エクストラ「あの頃の私達は何を夢見る?」その6
「はっ!ユカリちゃん!アスカ!」
数時間、再び意識を取り戻すと私は止める人間を馬鹿力で押し倒して全速力で駆ける。
何度か吐いたけど気にしない、人間の限界を超えたせいか音が聴こえない、私は家に戻り武器を持ち【のんびり原っぱ】に一直線。
既に野次馬が群がっており邪魔だから蹴り飛ばして強引に押し入る。
我が可愛い娘達よりどうか無事でいて!
私は野獣の咆哮を聴き、直ぐ様向かうとそこには最悪な光景が広がっていた。
アスカは足を噛まれたのか大量に出血しながら泣きながら助けを呼んでいる。
ユカリちゃんはと辺りを見回すと巨大な凶悪なモンスターがユカリちゃんと対峙している。
ユカリちゃんは片腕を砕かれたのかひしゃげて右腕で棍棒を持つ、その眼光はとても鋭く、私が一瞬怯むくらいに敵意を示している。
だがモンスターとの対格が違い過ぎる。
ユカリちゃんの五倍くらいに大きく私を軽く越している。
チラと殺意に満ちた眼光で私は蛇睨みされその場で骨抜ぬきにされ膝から崩れ落ち失禁シてしまった。
あまりにも絶望的で私は最低な事に今すぐ逃げたいとまで思ってしまった。
足が動かない、力が抜けて私はぐったりと壊れた玩具のように泡を吹き始めた。
「あ、あぁぁ・・・」
私の方が美味しそうだと思われたのか標的を私に変えて攻撃を仕掛けて来る、私は一歩も動けず泣き喚くことしか出来ない。
「お姉ちゃんから離れて!」
だが一人だけ勇敢に攻撃の手を止めない者がいる。
棍棒を投げつけ私の武器を奪い構える。
腹に棍棒を受けて怒りを表れにするモンスターは獣で黒い身体に恐ろしい爪を持つ【クロビースト】と呼ばれる別名【人殺しの悪魔】と書類に書いてあった。
モンスターはユカリちゃんをしなやかな動きに蹴り飛ばし腹を裂き左足を折る。
それでもユカリちゃんの闘志は潰える事なく歯を食いしばって私達を逃がそうとしている。
「私の・・・私を守ってくれる“家族”を攻撃するな!!」
小さい灯火は簡単に攻撃され私はただ見てるだけで泣き喚く、こんなに情けない女だと思わなかった。
あんなに小さな子どもが命張って時間を稼いでいるのに私は泣いていた。
警備隊のカイトが来るまで私は何もできなかった。




