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彼女の掌では、その剣を持つ事が出来ない

作者:折乃溝印
魔術の才能を持ちながら孤独な少年であるサイラス=スタンスフィールドは
幼い頃からミズホ=サワヤマに護られてばかりの存在だった。
サイラスがそんなミズホに人知れず深い感謝と淡い恋心を抱くまで時間はかからなかった。

「大きくなったら《勇者》になって、今度は俺が絶対ミズホを護るんだ!」

口には出さず、誰にも知られず、大きな願いを抱きながら修行に明け暮れる日々。

いよいよ訪れた《勇者》が生まれ洗礼を受ける日、サイラスを含む勇者候補達の前で祀られた《神託の剣》が自らを手にして戦う勇者として名を呼び、《啓示の泉》に映し出したのは…

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