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エクストラ「あの頃の私達は何を夢見る?」その9

☆★☆★ 〜事件が起きたその日の夜


 ユカリちゃんは目を覚まし、助けてくれたアヤさんに大泣きしながら感謝の意を伝える。


 元はカイトさんが泣いてばかりの私に喝を入れて死ぬ気で探させたのがきっかけでカイトさんには頭が上がらない。


 二人のお陰で私も何とか立ち直る事が出来た。初めて人を頼る事を覚えて私は前より成長出来たと思うと良い栄養剤だったのかもしれない。


 ユカリちゃんは暫く入院した後、元気に退院した。私は二人に手紙を送り再度感謝を伝えて帰って来ると意外な言葉が返ってきた。


 アヤ:貴女はもう少し素直になるべきよ〜折角の美人なんだから“自分を大切にする”を考えてみたらどうかしら?難しいなら近々商業区にも病院に移るから来てください。


 カイト:堅苦しいのは苦手だけど追い詰めすぎないようね?君の性格は人間臭くてヘタレだから上下関係なく飴と鞭を使い分けたらきっと君を尊敬する人が増えるさ。もし落ち込んだら僕を呼んでくれ、辛い事あるだろうし僕が話し相手ぐらいにはなれるよ。


 知り合って良かった、特にカイトはこれを切っ掛けに半ば付き合ってる状況になり、アヤさんは・・・ヤバい人だと知るのは少し後に。


 なんやかんやあって数年、私の肩書は増えすぎて全部纏めて【検問所首席防衛所長】となった。


 二人に見せると私の家でお祝いしてくれた。アスカが料理を作ってユカリちゃんが飾り付け、ユカリちゃんには何度も謝った、でもそれは彼女にとって不快だったらしく怒られた。


 いつの間にか火事や洗濯、掃除や料理もゴミの分別なんかも身について私の知ってる二人とはもう別人だった。


 そんな哀愁漂うようになった家は数年後に売り払って検問所に個人部屋を作りそこに住むようになった。


 二人はなにかある度に訪れて厄介を引き起こし、その度に怒鳴る。


 そんないつもの景色が堪らなく幸せで抱いていた理想とは異なってしまったけど二人は本当の自分の娘だ。愛情と生活の厳しさを叩き込んで立派に育ってくれた。

 

 この頃かしら、こんな事を考え出したのは・・・。


 “いつか三人で冒険者にでもなって『自由』に旅をしたい”って思ったのは。


 仕事が嫌いなワケじゃないけど単純にのんびりしたい。


 毎日毎日夜まで仕事して酒飲んで自分を慰めることしか出来ない私に息継ぎが欲しい。


 遅かれ早かれこの願いは叶うんだけど結局私の仕事量の多さに疲労困憊となる最悪な運命がやって来たけど今は三人どころか沢山の仲間を引き連れてのんびり暮してる。


 私は脇役みたいな女だけどもし記憶が失う最悪な事件に遭遇したら私は正気を保っていられるか?それだったら死んだ方がマシよ、だって・・・


 あの二人の記憶は私の基盤であり希望の光でもあるんだから。


 あの二人に出会えなかったら中身の無い人間になってしまう。


 私は三人の思い出を抱き締めながら死にたい。


 神よ、どうか意地悪だけはしないでください、お願いします。

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