男はそうとは知らず眠りこけていた。







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