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「ノア先輩と過ごす一日」その2

 病院から帰ってきて丁度お昼頃になると私は保存室を見に行くと見事に空でした。


「あ・・・あぁぁぁ!!もう駄目だ・・・死ぬしかないよ〜!」


 そうだった今日は食材を買いに行く日!それなのに私はこんな所でユイちゃん大好きと馬鹿みたいに言いふらしてた!


 ノア先輩が駆け寄って慰めてくれた。


「ユカリちゃん、私にまかせてください♪」


 すると天使が朗らかに笑うと調達してきますと言ってその場から去ってしまった。


 仕事服なのに健気に献身的な先輩だ。


 一時間過ぎるとノア先輩が私服姿で戻って来た。


「おかえりなさい〜」


 その姿は最早お嫁さん、食材は風魔法で浮かせて優雅に帰宅。白ブラウスに黄緑色の少し透けたスカートからはみ出る脚が美しい。


 身体のラインもしなやかなのに出る所は大きく出て清楚系美人とはこの人を差すんだろうな。


 ユイちゃんは大人びてるけど美少女、ノア先輩は本物の美人。どちらも性格最悪だけどどっちも根は凄く優しい。


 食材を買ってすぐに調理部屋で料理をするエプロン姿のノア先輩に優しく後ろから抱き着いた。


「こら、まだですよ?」 


「えへへ〜♪」


「むっ!いけないいけない!駄目ですよ〜ちゃんと楽な姿勢で待っててくれませんとめっ!って怒っちゃいますよ?」


「それならいいよ♪」


「もぅ〜めっです!大人しく待ちなさい!」


 怒られたけど嬉しい、胸がドキドキするけど本当に嬉しい。


 こんなお母さんだったら・・・止めよう。


 少しだけ胸が痛む、大人しくテーブルがおいてある場所までゆっくりと歩き椅子に座わり待つこと数十分、ノア先輩は薬みの効いた料理を持って来た。


「お肉を薬味で味付けしたシュバイネハクセと安く買わせて頂いたニュルンベルガーにトマトスープです」


「あれ?チーズとかハムとか・・・」   


「欲張りさんはいけませんよ?パンもありますから」


「デザートは?」


「まだお昼ですよ?夕食は豪華にしますのでそれまでお待ち下さい」


「わーい!因みにお酒は?」


「内蔵痛めたのに塩塗るんですか?」


「・・・だよね」


 私はノア先輩と一緒にとても貴重な食卓を囲み夜までやらないといけないことをノア先輩が全部やってくれて正に至れり尽くせりだった。


 大好きな先輩といるのは幸せなんだけど・・・やっぱりユイちゃんか家族が恋しくなってしまう我儘な私だった。

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