エピローグ「私の大好きな女の子」
深夜、私は帰宅すると既にユカリちゃんはいびきをかきながら泥のように眠っていた。
相も変わらない穴だらけのボロ家、主に私が軽はずみでぶち抜いたり喧嘩して壊したり例が有り過ぎて数え切れない。
ユカリちゃんには無理な暮らしをさせてるのは分かってる、それでも私はここがいい、喧騒とした世界は耳障りだから静かでボロ家の方が誰も近寄らないから。
「ユカリちゃんただいま」
人生二回目のただいま、深夜に帰ることが多くはないけど挨拶は基本しない。
今日は途中で水浴びしたから明日ユカリちゃんにお風呂一緒に入ってもらおう。
寝室のベッドは共有、ユカリちゃんとの距離をキスできるくらいに近寄って腕を抱き枕にする。
「胸が痛い・・・いつ治るんだろ?」
初恋相手だからかな・・・心臓がバクバクして寝付けない。
このまま死んでもいい、この娘の思い出はどれも鮮明に覚えてる。ずっと一緒にいたい、傍でもいい、貴女が好き。
私はユカリちゃんに出会え良かった、道を間違えなくて良かった、好きになって良かった。
もっと触れて欲しい、私は何でも許してあげる。他の娘達も嫌いじゃないけど仲良くしてると胸が突き刺すような痛みが襲って来る。
柔らかい貴女の肌も温もりも万物を慈しむような優しさも時に現金で馬鹿な貴女も私は好き。
貴女は絶対に裏切らないし私には無いものが多くて惹かれてしまう。
甘い一時が幸せで私の痛みを蕩けさせてくれる。
「ユカリちゃん・・・私、貴女を忘れたくない、そんな日が来たら私・・・耐えられない」
いつの間にか身体を抱き寄せるように密着させていた。
「ユカリちゃん、大好き」
心臓が裂けるぐらい言葉を発するのが恥ずかしかった。私はユカリちゃんという幸せな恋人になれるように目を閉じた。
気の所為かしら?深く眠りに落ちる前、ユカリちゃんの心臓が私以上にバクバクしてたような?
ふふ、本当に可愛いのね。
幻影道R 第十.五巻 〜最高の日常物語 終




